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オバマ大統領は31日、ホワイトハウスのローズ.ガーデンで、シリアの化学兵器問題に関して「慎重に審議した結果」を発表し、約10分間のスピーチで2つのことを明確にした。一つは国際的な安全保障と人道的見地から軍事行動を決定したことであり、二つ目は、多くの議員の要請に従い、その決定は投票に委ねることである。特に、二つ目の決定は幾つかの点で賢い方法である。

オバマ氏は、米国人はイラクやアフガニスタン戦争で厭戦的であることは知っていると述べ、軍事行動に関しては、軍隊を配置し長期的にシリアの内戦に介入する方法ではなく「時間と範囲を限定」したものであると説明した。 28日にPBSのインタビューで「強い合図を送る」と語った意味は、巡航ミサイル又は何らかの空撃による一時的な戦略であると思われるが、攻撃の方法については具体的な話はしていない。

軍事行動決断の主な理由は、国際的な安全保障のためである。オバマ氏は、シリアの化学兵器の使用は「人間の尊厳に対する攻撃」であり「国家の安全保障に重大な危険性を示唆している」とし、化学兵器に関する国際条約に違反しているため、これに何の対抗もせず、黙認することはシリア国境付近の米国の友人やパートナーである国を危険に晒し「化学兵器の使用をエスカレートさせる可能性がある」と語った。二つ目は、人道的な見地からであると思われる。オバマ氏は「我々は、ダマスカスで起きたことに目をつぶることはできない」とし、米国は世界大戦の灰の中から国際秩序を構築してきた国であり、意義のある規則を施行してきた。なぜなら「平和と尊厳を望んで生きる個人の権利は国の責任に依存していると信じている」と述べ、「我々は完璧ではないが、他のどの国よりその責任を果たす意志がある」と語った。

議会の投票に委ねるとしたオバマ氏の決断は、幾つかの点において賢い方法である。98人の共和党および18人の民主党議員は署名入りの手紙をオバマ氏に送り、決定する前に議会の承認を得るよう要請していた。この件についてオバマ氏は、大統領として「特定の議会の承認を得る必要はないと信じている」が、議会が承認するよう要請したと報告した。この報告に対して、上院および下院のリーダーは全員「民主主義的に正しい事であると同意した」と語った。また、オバマケアの資金停止運動の主要人物である上院共和党のテッド.クルーズ氏も昨日、「大統領は、議会の声を聞いてくれてとてもうれしい」と語った。オバマ氏に一番必要なことは、重大な外交政策に直面している現在、政敵を味方にすることである。多くの議員の要請を無視しなかったことの意義は何らかの形でいずれ顕れるはずである。2つ目は、すでに結論が出たイギリスに加えてフランスも投票で決定するからであり同盟国や協力国に歩調を合わせることで国際的に独断的な印象を与えない。

3つ目は、国連の常任理事国であるロシアの拒否権により国連の委任は期待できないため、国連の認可を待たない軍事行動を決定したオバマ氏であるが、米国の議会は8日まで夏休みであるため、その後大統領の決定を協議および投票するステップには十分な時間を与え、準備不足または短絡的な軍事行動を防止する要因になる。最後に、民主的な協議と投票により決定することで、最終的に決定される軍事行動が成功しない場合、その責任はオバマ氏と議会に分散するためオバマ氏だけが責められることはない。従って、 議会と共に解決にあたることを強調した点で賢い選択であると思われる。

いずれにしても、本格的にシリアの戦争に関与せず、引き続きシリア国民を支持し、化学兵器を利用して1,000人以上の自国民を大量殺戮したシリア政府に圧力をかけることを強調したオバマ氏の決定に対して、議会がどのような結論を出すかどうか、9月9日以降の米国議会の動きは国際的に注目されるはずである。

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