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オバマ氏は、5 日からロシアのサンクトペテルブルグで開催されるG20サミット出席のため今夜出発するようであるが、3日の今朝、 ホワイトハウスで議会の主要メンバーらと会談し、現在シリアでは記録的な難民数に達し、シリアの国民はベトナム戦争以来の恐怖に直面しているため、議会が早く承認するよう要請した。来週早々の投票を期待しているようであるが、 オバマ氏の決定に関する議会の意見は既に分裂している 。

9月3日のロイターによると、2年半の暴力と恐怖の内戦でシリア国民のほぼ3人に1人は 難民になっている。国連難民機関の当局者は、過去12ヶ月間でトルコ、イラク、ジョーダン、及びレバノンの国境を越えた難民は10倍に増大し、一日平均5,000人の男女や子供がシリアを離れていると報告している。海外に難民した人数は推定200万人であり、シリアの人口の約10%であるという。更に、推定425万人のシリア人は国内の避難場所での生活を強いられている。シリアは現在「今世紀最大の苦しみと人道的災難に直面し、多大な悲劇国になった」と国連難民機関の担当者は伝えているという。国内外の推定600万以上の難民は、おそらくアフガニスタン危機のピーク時と同じような状況に直面していると言われている。

オバマ氏は今朝、シリア情勢に関してホワイトハウスで議員代表者と会談し、イラクやアフガニスタンのような無限の長い戦争を意図しているのではなく、軍事行動でシリアの政権交代および内戦を終せることまで追求していないことを明確にした。オバマ氏は、最終的には平和的な外交手段で政権交させる意図があることを先日抽象的に語っている。また、アサド政権が化学兵器を使用して自国民を大量虐殺したことを罰することが主要目的であり、多くのシリア難民が流れているこれらの国の安全保障も含めて、化学兵器の再使用を防ぐためであると語った。そのような目的による軍事行動に関して今日開催された上院外交関連委員会の聴聞会でも、国務長官のジョン.ケリーおよび国防長官のチャック.ヘーゲル両氏は繰り返し同じことを説明した。

シリアの大統領バッシャール.アサドは、米国の懲罰的攻撃の動きを察して「証拠をみせろ」と言い始めているという。1,400人以上のシリア国民の虐殺はサリンガスが使用されたと言われているが、誰がそのサリンガスを利用したのかは一切論じられていない。しかし、オバマ政権は、シリア政府軍であることを確信していると主張している。その確信に基づいて「時間と範囲」を制限した計画は、シリア本土に近づかない空爆による短期間の攻撃であり、最小限の軍事行動であると言われている。しかし、そのような懲罰的な攻撃を開始した場合「意図しなかったような結果になる」と警告する専門家も少なくない。今日の聴聞会に参加した多くの議員も失敗した場合の結果などを懸念している。シリアの国民に負傷者や死者が出た場合、その軍事行動は成功したことにはならないと指摘されている。

オバマ氏の決定を承認する前から、既に議員らの意見は分裂している 。新保守派の議員らは、化学兵器を所持しているシリア政府軍を打破するため、反政府軍に加勢するべきだと主張している。米国に協力する国も米軍とともにシリアを侵略して、シリア政府軍を攻撃する内戦への介入を提案している。この主な提案者はジョン.マケイン氏を含む複数の共和党議員であり、 懲罰的な攻撃に限定することは不十分であると圧力をかけている。このような複合的な交戦はオバマ氏が最も避けたい戦略であり、そのような方法で深くシリアの内戦に関与する意志はないことを繰り返し説明しているようである。一方、シリアの内戦に深く関与することに反対しているのはリベラルの民主党である。保守派のティパーティに支持されている共和党議員らは、米国は世界の警察ではないと、オバマ氏のシリアに対する懲罰的な考え方に懐疑的である。

オバマ氏は、夏休み中の議員が9日に 議会に戻り次第、投票することを期待しているようであるが、投票結果はイラク戦争の時と逆になる可能性がある。イラク戦争の時は大半の共和党が支持し、大半の民主党が反対した。今回は、大半の民主党がオバマ氏の決定を支持し、大半の共和党が反対する可能性が高い。大半の共和党が今回のオバマ氏の決定に反対する理由は、軍隊を派遣し、シリア内戦に介入する本格的な軍事行動ではないからである。今日の聴聞会でも、シリアに懲罰を与えた後にシリアの反政府軍や国民の面倒を見ない米国を世界はどのように評価するのか、また、その「時間と範囲」を制限する要点は何であるのか、オバマ氏の決定に懐疑的な議員もいる。また、オバマ氏の決定には何でも反対するティパーティ議員もいる。

ケリー氏は、イラク戦争の教訓を意識していることを語り、シリアに対する懲罰的攻撃は戦争に参加しない方法で、協力国と共に、今後シリアの化学兵器使用を阻止することが目的であり、その方法は幾らでもあると主張している。シリアの化学兵器国際協定違反に対して、世界は米国がどのように対処するかを見ているため黙認できないとして、米国に対するグローバル的な信頼性も強調している。また、米国が何も行動を起こさない場合、シリアは必ずまた化学兵器を利用すると確信的に語った。しかし、ケリー氏の説明に納得しない議員もいる。シリア懲罰に懐疑的な議員、軍隊派遣の戦争関与を主張する議員、オバマ氏の決定を全面的に支持する議員など、既に議会は分裂していることは明らかである。イギリスの不参加が明白になった現在、米国の議会が投票に失敗した場合、フランスはどのような軍事行動にも一切参加しないことを明白にしている。

歴代の大統領がいつも口にした「安全保障のため」は軍事行動の決まり文句であり、戦争の大義名分であることは歴史が教えている。仮に、オバマ氏が望むとおり、何の問題もなく投票で認可されたとしても、米国は自国を泥沼に引きずる結果にならない保障はない。シリアが懲罰的な攻撃を受けて絶対に報復しないという保障もない。米国の国民もおそらく、多大な不安を抱いていると思われる。今日発表されたピュー.リサーチ.センターの新たな世論調査結果によると、48%の国民はシリア攻撃に反対し、賛成しているのは29%である。

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