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2016年の共和党大統領候補として噂され、最近注目を集めている主なティパーティ議員らは、昨日の上院外交関連委員会の聴聞会および今日開催された下院パネルでの聴聞委員会に出席し、シリアに対する懲罰的な攻撃についてナンセンスな発言をし、懐疑心を表明した。彼らがオバマ氏の決定を承認しない立場であることは明白である。

9月4日は下院パネルでの聴聞会が開催され、昨日と同様、ケリー国務長官はシリアの独裁者にメッセージを送る必要があること、軍隊は派遣しない、戦争参加を求めていないなどの点を明らかにした。また、ヘーゲル国防長官は、化学兵器の使用は容認できない、軍事行動はその「時間と範囲」を限定するべきである、シリアの内戦停止を追求していない、及びシリアは再度化学兵器を無差別に使用する可能性があるなどの要点を再度強調した。

マルコ.ルビオ氏(写真左)は2010年にティパーティの支持を得て当選したフロリダ州出身の共和党上院議員で、2016年の大統領選に立候補する可能性があると噂されている。タカ派的な強硬論者であり、投票では反対する立場を表明している。彼は、大統領の要請に懐疑的であり、オバマ氏の計画は、範囲が小さく時期も遅すぎるためそのような計画が効果的だとは思わないと述べた。多くの国民が毒殺されたことは恐ろしいことであるが、その前にすでに2年半の間に100,000人が殺害されている時、米国は何もしなかったと指摘。これは我々が無視している時に起きたことを銘記させると述べている。ルビオ氏は、米国の軍事介入は、真にアメリカの国土安全保障が脅かされている時だけに限定するべきであると主張している。

ケンタッキー出身の上院共和党議員ランド.ポール氏(写真中央)は、リバタリアン(自由主義)の父の影響を大きく受けている事実上のティパーティのリーダー的議員である。オバマ氏の計画を認可するための投票には、フィリバスター(議事妨害)を利用する可能性があると言われている。ポール氏は、シリアで化学兵器が使用されたことには疑いを持たないが、軍事行動はシリアを不安定にし、イスラエルへの攻撃に繋がる可能性があると主張した。また、ルビオ氏と立場はほぼ同じであり、米国の利益が脅かされた時にのみ関与するべきであるが、シリアの内戦は、政府軍および反政府軍のいずれにもアメリカの利益が脅かされている認識はないと述べている。

ティパーティの支持を受けて、2013年 1月に当選したテキサス州出身のテッド.クルーズ氏(写真右)はカナダ生まれの共和党上院議員である。 クルーズ氏は米国とカナダの二重国籍を所持していると言われている。米国生まれではないため、大統領候補にはなれないと指摘されたとき、カナダの国籍を放棄すると宣言した。クルーズ氏は、シリアが化学兵器を使用し、国民を殺害したことがアメリカの対応を要求していることにはならないとし「世界の警察官」として軍事行動を起こす事が米国の任務ではないと主張した。また、シリア政権に対する懲罰的な攻撃は全ての問題を無限に拡大する可能性があると警告。また、米国の軍隊はアメリカの国家安全保障上の利益を保護することに集中するべきであり、国際規範を守るため軍事行動を慣行することは十分な正当化の理由にはならないと主張している。更に、シリアの反乱軍の一部にアルカイダのテロリストがいるためテロリストの関心を促進することになり、意図しない影響を与える可能性があるとし、米国の国家安全保障と同盟国の利益に非常に危険であると主張した。つまり、 シリアの反乱軍にはテロリストが混在している可能性が指摘されているため、シリア政府を攻撃することはテロリストを援助することになると判断している。

この3人は 懲罰的なシリア攻撃の計画に関し、シリアの状況は米国の関与を正当化していないと主張し、米国の安全保障が真に脅かされた時のみ軍事行動を取るべきであるとする共通の見解を提示した。シリアが化学兵器を使用しているという緊迫した現実とそれが世界に及ぼす危機を展望していない印象を与えている。ルビオ氏は、2年半続いているシリアの内戦を米国がこれまで無視してきたと述べているが、これは認識不足である。オバマ政権は反政府軍に人道的支援のため、すでに8億ドル以上の融資を行っている。また7月には、アサド政権と戦っている反政府軍に武器を提供するため、準備として試験的に、地域の学校、病院などに配給するための食糧、医薬品、現金などを送っている。

このティパーティの新人議員らは、シリアの内戦で過去2年間に殺害された10万人は、通常兵器による戦争の二次的結果であり、化学兵器で無差別に殺害することとは全く質が異なっていること、およびシリアが化学兵器の国際基準に反していることの意味を考慮していない。更に、彼らはいずれも、軍事行動は米国の国家安全保障上の利益が脅かされる時のみに限定するべきであると強調した。化学兵器を含む大量破壊兵器の使用は、誰かが停止を強制しない限り解決しないという現実を否定しているとケリー国務長官は対抗した。彼らは、 現実に直面している脅威がある限り、米国の安全保障上の利益はありえないというのが米国の歴史上の立場であることを理解していない。米国の国家安全保障という概念は第二次世界大戦後に生まれ、1947年に制定された国家安全保障法により、国内及び国外、更に軍事政策を充実させる目的で米国国家安全保障会議が設置され、当時CIAなどの組織が誕生した。第二次大戦の終焉から冷戦の終わりまで、この国家安全保障は米国政府の命題であり、その是非に関係なく現在も引き続きそうであることを理解していない印象がある。いずれにしても、ティパーティ議員のシリア問題の見解には疑問が投げかけられている。

 

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