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米国の食料安全保障(FS )とは、食料の供給が十分満たされ、空腹または飢餓を経験しないことである。一方、食料非安全保障(FIS )は、食料の供給不足により、空腹と飢餓の危険性が増大することに言及する。いずれも米国農務省が、2006年に米国人の食料安全保障の程度または食料供給不足の限度を表現するために紹介されたものであり、まだ新しい概念である。市場に出回る食品は豊富である反面、十分な食料を供給できない家庭が近年増えていて、FISの度合いは増大している。

米国農務省(USDA)が昨日発表した年次報告によると、2012年のある時点で、何らかの食料供給不足を体験した全米の所帯数は14.5%または1,760万所帯である。2011年の14.9%に比較するとほとんど進歩はなく、引き続き、多くのアメリカ人が十分な食料を得ていないことが判明した。FISは、その数値が高くなるほど、空腹と飢餓の危険性も高くなる。USDAの調査によると、現在4,900万人が食料供給不足の家庭で生活し、1,240万人の成人が非常に食料供給不足の生活を営み、成人と暮らす830万人の子供が食料不足の家庭で生活し、1人またはそれ以上の子供がいる家庭の977,000人の子供(全米の子供の1.3%)は非常に食料供給が不足している状態の家庭で暮らしている。

また、家族構成のグループ別にみると、FIS度(食料供給不足)が最も高いのは、子供を持つ独身の女性の家庭で35.4%である。次に高いのは、貧困ライン185%以下(2012年連邦政府の4人家族の貧困ラインは$23,283)の家庭で34.3%である。3番名に高いのは黒人所帯で24.6%、次に独身男性の子供がいる所帯で23.6%である。 次にヒスパニック系の所帯で23.3%である。また6歳以下の子供がいる所帯で20.5%、最後に、子供のいる全ての所帯で20.0%である。

また、 総体的にFIS度は子供のいない家庭の11.9%に対して、子供のいる家庭は食料供給不足が実質的に高く20.0%である。一方、子供のいる所帯の中で、結婚している所帯のFIS度は最も低い13.2%である。また、食料供給不足は主な大都会の家庭に最も高く16.9%であり、大都会ではない中間の都市では15.5%、主な都市の郊外で12.7%である。地域的にも差があり、南部が最も高くて16.0%、西部で14.4%、中西部で14.2%、北東部で11.9%である。

貧困度のバロメーターであるFIS度は2007年には11.1%であったため、2011年および 2012年には増大していることが明白になっている。これは、十分な食料を購入するお金がない人が増えていることを意味し、更に米国の栄養補給プログラムが不足していること、そのプログラムを活用する機会が少ないことを示唆している。共和党は、低所得者の福祉プログラムであるフード.スタンプの予算を次の10年間で$400億削減する事を目指している。これが通過した場合、労働者の賃金が上昇し、失業率が大幅に低下しない限り、更に空腹と飢餓を経験する人口は増える可能性がある。幸い、このような状況に反応してか、マサチューセッツ州の大都会であるボストンでは、まだ存続している連邦政府の栄養補給プログラムを利用して、学校給食の無料提供を今週から開始した学校もある。これは、プライバシーの侵害になる所得の情報など、煩わしい書類提出を省略し、無料で給食を受けられるため低所得家庭の子供を援助するシステムになっている。いずれにしても4,900万人の米国人が十分な食料を得ていないとは驚きである。

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