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カリフォルニア州の上院及び下院議会は、12日および13日複数の法案を制定した。13日は不法移民に運転免許証を与える法案を通過し、同時に最低賃金を上昇させる法案も認可した。運転免許の法案や最低賃金の引き上げ法案に加えて、12日には超過勤務支払い法案も通過した。知事のジェリー.ブラウン氏は近日中に署名する予定である。カリフォルニア州は近年、低所得者や労働者の生活水準を上げることに貢献する数少ない代表的な州になっている。

車社会の米国では、運転免許なしに生活することはほぼ不可能である。昨年6月15日オバマ氏は 、一定の条件付きで、不法移民の親又は家族と米国に入国した子供達に期限付きの滞在と労働許可を与える大統領令を発表した。その後多くの州では、合法的な滞在と労働許可を得るための申請手続きが行われている。カリフォルニア州はおそらく、不法移民が最も多い州のひとつであると思われるが、運転免許を獲得することで数百万人の不法移民が通勤可能になる。

13日のABCニュースによると、カリフォルニア州のサクラメントにある州議会で昨夜、不法移民に運転免許証を与える法案の投票が行われ、55対19票で通過した。カリフォルニア州は長年の葛藤を経て圧倒的な票差で通過したことになる。この法案の起草者である民主党議員のルイス.アレホカ氏は「彼らが誰であろうと、何処から来ていようと、州が規定するテストに合格し、保険に加入し、州の身分証明を保持することは不可欠である」ため「地域社会を安全にする」と語っている。しかし、不法移民に運転免許証を与えることは論争的で難しい法案のひとつであった。無免許運転者による交通事故で息子を亡くしたドン·ローゼンバーグ氏は、不法移民の住民が運転免許を取得できるようになると道路がより安全になるという証拠はないとこの法案に反対している。 また、不良ドライバーに運転免許を与えると、事故率や死亡率が増えると指摘している。米国は近年まで、不法移民の不法労働、無免許運転などの問題に加えて、移民改正法に失敗しているため、不法移民に運転免許を与え保険を強制することは、無免許運転者を増やすよりもっと効率的に法と秩序を維持する方法である。

更に、13日のNBC ニュース によると、カリフォルニア州は最低賃金を上昇する法案が51対25票差で通過した。法案は現行の$8から$9になり、これは2014年の7月までに施行される。また法案は2016年1月までに$10に上昇することを規定している。ブラウン知事は「最低賃金はコスト上昇に追いついていないのでこの法律は遅れているが、この厳しい経済で苦労している家族を支援する」と述べている。現在、ワシントン州が$9.19で最も高く、時給$10を支払う州は存在しない。

現在、大多数の州は最低賃金$7.25から$7.50の時給を採用している。連邦政府の最低賃金の規定も2009年から$7.25のままであり、オバマ氏は$9.00に上昇することを提案しているが、下院共和党議員は満場一致でオバマ氏の提案を却下したため向上はない。しかし、80%の国民は最低$10を支持している。カリフォルニアの議会でも共和党は「中小企業を傷つけ最終的に幾つかの最低賃金労働者の仕事に影響が出る」と反対した。また、多くの大都会でファーストフード.レストランの従業員は頻繁に $7.25から$15の賃上げを要求するデモを展開しているが、ほとんどの州では$10さえ難しい状況である。レストラン連合機会センターの6月の調査によると、$7.25から$10に上昇した場合、約600万人の低所得者が貧困ラインから引き上げられると予測。最低賃金の引き上げ法案はカリフォルニアを先駆州にしているが、2016年には歩調を合わせる州が出てくるかもしれない。

また、カリフォルニア州は、12日超過勤務支払い法案を通過させた。これは、1日9時間以上または週に45時間働く家内労働者に時間外労働手当を保証する法律である。家内労働者権利章典 (DWBR)と呼ばれているこの法律の制定は、ニューヨークに引き続いてカリフォルニアが2番目の州になる。この法により、メイド、ベビーシッターなどを専門にしている家内労働者は、超過勤務の支払いを保証される。この法案は現在3年間の有効期限付きであるため、同州の議会および知事は永久的な法律にする計画があるようだ。DWBRの通過は、家内労働者が労働保護の類いを得る第一歩である。この業界では、このような法案は歴史的に除外されていたため、長年の差別を大きく改革する画期的な法案となる。 この法案を通過させる運動は全米で行われているため、カリフォルニア州が先駆を切ったことになる。

ここ数日間で通過した不法移民への運転免許の認可、最低賃金の上昇、超過勤務支払いを保証する法案は、カリフォルニア州の多くの労働者の生活水準を引き上げることに役立つと思われる。新たに数百万人に運転免許を与えることは各種の自動車産業にもビジネスを活性化させる要因になると予測されている。カリフォルニアは6月、移民の子供が多い公立学校地区に教育費を多く融資するなど、次々に労働者援助の法案を制定している。これらの法案の全てが提案、起草、投票にいたるまでの過程で紆余曲折があったためそれなりに意義深い。特に、不法移民に運転免許を与える法案は、移民改正法案を無視している連邦政府の下院議会を刺激するねらいもあると言われている。

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