アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

ロシアがシリアに化学兵器を放棄させることが発表された10日以降、その動きは予想より早いスピードで進んでいる。11日には、国連はバッシャール.アサドが化学兵器禁止の国際協定に署名したことを確認し、1週間後シリアは化学兵器を完全に破棄することが予測されている。そのため、イスラエルおよびシリア政府当局はプーチンに深い感謝を表明し、シリアの化学兵器の完全な破壊を望んでいることが伝えられた。更に16日、国連の査察団は8月21日にダマスカス郊外で 使用された毒物はサリンガスであると確証した。

シリア攻撃に大半の米国民および議会が反対している状況下で、プーチンは平和的解決に仲介し、 ニューヨーク.タイムス(NYT)への寄稿を通し、米国のシリア攻撃が如何に間違っているかを説得するなど、最近気まずい立場に追い込まれたオバマ氏は、オバマ政権を擁護する幾つかのコメントを表明した。15日のアルジャジーラによると、オバマ氏は、ダマスカス当局がロシアの友人およびモスクワの外交に感謝したことを受けて、シリアの化学兵器の「著しい向上は米国の圧力による直接的な結果である」と弁護した。オバマ氏は15日「過去数週間、我々がかけた圧力の結果として、シリアは初めて化学兵器を保持している事を認め、化学兵器の使用を禁止する条約に同意した。更に、最初からスポンサーであるロシア人は、化学兵器を国から追放することをシリアに強制した」と語った。また、国務長官ジョン.ケリー氏もこのように早くシリアが行動している状況は、1ヶ月後になるとのアサドの予定に対して、早急な行動を要求したためであると述べた。

同紙によると、オバマ氏の弁護は、シリアが国際協定に署名したその中心となったのはロシアの外交である」とダマスカス当局がコメントしたためである。シリアの外相は「我々のロシアの友人のおかげでシリアの勝利をもたらした」と語り、米国とロシアの同意は、ロシアの外交的手腕及びロシアのリーダーシップによるものであり、シリアに対する戦争を防いだと述べたためである。つまり、ロシアのおかげで米国の攻撃を阻止することができたと言っている。オバマ氏はこのようなシリアのコメントを受けて、15日のインタビューで、ワシントン及びモスクワはアサド政府の将来についてもまだ意見が分かれていると述べ、プーチンは「考え方が違う」と語ったという。オバマ氏は「プーチンはアサドを保護し、アメリカの価値観を共有しない」と語った。プーチンがNYTに寄稿した米国民へのメッセージに対して、オバマ氏はコメントしないと決定したことが伝えられたため、その件に関しては直接的な表現を避けている。

一方、イスラエルの首相ベンジャミン.ネタニヤフは米国.ロシア間の同意を歓迎し、このような展開が「シリアの化学兵器の絶滅につながることを望んでいる」と語った。また、 シリアに対する国際社会の行動は、将来イランに対処するための「テスト.ケース」になることを証明するだろうと語ったという。イスラエルは、イランが核兵器保持を追求していると長い間確信しているが、イランは核兵器プログラムの構築を否定し、原子炉は国民のために利用していると主張しているという。

米国.ロシアがシリアの化学兵器放棄に同意する外交には安保常任理事国として、自ら化学兵器を放棄する責任が伴うはずである。13日のAP通信によると、米国は 、第一次世界大戦頃から化学兵器の開発を始め、第二次世界大戦から1968年まで着実に容量を増大させた。軍事当局によると、サリン、VXガス(猛毒の神経剤)、マスタード.ガス、および他の作用剤の備蓄は31,500トンに増大した。これに比較し、ロシアは大量に蓄積し44,000 トンを保持している。しかし、米国は1970年代から化学兵器を破棄し始め、2012年1月までに米国の9カ所で90%を消滅したため向上している。予定は遅れているものの、2023年までには完全に放棄するという。化学兵器を破棄することは莫大な時間、手間、費用がかかるため簡単な作業ではない。最も重要な点は、公害の影響を考慮しなくてはならないため、生産するより破棄することの方がはるかに困難である。

昨日、国連査察団の調査結果報告を受けた国連事務総長のバン.キムン氏は16日、そのHPに調査結果を公表した。8月21日に子供400人以上を含め、1,400以上が死亡した化学兵器はサリンガスであったことが科学的に証明されたと述べ、これは「戦争犯罪である」と指摘している。そのような非道を繰り返さないため、米国とロシアがシリアの化学兵器を放棄させることに外交上合意したことは画期的である。 米国はすでに90%を放棄し、今後10年間で全てを放棄する計画である。一方、米国を上回る化学兵器を所持し、シリアに化学兵器を放棄させようとしているロシアも自国の破棄作業が遅れているという。しかし、現在どのくらい残っているのか不明である。いずれにしても、化学兵器の放棄に対する安保常任理事国の責任が今日ほど問われる時はない。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。