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数週間前から世界は、米国国家安全保障局(NSA)が世界のリーダーおよび同盟国の電話やメールの通信情報をモニターしているという情報に反応している。折しも、エドワード.スノーデンは 国際援助を求めるため、NSAの監視活動について証言する意思があることを表明した手紙をモスクワで密会したドイツの政治家に直接手渡したことが判明した。

1日のロイターによると、ドイツの反対派であるグリーン党の74歳の政治家ハンス.クリスティン.ストロベラ氏は10月31日、モスクワのある秘密の場所でスノーデンと会い、特定の宛名のない「懸念のある人に」と記載された手紙を受け取った。ストロベラ氏は、モスクワから帰国するとすぐ記者にその手紙を手渡したという。手紙には、米国政府は防衛を提供せず「引き続政治的言論を重罪として犯罪人扱いしている」との苦情が記載されていたという。また、「国際社会の支持があれば、米国政府はこの有害な態度を放棄するとの確信がある」と書いている。スノーデンはドイツに旅行してNSAの秘密監視プログラム及び、ドイツの首相アンゲラ.メルケル氏による諸外国の政治家やビジネス関係者との電話通信のモニターについて、議会で証言する意思があることを手紙で伝えている。更に、スノーデンは「米国議会または委員会がテーブルの上に事実を置く前にドイツに行いたい」と述べている。

この手紙を受けたドイツ当局は、複雑な心境であるようだ。スノーデンの話を聞くため、会合をアレンジする意図はあるが、彼がドイツを訪問することはメルケル氏の米国との外交問題に支障があり、モスクワでのスノーデンの亡命状況にリスクが伴うため、ロシアに戻れなくなる場合、ドイツに責任が伴うためモスクワで会うことを希望している。ストロベレ氏は「現在亡命を許可しているのはロシアでありドイツではない」と述べている。現状では、ドイツはスノーデンの亡命を受け入れることを表明していないし、米国は彼の逮捕を要求している。スノーデンがドイツの捜査官と会い情報を漏らすことは、ロシア政府の亡命条件に反するため、スノーデンは亡命資格を失うとドイツ当局は考えているようである。ドイツの内務大臣ハンス.ペータ.フリードリヒ氏は、スノーデンが「話す意思があればそれを可能にする方法を見つける」と言っているという。

要するに、ドイツ当局はスノーデンがドイツを訪問することには懸念を示しているが、一方、スノーデンはドイツでの滞在を希望し、危険を犯してでもドイツを訪問したいようである。1日のワシントン.ポストによると、スノーデンはドイツが彼を保護し、米国に強制送還しないことを明確にすればドイツに行きたいのではないかと推測している。しかし、それは「メルケル氏を厳しい立場に追いやる」行為である。また、「ドイツの有権者は、米国のスパイ活動を猛烈に怒っているので、スノーデンをドイツに滞在させることは支持される決定である」が、オバマ政権は、そのような状況はスノーデンを取り戻すのに多大な時間がかかることを明白にしている。

NSAは、数千万またはそれ以上の電話、メール、テキスト.メッセージを収集しているとスノーデンが暴露した後、メルケル氏は大規模な秘密監視を止めるようワシントンに要請した。ロイターによると、「NSA当局は、フランスやスペインなどの欧州諸国政府は、多数の通信データーを収集し、それを米国に手渡した」と述べた。スパイ行為は、第一次世界大戦前後からの世界的な現象であり、米国だけに限られているわけではないが、9.11後のテロ対策による驚異的な量のNSA監視プログラムは過剰であることは確かである。そのような監視システムの是非はともかく、それがどれほど有効であるのかという点が重大な疑問である。いずれにしても、ドイツの政治家と密会し、ドイツ政府に米国のスパイ行為を語る意思があるとの手紙を渡すなど、スノーデンの行動は「普通の生活を望んでいる」との彼の弁護士であるアナトリ.クチュレナ氏の報告から受ける印象とは異なっている。いずれにしても、ドイツは米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる国であり、外交上のリスクを犯してまで、彼に滞在許可を与え情報を得る努力をするとは考えにくい。ロシアで仕事も得たばかりでありながら、ドイツと交渉した事自体がすでにリスクであるが、スノーデンはどうやら、リスクの賭けをする人物であるとの印象が強い。

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