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オハイオ州の北東部カントンにあるウォルマートは28日の感謝祭に備えて、従業員のための従業員による食糧の寄付を求める店内キャンペーンを開始した。非常に奇異な発想であるため話題になっている。

この食品の寄付を募る活動は、配布または配置された箱の上に「同僚が感謝祭の夕食を楽しむことができますよう食品をここに寄付してください」と記載されたメモが掲示されている。安い缶詰食品や乾燥食品などが寄付しやすい食品であるが、店内で働く従業員は管理職を除いてほとんど、同僚に寄付する経済的余裕はなく、フードスタンプが必要な人が多いことが現状である。また、感謝祭の日には午後6:00から売り出しが始まるため、一般のアメリカ人が家族と感謝祭の夕食を楽しんでいる時、夜勤で働く従業員もいる。

フォーブスによると、ウォルマートのスポークスマンは、食品の寄付は「素晴らしいことです」と自慢しているという。しかし、解雇されることを恐れて名前の公表を拒否したある社員は、数週間前職場につくと、 食品を寄付する箱が自分のロッカーに入っていることに気付いたという。寄付用の箱が並んだ写真はソーシャルメディアを通して紹介されたため、ウォルマートの従業員の生活事情がいかに悪いかを証明していることに気付き、この食品の寄付運動に「狼狽し、憂鬱な気分である」と語ったという。コーネル大学の労働教育研究の責任者であるケイト.ブロンフェンブレンナー氏は、ウォルマートが食品寄付の箱を設置した理由は「従業員が彼らの家族に十分な食物を与えることが可能なほどの収入がないからである」とコメントしている。

ウォルマートの純利益は昨年$170億上昇したという。しかし、ウォルマートは全米で「最低賃金トップ10の中でも最悪の企業」であり、全米のストアの約100万人の授業員中850,000人の平均年収は、連邦貧困ラインの1所帯4人家族の平均年収とほぼ同じ$25,000以下である。しかし、「公的にはウォルマートの労働者の平均時給は$18であると主張し続けている」が、事実は「フルタイムの従業員の平均時給は$12.83」である。但し「この数値は、昨年$2,070万稼いだ最高経営責任者のような最も高い収入を得る複数のCEOに支払われる給与も含まれている」という。 一般的には、多くの従業員の平均年収は$14,000であり、時給は$8.00程度だと言われている。

ウォルマートの食品寄付の発想には批判的な反響がある。ウォルマートの従業員は頻繁に最低賃金引き上げの要求をしているが、経営側は拒否している。毎年多額の利益が報告されている一方で、低所得の従業員のため従業員に食品の寄付を求める運動はどこか滑稽である。掲示されているメッセージは、ウォルマートが如何に低賃金で家族に十分な食事を与えていないことを世間にアピールしているようなものである。現在、フードスタンプさえ$50億削減されているため、少なくともフルタイムで働いている従業員の最低賃金は上げるべきである。店内で働いている一般の労働者は、最低の生活基準を営むことが不可能な収入でありながら、経営者クラスは益々豊になっているウォルマートは顕著な経済格差のモデルであると言える。

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