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今日28日は、米国民にとって 最も重要な歴史的行事であるサンクスギビング(Thanksgiving)と呼ばれる感謝祭の祝日である。 エイブラハム・リンカーン大統領は1863年10月、感謝祭の国民祝日を11月の最後の木曜日に設定すると宣言してから今年は 150年目にあたる。感謝祭の時期は、家族交流のための移動、ブラック.フライデーのショッピング、有名なパレードの見学など年間で最も活況な時である。 今年のブラック.フライデーは例年より繁盛することが期待されているが、バーゲンセールには意外なトリックがある。

フランクリン・ルーズベルト大統領は、感謝祭はいつも11月の第四番目の木曜日にすべきだと宣言し、早期のショッピングを奨励した。これが感謝祭の次の日のブラック.フライデーに発展したものであると思われる。 1621年、北アメリカのイギリスの植民地であるプリマスに初期の入植者が豊作を祝うため3日間饗宴をして過ごしたことが感謝祭の起源である。インディアンが豊作の先導的な役割を果たした裏の活躍はあまり語られていない。また、28日のロイターによると、今年はグレゴリオ暦及びユダヤのカレンダーでは感謝祭とユダヤの休日が重なる極端に稀な日である。次回は2070年にこの二つの祝日が重なるという。

ニューヨークで感謝祭の目玉になっている米国最大手のデパートであるメイシーズのパレードは、今年で87回目を迎えるという。今年は数日前から強風が懸念されていたため、大型風船のキャラクターが注目されているようだ。毎年5,000万人以上のアメリカ人がテレビでパレードを観るという。昨年まで、感謝祭当日はほとんどの商店街やデパートなどは閉店であったが、今年からほとんど大手のストアやデパートは営業するため早めのブラック.フライデーが始まる。毎年どこも買い物客で混雑し、気違いじみた商品の奪い合いが展開され、その殺到の様子は暴力的で負傷する人もいるという。

ウォール.ストリート.ジャナルによると、ブラック.フライデーのバーゲン.セールには汚いトリック があるという。通常の値段を大幅に引き上げた後に、40%または70%などのバーゲンであることを宣伝する。 例えば、セーターを小売業者は$14.50で購入し、値札を約70%に引き上げた後の希望小売価格$50を設定し、幾つかのセーターを$50で販売した後、最初の値引きとして$44.99に設定する。その値段で最初より多くの量を販売し、最後に$21.99の値札をつけてもっと多量に販売する。その製品の平均単位価格は$28であり、そのストアは45%の粗利益を得ることになる、と業界のあるコンサルタントがその裏話を語ったという。 テレビなど耐久性の高い製品については特にそのトリックは大胆である。例えば、過去8ヶ月間$1,297.85で販売していた サムスンの60インチHDTVをブラック.フライデーには$ 1,799.99に値上げし、45% ディスカウントと表示している。そのテレビは10月には 千ドル以下の$997.99で販売していたという。全てのストアやデパートで全ての製品に「汚いトリック」があるという訳ではないが、ブラック.フライデーはビジネスにとって絶好の売上時であるため、バーゲンという幻想的な消費者心理を利用した販売作戦は一般的であるようだ。そのような裏のトリックを知るとわざわざ混雑時に買い物をする意味はないと思うが、意外なことに大半のアメリカ人はこのような混雑した買い物を避けている。CNNの調査によると、今年ブラック.フライデーの買い物をすると答えた率はわずか16%で49%はしないと答えたという。

昨日オバマ氏は、家族と共にフード.バンクを訪問し複数の参加者に直接食品を差し出した。また、ホワイトハスの慣例行事である七面鳥に恩赦を与える儀式に参加した。感謝祭前日または直前に毎年行われるこの儀式は、全国七面鳥財団が提供した七面鳥を屠殺せず農家に解放することを容赦するためである。また、今日は全米の各地でボランティア活動家がホームレスに暖かい食事を与えている。 ロスアンゼルスのダウンタウンでは大勢のセレブがホームレスの人々に様々な食事を給仕しているようである。更に、イリノイ州で17日に発生した竜巻の被害により緊急事態宣言のあった15郡の被災地では、不眠不休のボランティア活動家が被災者全員に暖かい感謝祭の食事を提供しているという。イリノイ州ワシントン市の市長は、この日ほど「ありがとう」の一言を何回も繰り返したことはないと述べているという。感謝祭祝日のこの時期には悲喜交々の心境になる裏話が多数ある。