アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

         ジョージ.ワシントン大学

224年前の1月 8日は米史上初の一般教書演説が行われた日である。1790年のこの日、米国初代大統領のジョージ.ワシントンはニューヨークの議会で、アレクサンダー.ハミルトンが企画した原稿を読み上げた。ワシントンによる米史上初の一般教書演説はオバマ大統領の近年の一般教書演説にかなり共通点があるように思われる。

オバマ大統領とは異なり、ワシントンは雄弁な政治家ではなかったため、スピーチというより音読したと言われている。アーカイブの原稿資料から察すると、スピーチの内容は近年の大統領に比較するとかなり短く、10分以内で終える程度である。しかし、英語表現はクラッシックであるが、一般教書演説の政策課題とその性質において、現在もさほど変化はないと思われる。

ワシントンは短いスピーチの中で、国内政策として負債の責任を指摘し、国の名誉と威厳を維持するためには1775年から1783年までの独立戦争による国内外からの負債を減少させ、経済を安定させることを提案した。しかし、その経済基盤の構築として輸送機関の発達、教育の重要性をあげた。また、農業、商業、および製造業の促進、国内での生産性を高めるため海外からの発明や技術の導入を提案し、科学と文学を促進するため投資することを提唱した。これらの経済政策は優秀なハミルトンの着想であり、資本主義の礎と連邦政府の権力を築いた原点であると思われる。

外交政策にはグローバル的な視野もあったことが感じられる。ワシントンは一般教書演説で国際関係の重要性も強調し、海外に適切な融資を提供することを提案した。また、1789年から始まったフランス革命は戦争の脅威を与えたため、まず国内の安全保障を強調し、平和利用のための軍事力の強化を訴えている。米国が世界最大の軍事力を築いたその歴史的原点は、独立戦争の司令官であった軍人政治家のジョージ.ワシントンに他ならない。

一般教書演説は具体性がない点で共通しているが、ワシントンが 224年前に提唱した内容は、オバマ大統領の政策とオーバラップする点が多い。例えば、安定した経済基盤は教育が鍵であることをオバマ氏も強調している点で、教育の重要性は普遍的であることを教えている。現在名門校として知られるワシントン大学は教育を重視したワシントンの意志を受け継いで1821年に設立された遺産のひとつである。また、ワシントンは輸送機関の発達を提唱したが、オバマ氏は輸送の要となる道路、橋などのインフラ整備をすることで雇用拡大を提唱した。また、オバマ氏も米国は平和維持のためには強い軍事力が必要であると主張した。更に、ワシントンは負債を恐れる事より投資を強調した点で、オバマ氏と全く同じである。ジョージ.ワシントンによる米史上初の一般教書演説には、多くの歴代後継者が初代大統領の政治思想から学んだと思わせる印象が深い。

100_1409バージニア州マウントバーノンのジョージワシントン邸宅:2007年 6 月 22日、筆者撮影

100_1418ワシントンの車庫とワゴン車:2007年 6 月 22日、筆者撮影

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。