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異常気象が続いている昨今、気象庁および科学者は気候変動および地球温暖化が原因であることを指摘し、ようやくこの問題が提起されるようになった。16日、NBCのMeet the Pressの進行役を務めるディビッド.グレゴリー氏は、この問題について約10分間のテレビ.インタビューで、科学教育者及びプラネタリー社会のCEOであるビル.ネイ氏と共和党議員で下院エネルギー商業委員会副委員長のマーシャ.ブラックバーン氏に質問形式で論議を進めた。地球温暖化政策が進まない要因は様々であるが、気候変動の問題解決にはコストの懸念がある。しかし、地球温暖化政策に反対する一部の政治家は、エネルギー関連企業から献金を受けているため政治的利害関係が政策を左右している事実もある。

グレゴリー氏は、イギリスの科学者は気候変動の証拠を提起していると述べ、米国多数の地域が異常な氷雪に見舞われ、カリフォルニアでは農業が被害にあっている極端な天候の瞬間をビデオで紹介した。ほとんどの共和党議員は一般的に科学者が唱える気候変動や地球温暖化説を信じていない。特にブラックバーン氏は、 悪名高き気候変動の否定者として知られている。彼女は、今日 Meet the Pressで、大気中の二酸化炭素(CO2)はわずか320から400 p.mに上昇しているだけであり、これは非常にわずかな量であると述べたことに対して、ネイ氏は、「それは25%の著しい増加である」と指摘し、「否定ばかりしている間に更に悪化する」と反論した。ネイ氏は、科学者は圧倒的に異常気象の原因は気候変動であると述べていると指摘し、「貴方はリーダーです。何が起きているかを否定せず、変えて欲しいです」と述べ、米国で生まれた自分は「米国が気候変動の問題で世界をリードしてほしい」と語った。 ブラックバーン氏は費用と利益に関する分析が重要であることを指摘し、連邦政府の環境庁(EPA)は、結果のみに集中し、費用と利益に関する分析、つまり、 CO2の社会的費用(SCC)に関する分析を実施していないと指摘した。また、「カーボンの利点を見ると、周りには曖昧さが沢山あるが、CO2は農産物の生産性を増大する」と主張した。

ブラックバーン氏は、EPAは SCCの分析をしていないと指摘し、CO2の経済的利点の研究は沢山あると述べたが、その例を提示していない。EPAによると、 SCCはCO2の排出量の経済的損害を包括的に推定するための「総合的評価モデル」であり、その基準に従って分析を行っている。しかし、「現在、物理的、生態学的、及び経済的影響に関する情報は含まれていない」が、「CO2削減のメリットを評価するための有益な尺度」であると述べている。しかし、SCCは、農業生産性、人間の健康、および増加する洪水による物質的損害の変化に限定するものではないと説明している。

圧倒的に大多数の科学者は気候変動政策に基づく行動が必要であることを指摘している。事実、科学的研究の97%は人工的原因による地球温暖化に同意している。これは人間の活動が地球温暖化の原因であることを納得した科学者が出版している約12,000の学術誌記事の結論による統計である。しかし、人間の活動が原因による地球温暖化にたいする一般の認識は気候変動政策の支持に必要な要素であるが、一般の認識と現実には著しいギャップがある。米国民の57%は、人間の活動が地球温暖化の原因であるとの説に同意していないか又は、圧倒的に科学者はその説に同意していることに気付いていないかのどちらかであるという。世界的に各地で発生している壊滅的な災害は、気候変動と地球温暖化が原因であると理解し、将来の大変災を防止するための意識が一般的に低いということである。しかし、大半の科学者は「気候変動に行動する動機がある」と述べているという。

一般の認識不足に加えて、環境問題に直接関連のある石油、ガス、石炭などの関連企業はロビー活動を通して政治家に規制阻止の圧力をかけているため、地球温暖化政策を推進することは難しい状況である。その主な要因は、選挙献金により政治家をコントロールする企業の権力が増大しすぎているためである。そのような企業から献金を受けているのは、国民の健康を重視する民主党より、ビジネスを優先する共和党議員の方が圧倒的に多い。2010年の米国内国歳入庁の記録によると、コーク兄弟は、気候変動の科学者および地球温暖化を解決する政策を攻撃する最前線に立つグループに6,130万ドル を投資した。コーク兄弟の資金提供を受けている著名な気候変動の否定機関はティーパーティ関連の組織であるアメリカン.フォー.プロスペリティや保守派のシンクタンク.グループであるヘリテイジ.ファンデーションやケイトー.インスティチュートなどである。このような機関はその資金を利用し、特に共和党議員に対して、EPAの廃止や環境規制の撤廃または規制緩和を押し進めている。

事実、ブラックバーン氏の下院エネルギー商業委員会のメンバーは、先月24対20票差で気候変動の危機に対処する規制に反対すると決定した。つまり、24名は「温室効果ガスの汚染が原因で気候変動が発生していることを決定した修正案」に反対票を投じた。この24名は全て共和党議員であり、石油、ガス、および石炭産業から930万ドルを受理していて、ブラックバーン氏自身も$287,393受理していたことが判明している。彼女が熱心に気候変動政策に反対する動機は明白である。

温室効果ガスに直接関連のある企業に対する規制は、それらのビジネスに直接多大な影響があるため、規制に反対する心理は理解できるが、そのような企業がお金で政治家をコントロールしている現実は地球温暖化政策が進まない別の要因である。この24名のような政治家を利用して温室効果ガス規制法案を阻止したとしても、そのような関連産業の富豪層が原油漏れやその他の事故による人命損失と環境破壊の責任を問われた場合、莫大な経済的インパクトがあることは過去の記録が示唆している。

多数の学者は、気候変動の経済的影響と温室効果ガスの排出を減少させるための費用とその利点に関する研究を既に実施している。そのような科学者の研究に基づいて、ノーベル受賞経済学者のポール.クルーグマン氏は経済にさほどのダメージを与えず、温室効果ガスの排出を劇的に減少させることは可能であるとし、「気候変動の脅威に対処するため、市場ベース.プログラムを利用した温室効果ガスの排出」はさほどのコストはかからないという意見は「環境経済学者の間で広範に同意されていることに気付く」と述べている。しかし、「環境保護の努力はほぼすぐ始めるべきか、または何十年も時間をかけて徐々に行うべきか」については見解が異なっているという。

オバマ大統領は14日、旱魃で影響を受けているカリフォルニア州の農民を訪問し、気候変動の問題に早急に取り組む必要性を強調したが、国民と政治家の意識が変わらない限り地球温暖化政策は進まないという状況である。地球温暖化や気候変動を否定する人達の意識を変えるためには、CO2排出量を規制した場合の経済的コストと、規制しない場合、引き続き発生する壊滅的な災害の経済コストを比較した総体的な研究結果をわかりやすく国民に提示する必要があると思われる。

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