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超党派の議会予算局(CBO)は、18日最低賃金を$10.10および$9.00に引き上げた場合、90万人の貧困を引き上げるが、500,000人に相当する雇用が縮小する可能性があると報告した。これに対して、ホワイトハウスの経済委員会の顧問は、雇用減少の証拠はないとして、その根拠を説明し、最低賃金引き上げの研究について発表したCBOの要点を解説した。

CBOは2016年までに最低賃金を$10.10に引き上げた場合、1,650万人の労働者の収入が上昇するため、合計310億ドルの収入増になると推定した。また、その結果900,000人を貧困から引き上ると報告した。一方、最低賃金の引き上げは、2016年下半期までに約500,000人の労働力または0.3%の雇用が減少すると予測した研究結果を発表した。

この報告を受けたホワイトハウスの経済顧問ジェイソン.ファーマン氏は、雇用が0.3%減少するとの予測は、「最低賃金の引き上げはほとんど雇用に影響を与えないと言っている経済学者らの一致した見解が反映していない」と指摘し、複数の学者の研究を引用して、CBOの予測を否定した。例えば、7人のノーベル賞受賞者、アメリカの経済学会の8人の元代表者、および他600人の経済学者は最近、最低賃金増加の雇用への影響についての文献をまとめ、「近年、最低賃金を増大した場合、雇用の影響に関する学術文献で重要な進展があり、その証拠の重みは、労働市場が弱体している時期であっても、最低賃金労働者の雇用にはほとんど、又は全くマイナスの影響はないことである」と述べていると論破した。

最低賃金引き上げと雇用に関する研究は、最初にニュージャージー州のファーストフード店で1994年から開始されており、1990年代、2000年代に行われた様々なケースを通して、総体的には「最低賃金の引き上げは雇用に大きな悪影響はない」との結論に至っていると説明している。それは、「高い賃金を支払うことは、生産性を向上させ、それによって、単位労働コストを削減することが出来るからである」と指摘している。また、高い賃金は低い離職率につながるため、募集、新しい従業員の訓練にかかる費用を削減することが可能であり、労働者の動機、モラル、集中力、健康の改善は労働者の生産性を高めることができるため、長年の多数の研究に基づき、雇用が減少するという証拠はないと説明している。

次に、CBOの研究に基づく最低賃金の時給を $10.10 に上げた場合の経済的利点からの要点は(1)1,650万人の収入が増大するが、現在時給$10.10以上の収入がある800万人の労働者の「波及効果」については含まれていない。(2)最低賃金の引き上げは、雇用喪失の推定を考慮した場合でも、数百万の中産階級の家族の収入が増加する。(3)最低賃金の上昇は今日の経済を助ける。特に、「労働者の余剰購買力が総需要を拡大」し、「経済を強化」する。これは収入が増大すると消費が増え、収入が減少すると消費を抑える努力をする消費者心理が働くためであるが、前者の傾向はもっと大きい。短期的には需要の増加は、わずかに国の出力と収入を上げる。この報告は、$9.00に最低賃金を上げると、短期的には0.3 %ポイントの成長があることを発見したシカゴの連邦準備銀行の経済学者の研究と一致している。

(4)低賃金労働者のわずか12 %は10代である。十代の若者たちは最低賃金増加の主な受益者であるとの批評家の主張に反して、最低賃金上昇の恩恵を受ける可能性のある10代の労働者はわずか12%である。(5)最低賃金を上げると900,000人の貧困者を引き上げることが可能である。最低賃金増加の反対者は、最低賃金引き上げは貧困を削減しないと主張しているが、フルタイムで働く多くのアメリカ人はギリギリの生活をしているため、その見解は間違っている。最低賃金増加は貧困を削減するという意見は、幅広い学術研究でほぼ全面的に一致した合意点を反映している。

ファーマン氏は、信憑性の高い多くの研究に基づいて、時給$10.10程度の賃金増加であれば雇用にはほとんどマイナスの要素はないと述べている。CBOの研究は、経済的に様々な利点があることを提示している。特に、公正な賃金で働く労働者の離職率は低いため、新入社員の教育および訓練にかかる経費を削減できるという点は事実である。日本全国に幾つかの店舗が進出している米国大手の会員制卸売業小売りチェーン店であるカスコは、最低賃金$11.50を支払っているため、労働者の入れ替わりがほとんどないことで知られている。この研究結果は、最低賃金引き上げが必要な理由をわかりやすく提起しているが、特に90万人の貧困層を引き上げ、購買意欲を高めるため、経済が活性化するというメリットは理解しやすい。最低賃金引き上げ問題でひとつだけ明白なことは、現状の$7.25は近年の物価水準に適合していないため、この賃金の労働者は他の副収入がない限り貧困ラインであるため、そろそろこの現状を変える時が来ている。

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