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飲食サービス業は、2012年大統領選挙の頃からアフォーダブル.ケア.アクト (ACA)又はオバマケアのため、顧客に割増料金を請求することを考慮し始めた。オバマ政権は最近、50人から99人までの従業員を抱える雇用主に対するACA下での強制加入を2016年まで、100人以上は2015年までに延期すると発表した。これは2回目の変更である。しかし、複数のレストランは既に1%及び3%のACA割増料金を追加していたことが昨日判明した。

コストの埋め合わせをする手段として、ファースト.フード.レストランなど、日本にも進出しているデニーズの他にウエンディーズ、ハリケーン.グリル.ウイングス、グッチ.リトル.ピィギーなどはメニューに割増料金を追加することを1年以上前から検討していた。これらのレストランの事業主は従業員に医療保険を提供しなくてはならないため、それ自体は好い事であるが、結果的にはビジネスにとって経済的負担がかかるため、飲食品の値段を上げるより5%の割り増しを考慮していると2012年11月に公表していた。最近、フロリダに19店舗のチェーン店があるゲィターズ.ドックサイド(G.D、写真左)及びロスアンゼルスにある高級レストランはACA割増料金を追加していたことが判明している。

CNN Moneyによると、G.Dの複数のチェーン店では、レストランのドアにACA割増料金1%の協力を要請するメッセージが掲示され、請求書にも明確に1%が追加されている。G.Dはフルタイムで働く従業員は500人いて、現在管理職のみが医療保険を受けているという。オバマケアの規定では、この会社は2015年にはフルタイム労働者の70%に医療保険を提供しなくてはならない。G.Dの運営ディレクターであるサンドラ.クラーク氏は「ACAに伴うコストは最終的には我々のドアを閉めることもあり得る」とし、割増料金を導入することで、引き続き従業員にフルタイムの仕事を提供できると話している。ドアには「ACAに追従するためのコストを補う必要があり、付加的な歳入を得るため全ての飲食品の値段を引き上げる代わりに、G.Dの特定の場所で1%の割り増し料金を実施しました」と記載されている。クラーク氏は「懸命に訓練している労働者を保持しようとしているだけです」と述べた。また、医療保険を提供する費用に加えて、法律に従うことを明確にするためコンサルタント会社を雇い、オバマケアが要求している労働時間や賃金を付加的に記録することを援助する職員を雇用したと語ったという。クラーク氏は、会社がどれくらい支出しているか分からないが、年間推定$500,000であり、1%の割り増し料金から年間推定$160,000の歳入を希望しているという。経営者が異なる他の13店舗は、現在割り増し料金を追加していない。

ロスアンゼルスに11月開店したばかりの高級レストランのリパブリィク( 右)は80人の従業員の医療保険コストを補うため、開店以来 3%の割増料金を顧客に要求している。当レストランの労働者はわずか80人であるため、2016年の強制加入までには十分時間はあるが、既に従業員に医療保険を提供しているという。

obamacare surcharge

参考資料:CNN Money

2012年6月28日、米国最高裁は、医療保険を購入しない者に罰金を科す強制加入は、国の経済問題に関与する「通商条項に照らし合法的である」と決定した。ACAは、医療保険を購入する余裕 のない4,500万人の医療費を減少する目的で制定されたものである。しかし、50人以上の従業員を雇用している事業主に彼らの従業員の医療保険を提供す ることを義務づけているため、2012年11月の大統領選の時期までには経営者の経済的負担の懸念が拡大した。共和党大統領候補のロムニー氏はオバマケアを撤廃すると公約したが惨敗したため、共和党は今日まで40回以上撤廃に努力したが成功していない。2月10日オバマ政権は、50人以上100人以下の労 働者を抱える企業に対する施行を大幅に延期すると発表したため、レストランを含む中小企業は準備期間を与えられた。一方、一般国民に義務化したACAは今 年1月から完全に効力を発揮し、加入者は既に2月1日までに約330万人に達している。

ACAを撤廃することは最早不可能になったため、小さな企業がこの法に対処する努力をしているようであり、レストランの割増料金もその努力の一つであると思われる。おそらく、従業員に医療保険を提供できるのであれば、1%程度の追加料金など喜んで協力する客は多いと思われる。また、高級レストランには余裕のある客が足を運ぶと想像した場 合、3%程度も問題はないと思われる。事実、リパブリィクの顧客は問題なく支払っているという。問題は、2〜3のレストランが始めると、連鎖反応で他の業者にも拡大する可能性があるため、消費者がどう反応するかである。同じようなサービスで同じような値段の店であれば、一般の顧客は必然的に割増料金を追加していない、又は追加率の少ない店を選ぶようになる。G.Dのように、経営者が異なるためACA割増料金を追加する所と、追加していない所があるというのも顧客にとっては不自然である。

また、ACA割増料金を取ることは違反でないため、様々なこじつけで詐欺的行為が平然と行われる可能性もある。G.Dを例とする付加的な経費については、ACAに関する法律を理解するため、一時的にコンサルタント費用が必要になるケースは理解できるが、「時間や賃金の記録」作業のため付加的な雇用が必要であるという部分は誇張である印象を受ける。税金を支払っている以上、従業員の労働時間と賃金の記録は管理者が掌握すべき最小限の義務であるため、ACAとは無関係な業務であるはずだ。ACA割増料金に関しては、現在目立たない状況であるが、様々な業者が全米の各地でこれを都合よく利用するビジネスが増えると、別の角度からオバマケアが攻撃の原因になる可能性もある。また、何のため ACA割増料金として、わざわざ目立つように請求書に提示するのか疑問である。いずれにしても、まだ表面化していないが幾つかの問題が潜んでいるように思われる。

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