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テキサス州の大統領図書館で6日に開催された元大統領ジョージH.W.ブッシュの退職後25周年を記念するイベントで講演した息子のジェブ.ブッシュ氏は、大多数の共和党と一線を引いて、移民改正法を支持する表明を行った。折しも週末は60以上の都市で不法移民の強制送還に対する抗議デモが開催された。

このイベントは記者団を招待していなかったが、ブッシュ氏は、7日にテレビ放映されたこの講演で移民改正法について語り、不法移民についての見解を同情的に表明した。また、「彼らは合法的に入国することができなかったが、それでもこの国に来た人は、テーブルに食物があるかを心配している子供を愛する父であり、家族のためです。彼らは自分の家族が無傷であることを確認し、家族を養う他の手段がないため国境を越えました。そうです。彼らは法律を破りましたが、それは重罪ではありません。それは愛の行為です」と述べた。そのような行為には「代価」が伴うべきかも知れないと言いながらも、不法移民は「違う類いの犯罪」を犯したと語った。

ブッシュ氏の発言は、昨年6月27日に上院で通過した移民改正法を支持する意志があることを暗示している。68対32票で通過したこの法案は、国境の安全整備から、移民入国の記録、1,100万人の不法移民に市民権の道を開く恩赦に至まで、米国の崩壊した移民法を全面的に修正する包括的な法案である。一部の共和党議員は、移民改正法に取り組む意志はあり、下院議長のジョン.ベイナー氏は、1月30日に細切れの法案に関する暫定的な移民改正法案まで発表していた。しかし、1週間後にはオバマ大統領を信用できないという非論理的な感情論の言い訳により結局、簡単に挫折した。移民法を通過しない限り、米国で人口動態的に多数派になりつつあるヒスパニック系有権者の票を今後の選挙で獲得することは困難になる。2016年の大統領選挙に立候補する可能性があるブッシュ氏は、その事をしっかり把握しているようである。

折しも、土曜日の週末には、主に不法移民の強制送還に対する抗議集会が、ホワイトハウス近辺も含め、ワシントンD.C、アリゾナ、コネチカット州など全米60以上の都市で開催された。4月5日までには強制送還の数は約200万人に達したと言われている。不法移民が拘留されているケースは、様々なきっかけがあり現在も続いているようである。何らかの公共道徳違反、又は運転違反で警察に拘束され、不法移民であることが判明するとその夫は強制送還され、その妻も不法移民であった場合、移民当局によって拘留されるケースがある。従って、地域によっては特定の強制送還に対して抗議したようである。ワシントンD.Cではオバマ氏の顔の絵に「強制送還を止めて」と書いたポスターを掲げて数百人がホワイトハウスに向けて行進した。

今日の講演で、合法的手段がなく家族のため不法入国する移民は「愛の行為」であると述べたブッシュ氏の声明は絶妙なタイミングである。ブッシュ氏が大統領になれば強制送還がなくなるという保証はない。なぜなら、オバマ氏は先日、強制送還を指令しているのは自分ではないと述べ、強制送還には反対の立場であることを表明したからである。

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