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オバマ大統領は8日、同等の支払いに関する2つの大統領の行政命令に署名した。一つは同等の労働に対して同等の賃金支払いを強化することである。二つ目は、給料に関する論議をする労働者に対して、連邦政府の請負業者が報復することを禁じるためである。また、上院は昨夜、長期的失業保険の延長法案を通過し、下院での投票を要請している。

これら二つの行政命令は、女性の平等と闘っている女性活動家リリィ.レッドベターに紹介され、リリィ.レッドベター公正支払法として2009年1月にオバマ大統領が署名した法律に基づいている。この法が制定される数年前、議会は2回制定に失敗しているため意義のある法律である。故に、今日の行政命令の目的は、男女間の賃金格差を修正し、賃金支払い状況の透明性を強化することで現行の公正支払法を促進する為である。オバマ氏は今日、男性1ドルに対して女性は平均77セントであると再度指摘した。

また、二つ目の行政命令に関しては、同等の仕事に対して同等の支払いを受けているかどうかを知るための情報交換を労働者間で行うことを連邦政府の請負業者が阻止することを禁止するためである。今日、オバマ氏は、連邦政府の請負業者が労働者の性別、人種、給与概要データーを政府に報告することを要求するため、労働長官のトーマス·ペレス氏に新たな規則を制定するよう指示する大統領覚書に署名した。これに対し、共和党は経済成長を阻むと反論し、この問題を政治利用する「政治妨害」であると批判した。

女性に対する公正な賃金も重要な課題であるが、もっと緊迫した問題を抱えているのは長期失業者である。昨年12月に期限が切れた後、議会は3ヶ月間の延長法案の制定に失敗しているため、現在230万から280万人は仕事を探す努力はしているものの、経済的苦境に直面していると言われている。昨日午後、上院は長期失業保険の延長法案に投票し59対38票で通過した。下院の共和党穏健派の7人は、上院の法案を支持し、下院議長のジョン.ベイナー氏に手紙を送り、投票を促しているが、ベイナー氏を含めて大半の共和党にはその意志がないようである。ベイナー氏は1ヶ月前、民間部門で雇用を拡大する保証がない限り、緊急失業法案には同意しないと述べた時の主張を変えていないため、下院で投票する可能性は薄い。オバマ氏は超党派の政策を遮断すること事を止め、全てのアメリカ人が機会を拡大できることに集中するよう共和党に要請した。

しかし、下院議会の多数の共和党議員は女性が同等の支払いを受けているかどうかにはほとんど興味はない。富裕層の減税には熱心であるが、労働者の経済向上を図る法案には難色を示している通り、共和党は一般的に、企業の利益を優先するため、賃金引き上げ、失業保険の延長法案など、女性を含む一般の労働者を保護する政策には同意しない傾向が強い。その理由は、特に女性や一般の労働者は政治家に献金する余裕はないため、彼らにとっては、選挙資金を提供してくれる富裕層および企業の方が大切だからである。

また、共和党が失業保険の延長法案に躊躇する別の理由は、長期失業者は怠け者であると考えている側面もあるからである。失業は貧困の根本的な要因であるが、貧困問題に取り組んでいる下院予算委員長のポール.ライアン氏は約1ヶ月前、論争的な発言をしたため喧々諤々の批判を受けた。彼は、「都会の内側には、働いていない、仕事をすることさえ考えていない、または労働の文化の価値を学ぶことさえしない男性達がいる」と語り、「このような地域では事実文化的な問題がある」と述べたため、各方面からの反応は多大であった。複数の黒人の批評家は、「都会の内側」という表現は黒人の隠語であるため、ライアン氏は「黒人は怠け者である」ため「黒人がこの国の貧困の原因になっていると述べている」と反論した。多数の批評家は、「かなり侮辱的」な発言であり、弱者に対する攻撃であると指摘した。

ライアン氏の発言は、少数派、低所得層、および特定の人種に対する個人的感情は、時には政策を左右していることが多々あることを示唆している。これも、長期失業保険の延長法案制定を困難にしている隠れた要因であると思われる。しかし、長期的失業の原因は、ライアン氏が考えているような単純な問題ばかりでもない。ジョージタウン大学の政治理論学者のジャッシュ.ミッチェル氏は、「長期的失業者の最大の労働市場における困難性は、実際その性質において構造的な問題である」と指摘している。それは「労働者のスキルが現在の労働の必要条件に適合していないからであり、経済が完全雇用の状態に戻っても多くの労働者は引き続き長期的な失業問題に直面する」と述べている。現在の長期的失業者の問題を解決するためには、オバマ氏が提案している労働者のスキルを向上させるプログラムを拡大することが急務である。男女間の賃金のギャップと長期的失業保険の受益者に対する壁は厚く、総じて弱者は経済向上に葛藤しているのが現状である。

 

 

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