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アフガンでの無人機爆破で負傷した子供達    ボストン爆破の被害者

今日は、昨年15日の午後2時半頃発生したボストン.マラソン爆破事件の一周記念日である。犯人はチェチェン出身の米国合法移民の兄弟であったが、当時26歳の兄のタメラン.ザァナエフは警官との銃撃戦中に死亡した。現在服役中の20歳の弟のジョカァル.ザァナエフは連邦裁判を待っているところであり、死刑が宣告される可能性があると多数の情報筋は伝えている。マラソン爆破事件はテロリズムではないとの指摘もあるが、犯行の動機は米国の外交政策に対する不満によるテロの要因がある。しかし、対テロ戦争で昨年まで頻繁に続いていた無人機爆破とボストン爆破にどのように違いがあるというのだろうか?

9.11の同時多発テロは、オサマ.ビンラディンの米国に対する政治的および経済的な嫌悪が動機であったと言われている。ボストン.マラソン爆破テロは合法移民である彼らが、孤立感から過激な思想に傾くようになったとする説もあるが、米国への外交政策に対する憤りが原因であると分析されている。当時のワシントン.ポストによると、ボストン爆破テロの容疑者の一人で、逮捕された弟のジョカァルは、彼らの動機は米国の対テロ戦略であるイラクおよびアフガニスタン戦争であると、尋問中の捜査官に語っている。

米国の作家、歴史家、外交政策の批評家ウイリアム.ブルム氏は、ボストン.マラソン爆破事件は米国の対テロ戦争に因果関係があることを示唆している。若く、外見も良好で比較的教育を受けた若い軍人が、対テロ戦略による政治的信念のため、ネバダにある事務所から強力な無人機爆撃を操作して見知らぬ人たちを殺害することと、マラソン爆破が3人を殺害し、数百人の罪のない米国人を負傷させたことを比較して、何が違うのかと疑問を提起している。

ブルム氏によると、現在拘留中のジョカァルは、「ボストン爆破の生存者と愛する者を失った人達は、アメリカのイラクとアフガニスタン戦争についての答えを知っている」と述べたという。過去20年間、アメリカ市民を標的にしたテロ攻撃は米国の外交政策に対する怒りが原因であったことを指摘している。また、ボストンの爆破事件は、アフガニスタンの無人機爆撃で子供12名を含む17人の民間人が死亡した数日後に起きている。これまで、米国の無人機爆撃は、時と場所は異なるものの複数に及んでいる。しかし、イラクやアフガニスタンで多くの市民が死亡又は負傷すると、決まって「あれは事故である」を繰り返すが、一方、米国市民に対する攻撃は「テロリストの行為は意図的であり、それは冷血な殺人である」と主張してきた。

テロリズムは本質的に、その原因に注意を向けさせるためのプロパガンダの行為である。ボストン.マラソン爆破の犯人も米国に何らかのメッセージを送る意図があったと思われる。兄のタメランは、他多くのイスラム教徒がそうであるように、米国の外交政策は反イスラムであると考えていた。しかし、ブルム氏は、これは誤認識であるとし、「アメリカ帝国は反イスラムではない」と指摘している。また、「世界で優勢に立つ米国の外交政策に深刻な障壁を表明する人たちに対して反政策」的であり、「ワシントンはテロリズムそれ事態に反しているのか疑問である」が、アメリカに「同盟しないテロリストだけに対抗している」と指摘している。ブルム氏の指摘は、ある国にとってはテロリストであっても、米国にとっては自由の戦士であった過去の歴史を振り返っている側面もある。

一方、9.11の加害者は、米国のシンボルである軍事力と経済力を攻撃した。伝統的には、加害者は事前にメディアにメッセージを電話で伝えることは可能であったが、近年、高度な監視カメラや盗聴システムがあるため、公衆電話さえ気付かれずに利用することはほとんど不可能である。マラソン爆破の犯人も、高度な監視カメラに捕らえられたことが事件後3日目に判明した。3人が死亡し、260人以上が負傷した事件から一周記念日を迎えたボストンはあの「悲劇がボストンのプライドと市民を強くした」と伝えている。今日、多くの生存者、救済に最初に駆けつけた人達を含む100万人がボストンの記念行事に参加しているらしい。

一方、連邦裁判を待っている弟のジョカァルに対する当局の意見は、死刑の宣告を支持する側と死刑に反対する側と二分していると言われている。どのような判決が下されようと、死亡した被害者の遺族はその愛する家族を、両足又は片足を失った犠牲者はその足を取り戻すことは出来ない。愛する者の命が奪われる悲しみは無人機爆撃の犠牲になったアフガニスタンやパキスタンの市民と、ボストン.マラソン爆破で全てを奪われた市民の怒りと悲しみに隔たりはない。その事をジョカァルは言いたかったのではないかと思われる。幸い、パキスタンで頻繁に行われていた米国の無人機爆撃は昨年からかなり減少し、昨年12月以降、そのような攻撃は行っていないと伝えられている。多くの専門家は、様々な角度から外交政策を見直さない限り、ボストン.マラソン爆破のような米国に対する攻撃は今後も続くと懸念している。

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