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29日ジョージア州アトランタに近い、人口3万程度の静かな郊外にあるケネソーのフェデックス倉庫で銃乱射事件があり、6人は軽傷からかなり重傷の範囲で負傷し、射撃した犯人は死亡した。ジョージア州は、銃保持の権利が強調され、同時に銃の暴力も多い州であるが、先週同州は更に銃保持の権利を拡大し、米国史上最強の銃保持法を制定したばかりである。

ABCニュースによると、フェデックスの従業員はショットガンで武装し、29日早朝、倉庫で6人を負傷させた後に自分を撃って死亡したと警察は報告。被害者の3人はかなりの重傷であり、手術中の2人は危篤状態である。警察の報告によると、事件は今朝6時前に頻繁な911の呼び出しがあったため発覚した。100人以上の警察官および連邦政府職員はフェデックス倉庫前に到着し建物を包囲したが、9時前、銃乱射の容疑者は死亡したと警察は伝えた。

皮肉なことに、先週ジョージア州は米史上最も広範な銃法を通過し、23日知事ネイサン.ディール氏が署名したばかりである。この銃法は「安全携帯保護法」と呼び、教会、学校、バー内でも銃の携帯を許可する法律である。また、この保護法は住民が政府の建物や空港の特定箇所に銃を隠して携帯することを可能にする条項も含まれている。同州のディール知事は、この法は、バックグランド.チェックを通過したジョージア州住民に憲法の権利を保護すると述べた。同州の銃保持者を最も保護する法を提供する目的で制定されたが、誰でも銃を保持することを義務づけた同州では簡単に銃が利用できる状況にある。銃乱射事件の減少を目指す銃規制派は、この法を「至る所に銃がある法」と呼んでいる。

明らかにジョージア州は、米国最強の銃保持の権利を拡大し、自己防衛のため公的場所での銃携帯を奨励している。しかし、銃の安全を強化するため新たな法が制定されて約1週間後に、ケネソーで起きた銃乱射事件は、自由に銃を携帯できることがはたして安全であるのか疑問を投げかけている。一般的に、多数の学者の研究は銃の数が多い地域ほど銃の暴力や事故で死亡する確立が高くなることを示唆している。例えばMore Guns, More Crime(銃が増えるほど犯罪が増える)の著者でシカゴ大学の経済学者マーク.ダガン氏は 2001年に発表した論文で、銃所有者の増大は実質的に高い殺人率と直接関連性があると結論づけている。また、Injury Prevention(傷害防止)と呼ぶ学術誌に投稿している複数の学者は、「銃は正当防衛に使用される率より、はるかに脅しと暴力に利用されている率が高いとする研究結果を発表し、自己報告された自衛のための銃使用のほとんどは違法であり社会の利益に反する場合があると報告している。

もちろん、銃が多いほど犯罪は減少するとの研究及び主張もあるが、それは地域によって異なると思われる。米国で発生している銃乱射事件は無実の人を射殺または傷害を負わせた後、その犯人は自殺しているケースが近年圧倒的に高い割合で発生している。銃があるかぎり銃乱射を含む銃の暴力は終わっていないのが米国の現状である。2012年12月L.A.タイムスが発表した調査によると、銃の暴力は銃保持の権利が強調される共和党州に高い傾向があり、ジョージア州は人口の割合からすると銃による暴力が最も高い10州のうち8番目に高い。ジョージア州の銃保持拡大の法制定と今朝のフェデックス従業員の銃乱射とは何の関連性もないが、同州の現状を考慮した場合、同州のリーダーはこの新たな銃保持拡大法を制定する事に関して、同州で銃の暴力が高い傾向があることをどのように理解しているのか疑問がわく。

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