アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

国土安全保障省(DHS)は6日、新しい移民法の行政改革計画を発表した。米国では高度技術熟練者および有能な学者と研究者の需要が高いため、そのような移民は歴史的に米国の経済に貢献していることを強調し、主にH-1Bビザおよび EB-1ビザに焦点をあてている。

H-1Bビザは、米国の移民国籍法の規定において、米国の雇用者が一時的に専門職の外国人労働者を雇用する場合に発行される。H-1Bビザは非移民ビザであり、その就労ビザ保有者は、期限内にグリーンカードを申請することが可能である。しかし、入国先によって申請に数年間かかるため、グリーンカードを取得するためにはビザの更新手続きをしなくてはならないという不便性がある。EB-1ビザは、博士号(PhD)取得者である教育者や研究者に発行される永住的雇用を基本にした就労ビザである。また、米国に移転する外国企業のCEOや管理職が含まれる場合もあり、彼らも永住権を取得することが可能である。

国土安全保障省は、継続的な米国経済回復および雇用を促進するため、工学技術、及び科学などの高度技術専門家や研究者を米国に入国させ、永住権、市民権を与えるために新たな移民法計画を発表した。雇用を通してグリーンカードを申請している過程にあるH-1Bの労働者の配偶者を優遇する規定が含まれている。これは、技術、科学、工学技術分野の労働者の配偶者にも労働を許可し、配偶者のグリーンカード取得も容易にすることが含まれている。現行法では、米国に滞在するH-1Bビザ保持者の配偶者に対して労働許可を与えていないが、其の点の改善が考慮される。また、EB-1ビザは、特許業績者や著名な科学的貢献者に与えられるものであるが、これらの有能な学者や研究者である外国人に対して、米国内で起業家として活躍する機会を与えることなどが計画されている。

ホワイトハウスによると、米国での過去十数年間の特許業績の1/3は移民によるものであり、彼らのイノベーションは米国のGDPを2.4%増大させることに貢献している。数学およびコンピュータ.サイエンスの分野で働いているPhD取得者の50%は移民であり、工学技術の分野で働いているPhD取得者の57%は移民である。過去50年間で米国ベースでのノーベル賞受賞者の26%は外国で生まれた移民である。更に、米国でビジネスを始める移民起業家の割合は米国生まれのアメリカ人より2倍多い。また、小企業およびハイテク企業の4つのうち1つは移民が始めたものであり、ゼネラル.エレクトリック、フォード、グーグル、ヤフーなどフォーチュン500社の40%以上は移民又は移民の子供が創設したものである。

今回のDHSの発表は、H-1Bの労働者の配偶者は米国で就労できないため米国に滞在しないと決定したH-1Bビザ保有者達がホワイトハウスに請願を提出したため、移民法を一部改正する必要があったことが主な動機である。昨年6月27日に上院が通過した包括的な移民改正法案には高度技術者の移民導入条項も含まれていたが、下院共和党は上院法案を協議することもなく、下院独自の法案に取り組むことも放棄した。従って、多数の雇用主が不法移民を低賃金で雇用している状況は改善されず、合理的な出入国管理方法もほとんどないため、機能的な移民法は存在していないと言える。商務長官ペニー.プリツカー氏は、高度技術保有移民の移民改革計画の発表について、「今日の行政行動は正しい方向への重要な一歩ですが、私たちの崩壊した移民制度を修正し、外国の起業家や才能ある労働者の移民経路が明白で一貫していることを確認し、今日のビジネスの現実をより良く反映するため、恒久的な解決方法を提供できるのは議会だけです」と述べている。常識的な移民法の制定に関して超党派の協議が不可能な状況は、米国議会の機能不全とその背後にある政治的腐敗を反映している。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。