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2012年9月、リビアのベンガジで米国大使館がテロリストの襲撃を受け、米国大使を含む4人の外交官が殺害された事件から約21ヶ月が経過した今日、首謀者の一人が週末に逮捕されていたことが判明した。これは、容疑者の捜査が進行している事を示唆していて、時間がかかっても犯人を探すと宣言したオバマ大統領の勝利であると言われている。海外の米国外交施設が襲撃された頻度はブッシュ政権の方が遥かに高いが、オバマ政権のテロ容疑者追跡の執念は強烈であることを思わせる。

17日のワシントン.ポスト(WP)によると、WPが逮捕の事実を知ったのは昨日であったが、安全保障の懸念からホワイトハウスに報道を遅らせるよう要請を受け同意したという。FBIとの協力体制で捜査を続けていた米国特殊部隊はベンガジ近くで主な首謀者の一人であるアーメド.アブ.カタラを逮捕することに成功し、現在リビア外の安全な場所に拘束している。この逮捕は数ヶ月の綿密な計画によるもので、その作戦には死者も負傷者もなく、作戦に関与した関係者は全員無事にリビアを去ることが出来たという。昨年、米国連邦検事はベンガジ攻撃に関与したカタラ及び少なくとも他の10人以上に対して告訴したが、カタラ以外には誰も逮捕されていない。しかし、FBIは他の容疑も含めて疑わしいテロリストを拘束しているようである。

この作戦まだ秘密であるため、いつ、何処で、どのようにカタラを逮捕したのか、具体的なことは報告されていないが、大使館襲撃後、犯人の捜査を続けているFBIは必ず正義に導くと決意し、犯人の逮捕に執念を燃やしている。ベンガジ襲撃直後、ニューヨークでアフリカ地域でのテロ追跡調査を担当し、そこで連邦検察官と協力し始めたFBI捜査官は、地区の米国連邦検察局への説明なしにそのケースが本格的に別の場所に移動された後 、ベンガジでのテロ容疑者を逮捕できなかったことが議員たちからの厳しい批判の対象になっているとし、著しいフラストレーションに直面していたと語った。カタラはベンガジ襲撃の数週間後、当地を取材したアメリカ人レポーターとの公開インタビューで、ベンガジ攻撃には最初から加担していないと話したが、襲撃が終る頃に現場で目撃されたという。

WPによると、6月11日、下院司法委員会の公聴会でFBI長官のジェームズ. コミは「私はベンガジの問題を非常に、非常に真剣に受け止めています」と述べ「我々は多くの事に取り組んでいて進歩があります」と報告した。また「FBIについて一つだけ知るべきことは、我々は決して諦めないことです。物事には思ったより時間がかかる事もあるが、決して行動は止めません」と語った。事実、特殊部隊とFBIはその公聴会の数日後にカタラを逮捕した。FBI及び国務省は、ベンガジ襲撃には複数のグループが関与していて、テロリストの名前も掌握していることを明確にしている。その中には国務省がテロリストと指定しているビン.クムという人物がいる。クムは2007年にキューバーのグアンタナモ刑務所から釈放された人物であり、リビア政府は彼を2008年に釈放した。

今日、ペンシルベニア州ピッツバーグで講演中のオバマ氏は、ベンガジ襲撃の「首謀者の一人と言われているアーメド.アブ.カタラの捜査中、米国特殊作戦部隊は信じられないほどの勇気と精度」で逮捕したと賞賛した。また、オバマ氏は、カタラは米国に移送されると述べ、「それを先に言ったのは、我々はひどい襲撃中、殺害された家族のことを思い、祈り続いているからです」と語り「しかし、もっと重要な事は、アメリカ人が襲撃された時、世界にメッセージを送ることが我々にとって重要です。どんなに時間がかっても、我々は責任のある人物を探し出し、正義をもたらします。事件が起きた後に、私が送ったメッセージはどんなに時間がかかっても必ず探すという事でした」と述べた。

FBI長官コミの証言とオバマ氏の発言は、2001年9月1日の同時多発テロから米国の外交政策の本質が根本的に変わったことを示唆している。テロリストの追跡と米国人の安全保障の強化は米国民の個人的な生活にも著しい影響を与えるほど、アメリカ人を殺害したテロリストに対するオバマ政権の執念は強烈であることが感じられる。しかし、ブッシュ政権下で大使館を含む米国の外交施設がテロリストに襲撃された事件は2002年1月から2008年9月まで12回発生している。米国市民が殺害されたケースは2006年3月に1名、2008年3月に1名である。一方、オバマ政権下では2010年4月、2013年には2月と9月に2回、および2012年9月にベンガジ攻撃があり、これとほぼ同じ時期に同じ動機でエジプト、イエメン、チュニジアでもテロ攻撃が発生している。米国人が襲撃され殺害されたケースは4人が死亡したベンガジの大使館だけである。海外で米国の外交施設を標的にしたテロ攻撃の頻度は、オバマ政権下に比較するとブッシュ政権下でもっと高い。

この事は、2011年5月2日に米国特殊部隊がオサマ.ビンラディンを殺害して以来、テロリストの活動は著しく減少していることを示唆している。そのような観点から、ベンガジ襲撃の首謀者の逮捕は画期的な進歩であり、「オバマ政権の重要な勝利」を示唆している。ベンガジ襲撃事件は、オバマ政権が米国の外交官を十分保護できる安全保障を提供しなかったとして、長い間、共和党の攻撃材料になっている為、当時の国務長官であったヒラリー.クリントンが2016年の大統領選に立候補すれば、共和党の選挙戦略として引き続き叩かれる可能性があるかも知れない。

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