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オバマ政権は前代未聞の人道的危機に直面しているが、オバマ大統領は不法入国児童問題に速やかに対処するため、8日37億ドルの融資を議会に要請した。この予算は最初の計画よりかなり超過している為、人道的危機に広範な角度から取り組む意向があることを示唆している。議会はオバマ氏の融資要請を検討するようであり、オバマ政権は法律に従い人道的、現実的、及び効率的に対処する方針をほぼ明らかにしている。一方、国連は米国が中央アメリカの子供達を難民として対処することを望んでいる為、引き続き多大なプレッシャーに直面している。

ホワイトハウスのスポークスマンであるジァシュ.アーネストは、昨日の記者会見で、現在国境で拘束され、当局の監督下にいる子供達は、法的手続きを受けることが可能であるが、ほとんどの子供達は送り返される可能性があると語った。アーネストは「大抵の子供達は、人道的救済の資格はないようだ。その意味は、彼らはこの国に残るための法的根拠がないので、送還されるかもしれない」と述べた。また、国土安全保障省の長官ジェイ.ジョンソンは、複数のテレビ.ニュースが放映したインタビューで「我々の国境は不法移民に解放している訳ではない。また、送り戻すことも含めて、沢山の手続きがある」と述べ、「同時に、我々の法律と価値に矛盾がないよう、ある特定の子供達に対処するため別のオプションを取る方法も検討している」と語った。しかし、そのようなプロセスにかかる時間、その特定の状況、または滞在資格を選定する基準については具体的に公表していない。

従って、健康診断、身元確認、入国した目的、自国での治安など全ての角度から調査した後、誰を滞在させ、誰を送還するかを決定するものと思われる。もし、大抵の子供が単なる不法入国者であるなら、強制送還は必然であることを示唆しているが、オバマ政権は事実上、亡命資格のある子供達を強制送還しないはずである。現在、どれくらいの割合の子供達にその資格があるかを決定するプロセスの準備中であるようだ。しかし、現実的には、ある一定期間に滞在させる費用も含めて、そのようなプロセスに必要なものは何よりもお金である。

オバマ氏は、先月末この人道危機に対処するため、20億ドルの融資を議会に要請する計画を発表したため、今日議会に要請したが、その予算は合計37億ドルである。保健福祉省による健康管理および寝食、また、国土安全保障省に必要な送還の交通費、密輸送で利益を得ているグループの犯罪捜査にかかる費用、国境警備の強化など、その他全ての手続きにかかる諸経費に利用される。何しろ、麻薬、暴力、極端な貧困から逃亡してきた50,000人以上の子供達を人道的に安全な方法で帰国させるためには大金が必要である。

融資に関しては、オバマ氏と共和党リーダーにとってある程度のプレッシャーであると思われる。もし、共和党が協力を拒否すれば、強制送還を騒いでいる一部の国民は、共和党に批判の矛先を向ける可能性がある。一方、強制送還しないことをオバマ氏に望むヒスパニック系の有権者は失望すると思われる。移民提唱団体は、数ヶ月前から中央アメリカの子供達が国境に殺到すると警告したにも関わらず、準備をしていなかった為、政府は予定外の出費に直面している。幸い、下院議長のジョン.ベイナーを含む下院経費委員会は予算を検討する方向性を示している。少数派の共和党は公然と資金提供に賛同できない発言をしているが、総体的には緊急に資金が必要な事態に直面していることを理解していると思われる。

オバマ氏は、オバマ政権の各部署の官僚及びアドバイザー達が、可能な範囲で大統領令を行使できる分野を提案することになっていると先日語り、移民問題に1年以上何もしなかった議会なしで移民改正に取り組むことを発表している。本来、オバマ氏の移民改正の構想は、究極的には1,100万人の不法移民に市民権を与えることである為、米国政府に援助を求めて不法入国している子供達の大半を最終的に強制送還することはどこか矛盾しているようにも見えるが、これも複雑な問題が絡む人道危機の一因であると思われる。

更に、滞在資格のない子供達を送り返すつもりであるオバマ政権に、国連は中央アメリカから来ている子供達を難民として対処することを要請している。8日のCBSによると、国連の難民高等弁務官は、このような子供達は「自国での武力紛争から逃れてきている」ため、「亡命の資格がある」として、「米国に対する圧力を高めている」という。国連の難民関係者は、10日ニカラグアで予定されている米国、メキシコ、中央アメリカからの代表者会議で「地域全体の合意に達することを望んでいる」と述べた。この代表者は、関係国が難民を支援するべき義務に関する30年前の古い宣言書を更新する会議を開催する予定であるという。国連難民関係者は、「米国は法的解決手段に重みをかけていない」が、「米国およびメキシコは難民の状況を認識するべきであり、彼らは自動的に自国に戻されるのではなく、むしろ国際的保護を受けるべきであると思う」と述べている。つまり、国連は、中央アメリカの子供達を難民に指定することで国際的に解決するよう米国に圧力をかけている。

また、オバマ氏は明日テキサス州を訪問する予定である。選挙資金集めの為テキサス州のリーダー達に会い、この問題を真剣に討議するためである。6日オバマ氏を批判した同州の知事リック.ペリーはオバマ氏に空港での公的挨拶はしないことを事前に通知し、個人的にこの問題で会談することを提案したと伝えられている。オバマ氏はその提案を受け入れた為、ペリーは喜んでいると言われている。個人的な会談の機会を利用し、テキサス州の国境強化、及び同州で管理している子供達の経費援助を連邦政府に求め、大統領にプレッシャーをかける可能性がある。引き続き多大なプレッシャーに直面しているオバマ政権であるが、今回のような緊急事態に党派を超えた取り組みをしない場合、米国政府は救いようのない恥を世界に晒すことになる。

 

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