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先週開催された上院歳出委員会で、共和党は、人道的危機に対処するためオバマ大統領が要請している37億ドルは民主党が政策を変えない限り多額過ぎるとして否定した。その為、保健福祉省(HHS)の新長官シルビア.マスュー.バーウェルは13日、多数の州知事と会い援助を求めたが州にも予算はない状況である。資金がない場合、基本的な対処さえかなり困難になるが14日、超党派の2人の議員は、人道的側面も考慮しながら、資金を節約する方法で中央アメリカの不法入国児童を迅速に送還する法案を提案した。人道的危機は早急には解決しそうもない。

先週の上院歳出委員会で、幾つかの福祉政策削減など共和党が希望する政策を民主党が拒否した為、共和党は、37億ドルは不法移民の緊急対策としては金額が大きすぎると主張した。子供達が国境に殺到し続けても、最終的な決定はできないことを明確にした。この結果は先日オバマ氏が予告した通りである。バーウェルは昨日多数の知事に会い援助を求めたが、両党の知事は現状を深く懸念しながらも、先を予測し難い事態に支出を歓迎する知事はいなかったようである。13日のAPによると、コロラド州の民主党知事ジョン.ヒッケンルーパーは「我々の州民は、全ての類いの挑戦の負担をすでに感じている」と述べ、別の負担が州に増えることを懸念していると述べた。しかし、「我々はこの人道的な側面に対処し、可能な限り最も費用が効率的な方法で行う」と答えた。一方、ウィスコンシン州知事のスコット.ウォーカー及びニュージャージー州知事のクリス.クリスティを含む複数の知事は、オバマ政権が移民状態をチェックせず、家族や友人達に引き渡している現状を批判した。

しかし、2008年に制定された人身売買被害者保護再授権法の法律下では、移民状態のチェックをする前に規定の手順に従う必要がある。メキシコおよびカナダからの不法入国者を除き、中央アメリカから旅行し、米国の国境で拘束された不法入国児童は72時間以内にHHSに送ることになっている。昨年10月から国土安全保障省(DHS )の監督下にある多くの子供達は、必要な法的手続きを受けている。しかし、米国には全国に多数の司法省管轄の移民裁判所があるが、現状では、裁判官が不足しているため裁判に至るまで数年かかるらしい。従って、HHSは子供達が裁判を持つ期間中、既に米国に在住している親族に子供達を引き渡している。

また、亡命申請を認可するための裁判には多数の判事が必要である。シラキューズ大学のデーターによると2007年から2012年までに48の都市でおびただしい数の亡命申請による裁判が実施され、ロスアンゼルスは圧倒的に裁判ケースが多く、37人の判事が対応した。一人の判事が対処した最も多いケースは797件であり、最も少ない判事は106件を担当した。また、一人の判事しかいない幾つかの小さな都市では110から160前後のケースに対処している。全ての子供達に迅速で公正な裁判を受けさせることで、彼らが難民として滞在出来る資格があるかどうかを決定するためには各地に多数の移民裁判官を配置する必要がある。

また、この法律に基づき、HHSおよびDHS当局は送還することも、特定の状況下に置かれている不法移民に関する規定を定めることも可能である。しかし、送還するにも裁判を受けさせるにしても必要な資金を得ることが不可能であれば、2008年の法律に従った対応は不可能である。多くの議員は、37億ドルの大金を使うことよりこの法律を変えることを提案している。14日のAP信によると、匿名の法務執行の担当者は、政府当局の管理下にある57,000人の不法入国児童のうち、6月末までに帰国させた人数はわずか1,254人であると語った。党派に関係なく、多くの議員はこのような状況を改善したいようである。

上院少数派リーダーの一人である共和党のジョン.コーニンおよび下院民主党のヘンリー.クウェイラーはいずれもテキサス出身である。この二人は、拘束した不法入国者を即時送り返す権限を国境警備員に与える法案を提案した。その法案は、国境で警備員に拘束された子供達が、更なる審査の対象に値するかどうかを決定する上で、帰国の恐れを警備員に納得させる事が出来る子供達に限り、現行法下での手続きを受けることを可能にするものである。複数のオバマ政権の役人はこの提案を支持しているが、多数の民主党や移民保護団体は反対する可能性がある。ホワイトハウスのスポークスマンであるジァシュ. アーネストは「共和党からの建設的な関与」を歓迎すると述べたが、法案を詳細に吟味する必要性を指摘した。

テキサス州のリオ.グランデ.バレーに到着する不法入国児童の勢いは止まらない為、国境危機と呼ばれるようになっている。正確な数は不明であるが、現地を取材している複数のリポーターは、オバマ政権が強制送還すると警告しているため、幾分減少した印象はあるが、リオ.グランデ.バレーでは1日平均約500人から1,000人が拘束されていると報告している。国境危機を緩和しながら人道的な側面も維持するため、資金節減による人道危機の法案が最終的に合意に達する時期およびその可能性は不明である。

 

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