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17日マレーシア旅客機が東部ウクライナで撃墜され、298人全員が死亡してから3日が経過した20日から、国際犯罪現場での本格的な捜査活動が開始された。遺族の望みは順調な捜査と迅速な遺体確認と受理であるが、現場をコントロールしている親ロシア分離主義派は、遺体および残骸物を不適切に除去し、捜査現場での活動を混乱させ、証拠を改ざんしている疑いがある。捜査はほぼ阻害されている可能性があり、米国とオランダ当局は深い懸念を表明している

ニューヨーク.タイムスは、マレーシア航空会社が公表した氏名、国名、性別が記載された9ページの名簿リストを19日に紹介したが、大多数の被害者はオランダ人である。犠牲者の約100人は著名なエイズ研究者であり、メルボルンで開催される国際エイズ会議に向かう途中だったことは既に知られている。この中には1980年代の前半からHIVの研究に貢献し、貧しい人達のための安価抗レトロウイルス開発の先駆者として著名なオランダ人のヨップ.ランゲが含まれている。HIVの治療は可能であることを強く信じ、治療研究のため社会科学を統合するという考え方を支持した最初の研究者であり、人格的にも信頼されていた偉大な人物を失った衝撃は多大である。

多数の調査グループは20日に初めて本格的な撃墜現場での捜査を開始したが、被害者の遺体回収も含めて、現場では混乱が生じているようだ。地対空ミサイルでMH17を撃墜した容疑がもたれている親ロシア分離主義派は多数の遺体を押収しているらしい。20日のニューヨーク.タイムスによると、ウクライナ当局者は日曜日、地対空ミサイルで撃墜されたマレーシア航空ジェット旅客機の犠牲者197人の遺体をウクライナの緊急対応グループが回収したが、その遺体を親ロシアの分離派民兵が押収したと報告したという。この反政府勢力は、引き続き東部ウクライナ墜落現場のアクセスを制限し、未熟練の数百人の地元ボランティアが残骸物を棒で拾いあげていて、専門家の作業を阻害していると伝えている。

欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視リーダーは、遺体の大部分は墜落現場からさほど遠くないトレーズの町にある冷蔵貨車に置かれていたと述べた。監視者の一人がそのリーダーに伝えたところによると、167の遺体は鍵がかかった貨車の中に置かれているが、そこは主な分離主義派の一つである自称ドネツク人民共和国の反政府勢力の支配下であるという。大規模な捜索者のグループは日曜日に初めて、飛行機の残骸が散在しているグラァバボと呼ばれる村の墜落現場で作業を開始した。民間服を着た炭鉱労働者は小麦畑やトウモロコシ畑を歩きながらまだ回収されていない遺体を探している。遺体は黒のビニール袋に入れて、マット草の道路の側面に沿って置かれているという。OSCEのセキュリティによると、キエフから到着した4人のウクライナの調査員は現場の焼失区域の写真を撮ったという。

事故現場ではロシア当局の可能な役割に関して地政学的対立があるため、「混沌、遅延、証拠の取り扱いミスの可能性」があり、遺族は被害者の遺体をいつ取り戻すことができるか不確実な状態であるという。国務長官ジョン·ケリーは、ロシア外相のセルゲイ.ラブロフと19日に電話で会話し、ロシア当局が犯罪現場の状況を制御し、反政府勢力が武器を放棄するよう圧力をかけることで東ウクライナでの反乱に終止符を打つよう促した。ケリーは国際電話で、特に調査員がマレーシア航空便17の撃墜現場に完全で迅速にしかも自由なアクセスが出来るよう強調したという。また、国務省は「現場から幾つかの被害者の遺体や破片を改ざんまたは不適切に除去されているとの報告に米国は非常に懸念している」と伝えている。

193人の市民を失ったオランダの首相マーク.ロッテは19日の声明で、遺体の迅速な復帰を促し、現場での管理の欠如に怒りを表明し、「被害者の遺体の迅速な回復は絶対に必要な最優先」の義務であると述べた。また、「私はこの悲劇的な場所で、完全に無礼な行動をしているというイメージにショックを受けています。適切な調査に関する全ての規則を無視し、人々は明らかに被害者の所有物であると認識可能な個人的な遺品を拾っています。これはあきれたことです」と語ったという。

米国当局は、親ロシア分離主義派が地対空ミサイルでマレーシア航空機を撃墜したとの証拠があると主張している。同時に、その分離主義派はその現場での証拠を略奪し、工作し、調査の妨害をしている為、この恐ろしい国際犯罪の主犯であることを裏付ける行動を取っているようである。今日から開始されていると言われる本格的な捜索は混乱と失望に満ち、遺族の希望に反して、順調な捜査が進んでいないようである。マレーシア旅客機撃墜現場で重要な証拠の紛失や改ざんがあった場合、真実の究明はかなり遅れる可能性があると言われている。

 

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