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オバマ大統領は21日、ホワイトハウスのイースト.ルームで、全米の各地でゲイが解雇されている現実は受け入れられないことであると語った。また、「連邦政府の契約業者はアメリカ人を差別するべきではない」と述べ、連邦政府の請負業者がLGBTに対する差別を禁ずる大統領令に署名した。この大統領令は幾つかの点で画期的であり、その歴史的意義は深い。

昨年11月7 日に上院議会は、17年ぶりの画期的な歴史的公民権の法案である雇用非差別法案(ENDA)の投票を行い、64対32の圧倒的な票差で通過させた。あれから8ヶ月以上が経過した今日も共和党がコントロールする下院議会で協議および投票する様子はない。昨年、ゲイ権利の擁護団体は、オバマ氏に大統領令でこの法案を通過させるよう要請した。オバマ氏は共和党が何もしない場合、オバマ政権で可能な事を実行すると数回宣言していた。今日、オバマ氏が署名した大統領令は連邦政府の請負業者のみに適用される。宗教団体は、このような主旨の大統領令が全ての雇用主に拡大することを恐れているが、宗教団体を除外することが正当であるかどうかは長い間論争的である。

しかし、今回の大統領令は、宗教関連の連邦契約業者を無条件で除外していないことが特徴であり、そこに著しい意義がある。オバマ氏は、過去数週間内で親しい宗教組織のリーダ達に会い建設的な意見を交換した。彼らは、宗教の自由を強調しながらもLGBTの人達を差別から保護しなくてはならないことを理解した為、オバマ氏の大統領令はこの二つの側面を考慮している。つまり、宗教組織を含む全ての連邦契約業者は、宗教的原理に基づく正当な理由がない限り、偏見、性的指向、および性別を理由に雇用を拒否し、解雇することはできない。宗教的原理と雇用に関する詳細な情報は不明である。

オバマ氏は、米国のLGBT、特に同性結婚に対する社会的風潮は著しく変化していることを指摘している為、宗教団体を特別扱いにすることを疑問視しているように思われる。事実、既に18州では同性愛者に対する差別を禁止し、米国でトップクラスの大企業の大半はLGBTに対する雇用差別を禁止している。人権キャンペーンによると、フォーチュン500社の91%は、性的指向に基づき差別を禁止し、61%は性別に基づく差別を禁止している。また、62%は、従業員に、家庭内パートナーの医療保険受益を提供している。オバマ氏の大統領令は現在の社会的風潮を促進するだけではなく、性的指向および性別を理由に雇用および解雇の差別をしている多数の連邦契約企業に影響を与える。

事実上、この大統領令は広範な連邦政府請負企業とその労働者に適応される。21日のワシントン.ポストによると、この大統領令に影響を受ける連邦請負企業は24,000社であり、その労働者は全米労働力市場の1/5を占める2,800万人である。このような大規模な労働者に雇用の差別が排除された場合の米国の経済には著しいプラス要因があると思われる。オバマ氏が、大統領令の駆使を連邦請負企業に集中する理由は、連邦請負企業は国民の税金で支払われる為であり、LGBTも一般の国民と同様に税金を支払っている為、経済的にも道義的である。また、偏見に基づく雇用は、個人の才能と技術力を備える人材を労働市場から制限することになる。それは全ての人々を平等に保護する米国憲法の精神にはずれているだけでなく、懸命な選択であるとは言えない。

更に、今日の大統領令の意義は古い歴史上の雇用差別法を改正したことである。36代大統領リンドン.ジョンソンは、最初の大統領として1965年に人種、国籍、宗教、性別、肌の色による差別を禁止する大統領令に署名した。また、1998年、42代大統領のビル.クリントンはLGBTを保護するため連邦契約企業に差別を禁止する大統領令に署名した。2002年には、前大統領ジョージ.W.ブッシュは、クリントンの大統領令から宗教関連の連邦政府契約業者を除外した。

21日のオバマ氏の大統領令は、全てこのような過去の大統領令を改正したものである。従って宗教的信念の違いにより雇用を拒否する理由は認めるが、単に同性愛者だという理由で雇用を拒否または解雇することは禁止される為、1965年の大統領令を更に拡大したことになり、連邦政府契約業者に対するLGBT差別禁止は、過去のどの大統領令よりもっと強力である。理想的には、昨年11月に上院議会で通過したENDAが制定され、LGBTに対する全企業の雇用差別が廃止される事であるが、民主党が両院をコントロールするような政治的体制が変わらない限りそれはあり得ない。

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