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ワシントンD.Cの巡回控訴裁判所   リッチモンドの第4巡回控訴裁判所

ワシントンD.C.にある米国巡回控訴裁判所は22日、通称オバマケアで知られているオバマ政権のアフォーダブル.ケア.アクト(ACA)の医療保険購入者に提供されている補助金の条項を却下する判定を下した。オバマ政権及びホワイトハウスはこの判定は間違っていると即時反応している。しかし、同じ日の数時間後、バージニア州の第4巡回控訴裁判所は、補助金条項を支持する判決を下した。同じ法律条項に対して、権威のある二つの裁判所は同様の判例で完全に対立する判定を下した為、混乱を招いている。

2010年3月、オバマ大統領が署名した医療保険法であるACAは、医療保険購入者の毎月の医療保険コストを抑えるため、米国内国歳入庁(IRS)を通して、税控除という面目で補助金を提供している。この補助金は、年間収入が個人の場合$45,960以下、家族の場合$94,200以下の人口層を対象にしている。連邦政府の医療保険取引所であるサイトのHealthCare.gov. を通して医療保険に加入した推定500万人はこの補助金の受益資格があると言われている。議会予算委員会は補助金受給額の年間平均は約$4,500であると推定している。

3月25日に聴聞が実施され、今日判定が下された米国D.C.巡回控訴裁判所での判例の原告らは、連邦政府の医療保険取引所を利用しているテネシー、テキサス、バージニア州の領域に在住する複数の個人グループである。これら複数の原告は、ACAを制定した議会は、連邦政府が運営する医療保険取引所を通して保険を購入する国民に助成金を提供する意図はなかった。なぜなら、助成金は州が運営する医療保険取引所のみに特定しているからであると主張した。つまり、原告らは、連邦政府が州に医療保険取引所を設置させ、運営させることが補助金の動機であると主張した。このグループは基本的に医療保険の強制加入を拒否している。

米国D.C.巡回控訴裁判所には3人の判事が存在するが、二人の共和党判事は医療保険取引所を設置しそれを運営していない州政府は、彼らの州民のために補助金を利用することは出来ないと決定した。二人の判事は、ACA下の規定では州が設置した医療保険取引所を通して保険に加入している人のみが補助金を受けることが可能であるとし、連邦政府の保険取引所で保険に加入した人にIRSの税控除を提供することを認可していない。また、補助金は州が設置した交換所のみに利用できることを明白にしていると判定した。つまり、州独自の取引所を設置せず、連邦政府の取引所に依存している約35州の医療保険購入者は、補助金を受けることは出来ないと主張している。

オバマ政権およびホワイトハウスは、この判定は補助金の解釈を間違っていると指摘し、米国 巡回控訴裁判所での全体的な意見を再度確認すると発表した。司法省は、この判定は不正確であるとし、以前の規定とは異なり、一貫性が無く、矛盾している判定であると反発しているため上訴する可能性がある。ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストは、今日記者会見で、連邦政府または州による保険取引所の運営に関係なく、財政的に受益資格のある全ての国民は医療保険のコストを削減する税控除を受けることが可能であり、議会はそれを意図していることは法律の知識がなくても理解できると反論した。また、現在税控除を受けている人達は引き続き受理資格があるため、巡回控訴裁判所の決定に影響を受けないことを明確にした。

驚く事に、D.C. 巡回控訴裁判所の判定の数時間後に、バージニア州リッチモンドの第4巡回控訴裁判所は、補助金に関する同じような判例で、3人の判事全員がオバマ政権が指摘した通り、医療保険を購入した個人はIRSの税控除を受けることが可能であると判定した。連邦政府が設置した医療保険取引所であろうと、州が設置した取引所であろうと、補助金は広範に利用できると述べた。また、補助金はオバマ政権のACAに極めて重大であると述べ、議会はACAを制定した際にその重要性を認識しているはずであると指摘した。この法律の補助金に関して、第4巡回控訴裁判所は、ワシントンD.C.の巡回控訴裁判所の意見を完全に却下したような格好になったが、二つの巡回控訴裁判所が全く同じ論題にそれぞれ異なる判定をしたことは、最近の判事は益々政党的に傾注していることを示唆している。

いずれにしても、オバマ政権は補助金を却下したD.Cの巡回控訴裁判所に挑戦すると思われるが、そのプロセスには数ヶ月以上かかるため、その間、医療保険加入者が現在受けている補助金には影響を受けない事をホワイトハウスは明確にしている。米国巡回控訴裁判所は米国最高裁の次に地位が高い為、多数のメディアは、この決定は長期的には約500万人の加入者に影響を与える可能性があると懸念している。複数の民主党は、連邦政府の医療保険取引所を通して医療保険に加入した国民の財務援助を排除する危険性があると懸念している。

ACAの魅力の一つである補助金がない場合、医療保険加入を諦める人口層が増える為、保険料が高くなり、ACAの主要部分である強制加入が骨抜きにされる可能性がある。これは、オバマケアの撤廃または融資停止を望んできた過激派およびリバタリアン共和党の思うつぼである。 D.Cの巡回控訴裁判所の判定に即時反応した複数の共和党は、正しい最初の一歩であるとコメントしているが、数時間後には、バージニア州の巡回控訴裁判所が補助金はACA下の規定に矛盾していないと判定した為、一種の混乱が生じている。従って、複数の裁判所が対立する意見を保持した状態であれば、米国最高裁が介入する可能性が高くなる。これは、引き続きACAの反対勢力を蘇生させる要因になる。

 

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