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議会では最近、国境に殺到している不法入国児童の問題に対処する動きが出ているが、上院と下院では意見が対立し、その予算の提案にも大差がある。一方、オバマ大統領は、テキサス州の国境に論争的な国家警備隊を配置する必要があるかどうかを検討するため、昨日調査チームを派遣した。今日24日は、中央アメリカの代表者はワシントンの議会を訪問し、明日 3カ国の指導者は、ホワイトハウスで国境での危機についてオバマ大統領と会談する予定である。

上院歳出委員会は国境の危機に対処する為、大統領が要請した37億ドルを10億ドル削減した融資法案を22日に提案した。法案は上院歳出委員会の議長バーバラ.ミクルスキーによって紹介されたものであり、2008年にブッシュ政権下で制定された人身売買被害者保護再授権法を維持することで人道的な対応を考慮している。この法律は、カナダおよびメキシコ以外の国から不法入国した移民に法的手続きを与えることを要求している。従って、上院の対応は裁判官を配置する資金も含まれていて、子供達に衛生管理、食事、寝床を提供するため27億ドルを提供する提案である。WSJによると、ミクルスキー提案による27億の配分には衛生管理などの世話をする健康福祉省(HHS)に12億ドル、拘留者の監督、安全な方法で送り返すための交通費、及び国境危機に対処する国土安全保障省(DHS)に11億ドルが含まれている。また、法的手続き費用に5,000万ドルも計上されている。

一方、下院議会では2008年のこの法律を改正することを主張し、オバマ氏が提案した37億ドルは高すぎるとして早々に拒否していた。下院議長のジョン.ベイナーは民主党が財政政策を変えない限り、単に支出を増やすことになる「ブランク.チェック」を提供することはできないと主張していた。 またベイナーを含む複数の共和党は、法律を変えない限り幾らお金を支出しても問題は解決しないと主張し、不法移民の波をせき止めるための解決策として、コストのかかるプロセスを排除するため、2008年の法律を改正し、素早く強制送還が可能である方法を希望している。

しかし、融資に関してはオバマ氏および上院の提案より遥かに削減されたものであるが、昨夜、国境での危機に対処する為の予算として15億ドルを提案した。ワシントン.ポストによると、その15億ドルの提案は、国家警備隊の配置、国境パトロールの強化、及びオバマ政権が不法入国者に迅速に対処し、素早く送還することを条件としている。ベイナーの事務所は、中央アメリカから不法入国児童を強制送還することを容易にするため 2008年の法律改正をオバマ氏が支持するかどうかを明白にするため、ホワイトハウスに手紙を送ったという。共和党のリーダー達はあくまでも、法律の改正に関しては妥協していないが、オバマ氏の個人的見解は不明である。一方、オバマ政権のDHSは、不法入国者を送り返すと警告している。いずれにしても、8月1日から議会は5週間の夏休みに入るため、その前に下院および上院議会が調整的な合意に達する可能性があるか不明である。

一方、オバマ氏は昨日、国防総省およびDHSの調査メンバーをテキサス州の国境に派遣した。 オバマ氏は9日に個人的に会談したテキサス州知事のリック.ペリーに1,000人の国家警備隊を国境に配置することを提案され、「喜んで考慮するが、それは一時的な解決策である」と返答していた。ところが、ペリーは21日、テキサス州の国境に1,000人の国家警備隊を配置すると発表した。オバマ氏はペリーとの会談で提案された国家警備隊の配置については公約していなかったが、1,000人の国家警備隊を国境に配置する必要があるかどうかをチェックする為オバマ政権のメンバーを派遣した。

これは共和党の要請であると思われるが、この問題は論争的である。国家警備隊を所有しているは各州の知事であるが、大統領が派遣を命じた場合、国家警備隊を連邦化したことになり、その費用はオバマ政権が責任を負うことになる。一方、知事が派遣を命令した場合、その費用は州の責任になる。歴史的に、国家警備隊を駆使することはある意味で権力を強調する事にもなる為、2016年の大統領選を意識しているペリーにはあり得る事である。ABCニュースによると「 リック.ペリー知事は、『強い安全な作戦』と呼んでいるが、批評家は 『象徴的行為の作戦』と呼んでいる」と述べている。また、国家警備隊の役目に関して、「彼らは逮捕することはできないと法律は言っている為、『視覚抑止力』になるだけである」と指摘している。ペリーは、「法執行機関とのパートナー」として力を増強することが目的であり、過去にも数回行っていると述べている。

いずれにしても、国家警備隊が必要であるかどうかは論争的であるが、ベイナーを含む複数の共和党は、ブッシュ政権が制定した人道的なプロセスを踏まえた法律を改正することを主張し、国家警備隊を配置し、国境の強化と強制送還を促進することを条件に15億ドルの予算を提案した。一方、民主党がコントロールする上院はこの法律を保持し、人道的なプロセスを踏まえるために必要な予算を含めて27億ドルを提案した。そのような人道的なプロセスをオミットするため、法律改正を強調している下院の提案は、現在国境に殺到している中央アメリカの子供達の中には難民の可能性があることを考慮していないと思われる側面がある。

今日ホンダラスとグアタマラの大統領はワシントンの議事堂を訪問し、国境での危機について議会と会談をしているようである。オバマ氏は明日の25日、ホンダラス、グアタマラ、エルサルバドルのリーダー達と会い、人道的および政治的危機となっている不法入国児童の殺到について、政治的、経済的、強制送還など様々な角度から協議する予定になっているが、中央アメリカのリーダー達は、人道危機に対処する上院と下院の結論の大差にどのような印象を持つだろうか?

 

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