アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2017 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

昨日、アトランタのトビンス空軍予備役基地から、米国初のエボラ出血熱に感染した患者を病院に移送している救急車を何台かの警察パトロールー車が誘導している様子が放映された。アフリカからの輸送は、米軍と連邦政府の疾病対策予防センター(CDC)との連携で実施された。アフリカで感染した米国人2名が米国の病院で治療を受けるため、昨日はアフリカから1名が移送され、数日後は別の患者が移送される予定になっている状況を受け、懸念が広がっている。静かな懸念を秘めているだけの平均的な米国人とは異なり、騒ぎ立てている少数派の著名人や一般人もいる。致命的なエボラ感染病はどの程度危険なのか、一般の国民が知っておくべきことは何か?

アフリカでは、エボラ出血熱に感染し700人以上が死亡したと言われている。西アフリカ、リベリアの宣教師病院でエボラに感染した患者の治療と世話をしていた為、感染したた米国人 2名は、テキサス出身33歳のケント.ブラントリ医師および宣教師のナンシー.ライトボルである。ブラントリ氏は昨日ジョージア州アトランタ近郊のエモリー大学病院に到着した為、様々な懸念が広がっている。この二人は、 別々のスケジュールで米国に移送されるが、昨日エモリー大学病院に到着したのは、米国初のエボラ患者であるブラントリ氏である。CNNニュースによると、輸送はトビンス空軍予備役基地の米空軍が機内にバブルでカバーしたコンパートメントを設置し、機内に搭乗した医療チームも防護スーツをまとい完全防護対策を施し、万全の注意を払い実施されたという。防護服を着用したブラントリ氏は、病院に到着すると別の同じ防護服の一人の医療担当者に手を引かれ、自力で歩くことが可能だった。

2日のワシントン.ポストよると、 ブラントリ氏は、飛行中「非常に安定した状態」であり、「穏やかで確信的」で良い精神状態であるという。ライトボル氏は、数日後に同じエモリー大学病院に移送される予定になっている。エボラに感染すると、死亡率は60%であるという。しかし、ウイルスと戦う体の防衛機能のメカニズムには、年齢、環境、その他様々な個人差があるため一概には言えないと思われる。エモリー大学病院の関係者は、米国一般の国民には著しい危険はないと述べている。WHOは西アフリカ諸国の4カ国であるリベリア、ギニア、シエラ.レオン、ナイジェリアで1,323人が感染し、少なくとも729人の患者が死亡したと報告した。

3 日のAP によると、エモリー大学病院は致命的な伝染病に感染した患者を試験し治療するため必要な設備が全て整っている全米で4つある病院の中で、最も安全な施設であるという。ブラントリ氏とライトボル氏は、 完全な防護設備が整い伝染病を包囲する隔離されたユニットで治療を受けることになる。患者との接触は防護スーツを来ている医療関係者のみである。また、汚染された空気および病原菌は封鎖され、流出しない状態になっていて「ウイルスは病院の超安全な分離ユニットから漏れて拡大する可能性は事実上ない」という。また、2人を治療するブルース.リブナー医師は、この2人の世話に関して、充分安全な対策があるとし、「全ての医療従事者、他の患者または当施設への訪問者が感染のリスクに晒されることはない」と述べている。

当然ながら、エモリー大学病院近辺の住民が最もエボラ感染のリスクを懸念していると言われているが、CDCはエボラ感染に関するガイドラインを提供している。それによると、この病気は稀であるが、(1)人から人に、特に医療ケアの職員に接触した人が感染する可能性が最も高く、感染した人および動物の血液および体液(唾液および尿)に接触した人が感染する。(2)エボラに感染した徴候が顕れるのは感染後2日から21日間であり、最も一般的なケースは8日から10日間である。(3)5日目頃には皮膚の発疹が発生する可能性があり、吐き気、嘔吐、胸痛、のどの痛み、腹痛、下痢が続くことがある。症状は激しさを増し、黄疸(黄肌)、重度の体重減少、精神錯乱、体内外の出血、衝撃、多臓器不全に陥る可能性がある。

また、感染を防ぐ一つの方法は、エボラに感染した疑いのある個人の旅行、特に飛行機での旅行を禁止することであるとアドバイスしている。エボラに感染したとの疑いを持った場合、(1)直ちに雇用主に知らせる。(2)21日間、健康状態をモニターする。(3)熱(101度F/38度C又はそれ以上)の状態を観察する。(4)寒気、筋肉痛、激しい下痢、吐き気、湿疹、他のエボラ症状にともなう病状をモニターする。(5)何らかの症状があった場合、病院を訪問する前に、感染している懸念がある事を病院に伝えることが重要である。(6)外国に滞在中の場合、大使館又は自国の領事館に連絡を取る事を奨励している。

ブラントリ氏が米国に着く前の7月31日から8月2日までに、感染した2人の米国人を米国に移送することに反対する激しい攻撃メッセージをツイッターに連続5回投稿した人物がいる。ドナルド.トランプは、エボラの治療法は発見されていない為、移送の決定に激怒し「我々の指導者達は無能である」と批判し「 CDCを信頼していない」と述べているため、様々な「大言壮語」を並べていると否定的に注目されている。また、AP によると、CDCのディレクターであるトム.フリィーデン医師は、エボラ患者を国内に移送した事に苦情を述べた100件の電話および嫌悪的なメールを受理したと伝えている。しかし、感染の専門家は移送に問題はないと判断し、一般国民がリスクに直面する可能性はほとんど無いと述べている。感染専門の医療関係者に直接コンタクトしない一般の国民が知っておくべきことは沢山あるはずであり、危険な感染病が流行する懸念がある時こそ冷静さが必要である。特に、米国初の感染者となった二人は、アフリカで感染した人達を救うため戦っていた善意の人達であり、感染している本人が冷静であるだけに、トランプの行動とは対照的である。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。