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ナンシー.ライトボル氏は昨日、ジョージア州アトランタのエモリー大学病院に移送され、治療を受けている。すでに2日から同病院で治療を受けているケント.ブラントリ氏と彼女は、もし試薬品の効果が顕われているのであれば幸運な人達だと言えるかも知れない。最もウィルスが拡散する危険性が高い西アフリカで、エボラ.ウィルス病(EVD)に苦しんでいるアフリカ人にも同じ試薬品を提供することは出来ないのだろうかと思っていた矢先、世界で著名な感染専門家の3人は、アメリカ人2名が受けている同じ薬を提供するべきだと提案した。しかし、現実的にはそれが出来ない理由が幾つかある。

6日のアルジャジーラによると、アメリカ人2名に与えた薬品を現地のアフリカ人にも提供するべきであると提案したのは、世界で著名なエボラの専門家である。その一人は1976年にエボラ.ウィルスを共同で発見したピーター.ピオットで、他2名はディビッド.ヘイマン、ジェラミー.ファラである。この3人は影響力のある感染病の専門家であり、それぞれ、教授、衛生熱帯医学者、国際保健安全保障機関の代表者である。彼らは、エボラ治療の研究において、幾つか使用可能な抗ウィルス薬、モノクローナル抗体、及びワクチンがあると指摘した。また、アフリカ政府は、特に感染のリスクが高い医療関係者を保護するため、これらの試薬品を使用するかどうかの決定を公式に発表するべきであると提案した。三人の専門家は、このような試薬品を認可する国際的な権威のある世界保健機構(WHO)が多大なリーダーシップを発揮するべきであると述べた。

ブラントリ及びライトボル両氏が受けた薬はサンディエゴにあるMaPPバイオ医薬品会社が開発したZMaPPというブランド名の薬である。3人の専門家は、どうして同じ試薬品がアフリカの患者に提供されていないのか疑問を提起し、この致命的なウィルスが豊かな国に拡大すれば、医療機関はこれらの薬品の生産について、医薬品会社および実験開発機関と協議を始め、急速な決定を行うはずであると指摘している。彼らは、適切な試験のプロセスを踏まえずその使用を決定するべきではないことも理解しているが、西アフリカは現在重大な危機に直面している為、WHOと西洋諸国の医療機関は安全性および効力性を継続的にモニターしながら、これらの薬品やワクチンの開発にはコストの面で限界がある西アフリカで、現在最も必要としているEVD患者に提供するべきであると述べている。

MaPPバイオ医薬品会社は、ZMaPPは1月に潜在的な治療薬として確認されただけであり、現在のところ利用可能な量は限定されていると述べている。ZMaPPのワクチンは成長に数週間かかるタバコの葉を改良して製造された3つの抗体から構成されたものであると公表している。ジュネーブに本部を置くWHOの報道官は、「国連の保健機関はライセンスおよび臨床試験の通常のプロセスを経ていない試薬品を患者に投与することを奨励していない」と述べている。安全性と有効性を決定する為、人にテストされていない薬を利用して患者を治療することは非常に珍しいことである。つまり、猿に試験されただけの段階でMaPPバイオ医薬品会社のZMaPPを与えられたブラントリ及びライトボル両氏は米国初のEVD患者であると同時に初の臨床試験の対象者になったということになる。

WHOは、西アフリカで流行しているエボラ感染の実験的治療薬の使用を検討するため、医療倫理学者の会議を来週早々招集すると今日発表した。また、現在、ウィルスに対する登録済みの薬やワクチンはないが、開発中の実験的なオプションは幾つかあると述べている。また、臨床実験が終っていない薬がリベリアの医療従事者2名(ブラントリ氏とライトボル氏)に与えられたことに疑問が提起されているが、安全で効果的であると判明すれば、蔓延している西アフリカで極度に量を限定し、誰が受けるべきかを決めて利用するべきであると提案している。

エボラ.ウィルスが1976年に発見されてから、既に38年が経過した今日でもエボラ感染の完治薬は存在しないという事実には驚くが、開発中の試薬品には量の限定があるという理由はコストの側面で理解できる。MaPPバイオ医薬品会社がZMaPPを多量に生産することが可能であったとしても、臨床試験のプロセスを経ていない為、医療倫理性に問題があるようだ。ブラントリ氏とライトボル氏の健康状態が日増しに向上し、その試薬品の効果が証明されるまで、あるいは、他の開発中の試薬品の安全性と効果が実証されるまで、西アフリカの全てのEVD患者を早急に救えない現状は残酷である。更に、西アフリカでは致命的なエボラ.ウィルスの感染を恐れて閉鎖する医療施設があるらしい。幸い、致命的なエボラを封鎖する為、またリベリアの医療システムを向上させる為、世界銀行は2億ドルを融資すると公表している。

 

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