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オバマ政権は国内外の複雑な人道危機問題に対処している。その顕著な国内問題は中央アメリカから逃避している不法入国児童が国境で拘束されていることである。これに関するオバマ政権の政策は、人道的且つ安全な方法で大半の子供達を送還することである。米国国土安全保障省は、南テキサス国境で拘束されている2つのカテゴリーの不法入国者の統計、及び資金に苦戦しながら人道的危機に対処しているその現状を先週報告した。また、国外の人道危機としては、イラク北部で少数派民族が大量殺戮に直面する可能性があり、イラク駐留の米国人も生命を脅かされる危機があるとして、オバマ大統領は8日イラクで空爆作戦による特定の軍事行動を認可した。しかし、複数の共和党は、軍隊の派遣の必要性を主張している。米国市民は、このような国内外の人道的危機に対するオバマ政権の政策と共和党の反応をどのように感じているのだろうか?

南テキサスの国境に到着する同伴者のいない不法移民児童の数は5、6月のピークから7月には約半分に減少し、一方、成人の同伴者がいる子供の数は6月にピークに達し、7月には50%以上減少した。下記の表は米国国土安全保障省(DHS)が公表した報告である。

非同伴の子供      成人同伴の子供
1月   3,706      2,286
2月   4,846      3,282
3月   7,176      5,754
4月   7,702      6,511
5月   10,579      12,774
6月   10,628      16,330
7月   5,508      7,410

DHSは、7月は著しく減少したが、過去数年前に比較するとまだ高い数値であると述べている。基本的に、オバマ氏が要請した援助資金は却下され、更に議会は国境危機に対処する法案を制定していない為、同省の他の部署から資金をやりくりすることで、可能な限り人道的に対処しながらも「我々の国境は不法移民に開かれていない」と繰り返し警告していることなどがこの減少の要因である。更に、7月25日オバマ氏は、中央アメリカのホンダラス、グアタマラ、エルサルバドルの三か国の大統領と会談した際、大半の子供達は米国には滞在できないと警告した。

同省の長官であるジェイ.ジョンソンは、「資源を急増し、南テキサスの国境付近のリオ.グランデ·バレーでの不法移民の台頭に対抗するため所定の位置で積極的なキャンペーンを実施している」と報告している。しかし、同省はテキサス州の複数の場所に一時的な拘留センターを建設し、更に追加する予定があると述べている。また、中央アメリカに送還する航空便数は増えていると述べ、司法省とDHSは法律に従って、同伴者のいない子どもや家族が迅速かつ安全に帰宅できるよう付加的な資源を導入することに努力していると報告した。ジョンソンは「 緊急事態の対応で残業をしてきたこの省の男女を支持するため、大統領が要請した補助的資金の措置を何もせず、議会は8月の休暇に入ったことに私は失望しました」と述べている。従って、「他に選択の余地はなく、資金欠乏を防ぐためDHSの他のプログラムを再編成し、それらの分野から合計4.05億ドルを調整した」と報告している。一時的な拘留センターの増築および子供達の帰国に必要な費用は、他のプログラムを調整して工面された資金を利用しているのが現状である。

つまり、オバマ政権は現時点で資金に苦戦している為、子供達を長期的に世話することには限界がある状況である。従って、子供達の大半は安全な方法で迅速に本国に送り返すことを宣言している訳である。しかし、大半の米国民は麻薬犯罪及びギャングの暴力が横行している中央アメリカから逃避している子供達には同情的であり、早急に送り戻すことに反対している。11日、ロイター が発表した同紙及び国際的リサーチ会社Ipsos が7月31日から8月5日まで共同実施した世論調査によると、51%の米国人は、米国・メキシコ国境で拘束される同伴者のいない子供達は、ある一定の期間、米国に滞在することを許可されるべきであると答えている。このグループのうち38%は、本国への帰宅が安全になるまで、子供達は避難場所を与えられ、世話されるべきであると答えている。また、米国に滞在することを許可するべきだと答えた率は13%で、32%は即時送還するべきだと答えた。

国内でも多大な人道危機に苦戦している現状であるが、オバマ氏は8日、イラクでの人道危機に対処するため、空爆による軍事行動を認可した。米国は軍隊をイラクから約3年前に撤退したばかりであり、米国民は戦争に厭けがさしている為、再度米軍を派遣することには反対しているが、イラクの人道的危機に対処するため、米軍が空爆を行うことには賛成派も反対派もほぼ五分五分である。ワシントン.ポストが8日に公表した、同紙及びABCニュースの6月18日から22日までの合同世論調査によると、スンニ派のイスラム過激グループ(ISIS)に対して、空爆を行うことを支持している率は45%であり、軍隊の配置を支持している率はわずか30%である。一方、空爆に反対した率は46%であり、イラク紛争に米兵を派遣することには65%が反対している。つまり、大半のアメリカ人は大量殺戮を阻止するための人道的な軍事行動である空爆には反対していないが、イラクに米軍を派遣し戦争に関与することには抵抗を示しているようである。

イラクへの米軍派遣に対する米国民の意識は過去10年間でかなり変化しているが、上院議会の共和党議員ジョン.マケインおよび他複数の共和党議員は、空爆による人道的救済は不十分であり、米軍を派遣するべきであると主張している。しかし、米国民は圧倒的にそのような意見に反対している。国内及び国外の人道的危機問題には、兵士および米国人の生命に直接危機を及ぼさないことを優先し、物資的及び軍事的技術を利用し援助することには理解を示す寛容さがある。米国人は概して合理的であり、人道的状況に多感になりやすい人間的側面が浮き彫りになっている。

 

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