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米国憲法修正第十四条は皮膚の色、人種、宗教、国籍に関係なく市民の権利と法律による平等の保護を保証している。1950年代および60年代、アフリカ系アメリカ人(黒人)は、長年続いていた人種隔離に対抗するため、また、公民権を獲得するため長年葛藤を繰り返してきた。50年以上が経過した今日も、公民権運動時代とほとんど変わっていない黒人に対する人種差別の現状は衝撃的である。ミズリー州で非武装の十代の男性が9日に警察官に射殺されて以来、平和的に開始された抗議活動は警察の様々な攻撃により暴動に展開した。黒人地域社会の怒りは制御不可能な印象を受ける。

8 月 9日、ミズリー州ファーガソンで非武装の18歳黒人のマイケル.ブラウンが一人の白人警察官にファーガソンの通りで昼間射殺された。その後、ブラウンを射殺した警察官の氏名の公表及び正当な裁判を求めて、非武装のほぼ黒人による 抗議活動が始まった。警察は抗議者を逮捕する為、ゴム製の弾丸、催涙ガスなどを利用し攻撃的であるため暴動に発展した。15日、ファーガソンの警察署長トーマス.ジャクソンは、ブラウンを射殺した警察官は6年間の経歴があるダレン.ウィルソンであると公表した。名前の公表が遅れた理由は、ウィルソンを含む警察当局は、生命の危機に晒されていたためであると主張した。ジャクソンは、ウィルソンがブラウンを射殺した理由は、ブラウンと彼の友人が通りの真ん中を歩き、交通を遮断した為であると語った。また、警察側は、15日ブラウンと思われる男性がコンビニで盗みを働いているビデオを公開した。ビデオに描写された男性の顔は鮮明ではないが、ブラウンらしき男性であると言われている。

コンビニでの盗難は、同じく非武装の男性が犯人であり、致命的な銃での射殺があった10分前に起きたと警察側は報告している。ブラウンの家族と弁護士は15日の午後、記者会見を行い、盗みをしていると主張するビデオの公開は彼の「性格を破壊する戦略と目的である」と述べた。司法省は、既に人種間の緊張が高まっている状況下で、更に火に油を注ぐようなことを避けるため、そのビデオを公開しないようファーガソンの警察に繰り返し要請していた。ブラウン射殺の事件から 1週間が経過した16日、公民権活動家の主催により、ファーガソン付近の教会でタウン.ホール会合形式の集会が開催され、ミズリー州の民主党知事ジェイ.ニクソンおよびハイウェイ.パトロールの警部ロン.ジョンソンは地域社会の人々をなだめようと努力したが、参加者は始終喧騒的であった。

ニクソン知事は「世界は見ている。この地域社会は恐れ、不信、暴力のサイクルを破り、平和、強さ、最終的には正義をもたらすことができるかどうか試されている」と数百人の参加者に語った。また、秩序を回復する為、平和的な方法で正義を求める必要があることを訴えたが、複数の参加者は、ブラウンが射殺されているのに穏やかではいられないと反発した。複数の参加者は、ブラウンを射殺した警察官は殺人の罪で起訴するべきであると述べた。また、別の参加者は我々の怒りをコントロールしていると叫び、質問のチャンスを与えようとすると、複数の人が同時に発言した。また、質問に答えている知事や警部の話をさえぎるなど、多くの参加者は怒りを露にしている様子をCNNが放映した。この会合で、警部は深夜12時から翌朝5時まで外出禁止命令を提起し、その後、知事は外出禁止を宣言したが、その期間については明確にしていない。

17日のロイターによると、外出禁止宣言の初日から一部の抗議者は深夜ファーガソンの通りに集まっていた為7人が逮捕された。また、一人が何者かに砲発され重傷を負ったと言われているが、被害者の身元も砲発した人物も不明である。ミズリー州のハイウェイ.パトロール当局は、警察は群衆を退散させるためキャニスター煙と催涙ガスを使用したと述べている。ニクソン知事は、衝突はあったが、初日の外出禁止宣言は成功であったと述べている。現在、9日にブラウンが射殺された事件を捜査しているのはセントルイス郡の警察署および米国司法省である。公民権違反がなかったかどうかを調査中である司法長官エリック.ホルダーは「途方もない状況」を考慮し州の解剖監察に加えて、連邦政府の監察医に付加的な解剖を実施するよう要請した。

ファーガソンの黒人達が現在激怒している要因は、ブラウンが射殺された詳細な情報を提供せず、いきなりビデオを公開したことである。彼らの怒りは爆発寸前であり、制御不能の状態である。ブラウンを射殺したウィルソンは、道路内にいたブラウンに対して歩道上に移動するよう依頼したが、ブラウンはパトカーに近づき、ウィルソンの業務用の銃を奪おうとしてもがき、ウィルソンは顔に負傷を負った為、その後ブラウンを何度も射ったと証言している。この曖昧な証言は今後、もっと明白になると思われる。

公民権運動時代、黒人に対する人種差別、不正逮捕、脅し、監視の乱用、性的虐待などの警察の職権乱用は顕著であり、黒人が警察に射殺されるケースは頻繁であった。50年以上が経過した今日も、驚くことにほぼ全米の都市および地域で警察による黒人に対する射殺事件が続いている。2013年4月7日に公表されたマルコムX草の根運動組織の報告によると、2012年に警察、保安官、自警団に殺害された黒人は313人である。これは28時間毎に一人の黒人が射殺されていることになると述べている。

白人の警察官に黒人が射殺される事件が起きる度に、黒人地域社会は激怒し抗議が始まる。抗議者に対する警察の攻撃的な対処が引き金となって暴動に進展し、建物は破壊され、混沌たる現場ではすきを狙って略奪が行われるというパターンがある。このパターンは現在もほとんど変わっていない。1965年8 月11日から17日までロスアンゼルスで起きたワッツ暴動と現在起きているファーガソン暴動は幾つかの点で類似している。ワッツ暴動では30人以上が死亡、1,000人以上が負傷、3,400人以上が逮捕された。悲しいかな、米国の人種問題は1950年代及び60年代からほとんど進歩はなく、公民権の紛争はまだ続いているのが現状である。

ロスアンゼルス、ワッツ暴動1965年8月     (上部)

ファーガーソン 暴動 2014年8月 (下)

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