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イスラム過激派のISISは、2年前に誘拐されたアメリカ人ジャーナリストを殺害する時、二人目のアメリカ人の運命はオバマ大統領の行動次第であるとする挑戦状をつきつけた。米国人殺害の脅しは、 身代金の要求、人質交換の要求も含めて、テロリストの戦略であると言われている。国防長官チャック.ヘーゲルは22日、ISISに対する印象と今後の方針を語った。オバマ政権はこの脅しに怯んでイラク政策を変えるだろうか?

諜報機関の調査によると、19日にテロリストに殺害されたジエームズ.フォーリーは、シリアで拉致された4人のアメリカ人の一人である。フォーリーは、フリーランサーのビデオ撮影者であり、グローバル.ポストの記者であった。彼は2012年11月にトルコの国境から南に40 Km離れた町で姿を消した。彼は拉致される前の数週間、シリア内戦の悪循環についてシリア情勢を文書化していたと言われている。

フォーリーが斬首によりISISに殺害された後、オバマ政権の反テロ政策のトップ.アドバイザーであるリサ.モナコは、フォーリーを含む米国人を救済する秘密作戦はデルタ.フォースと呼ばれる特殊部隊デルタ作戦分遣隊が7月の初旬に実施したと発表した。ペンタゴンの報道官は、その救済活動は空陸の両方から実施し、特殊部隊はスンニ派の軍隊に拘束されているフォーリーおよび他のアメリカ人を救済する目的でヘリコプターから着地し、シリアのネットワーク全域を集中的に捜索した。しかし、諜報機関及び軍事関係者は、事前に彼らがアメリカ人を拘留している場所を確定し、シリアのほぼ全域を捜索したが、彼らを発見することは出来なかったため、失敗に終ったと公表した。情報が漏れた場合、将来の救済活動が阻止されることを懸念した為、これは秘密作戦であったと報告した。

ISISは最も資金源の豊かなテロリストであると言われている。彼らの主な資源は、特にヨーロッパ人を誘拐して身代金を得る事であるという。当然、オバマ政権に身代金を要求していたことも判明した。20日のニューヨーク.タイムスによると、彼らの手段はまず、身代金を要求し、次にテロリスト拘束者との交換を要求する。ISISは4人のフランス人および3人のスペイン系のヨーロッパ人も拉致していたらしいが、これらの政府は定期的に身代金を支払い、仲介人を通してお金が届けられた時点で、この二カ国からの人質は今年解放されたという。身代金は最も手っ取り早いテロリストの資金源になっていて、過去5年間で少なくとも1.25億ドルの身代金による歳入があったという。ISISは、最近アルカイダから独立したテロリスト.グループであるが、誘拐により歳入を得る方針はアルカイダから受け継いだものである。

しかし、アメリカとイギリスはテロリストとは交渉しないというポリシーを掲げている為、米国はこのような要求には応じていない。人質になった経験があるアメリカ人は、ISISは3人のアメリカ人と何人かのイギリス人を人質にしているが、米国は身代金を拒否したと語ったという。オバマ政権の反テロ政策の関係者は、「身代金支払いは問題を永続化させ、誘拐されたアメリカ人はほとんど解放されるチャンスは無く、一握りの人は逃亡に成功するが、特別作戦で救出可能な人数はもっと少ない」と述べている。ロイターのコラムニストのデビッド.ローデは、タリバンに拉致され、7ヶ月間拘束された後、窓をよじ上って逃げ出すことに成功した。彼は、「身代金に対するむらのあるアプローチがフォーリーの生命を失う結果になったかもしれない」と語り、この問題は公的に討論し、アメリカとヨーロッパは共通の解決策を見いだす必要があると指摘したという。

フォーリーの殺害は、オバマ政権のイラク政策である空爆を止めろと言っている明白なメッセージである。米国人のジャーナリストが殺害される可能性が高くなるため、イラクでの空爆政策を変え、爆撃を止めるべきかという疑問が提起されている。CIAの元次長マイク·モレルは、20日、CBSニュースのインタビューで、米軍は、米国を直接脅しているISISに対するその戦い、および過激派から領土を取り戻す戦いの「ペースを上げるべきである」と述べた。また、二人目のアメリカ人を殺害するとの脅迫にイラク政策が阻止されてはならないと主張し、「私は、彼(二人目のアメリカ人)を暗殺するかどうか疑問ですが、我々は前進し続ける必要があります」と前に進むことを強調し「このような脅しで止める訳にはいかない」と述べた。

又、国防長官チャック.ヘーゲルは今日、中央軍副司令官マーティン.デンプシーとの会談で、ISISはイデオロギー、洗練された戦略や戦術、莫大な資金力などの側面で、「これまで見てきたテロリストとは遥かに超過している。我々は彼らと戦う為、あらゆるオプションを模索している。全て準備しなくてはならない」と語り、ISISの脅威を認めた。しかし、イギリスと同様、テロリストとは交渉しない方針を掲げるオバマ政権は、ヘーゲルの発言が明白にしている通り、いままで見たことがない手強いテロリストに対して、あらゆる方法で対抗する方針であることを伝えている。

ISISのアメリカ人殺害のビデオ公開は、彼らが米国の攻撃にかなりの影響を受けていることも示唆している。CBSによると、400人以上のジャーナリストがシリアやイラクに取材のため旅行しているという。混沌たる戦況地やテロリストの本拠地に赴任する記者には危険性が常にある為、オバマ政権は、これまで誘拐されたアメリカ人の救済活動を既に実施した。しかし、ISISに誘拐された全てのアメリカ人がどこかで生存しているという確実な証拠はないようである。米国の反テロ政策は基本的に、脅迫に圧倒され政策を変えることは、テロリストと交渉した事になり、結果的にテロリストを益々横暴にするという意識があると思われる。従って、米国政府は機密の救済活動を実施する事はあるが、治安の最悪な国で取材するジャーナリストはそれなりの覚悟が必要である。

 

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