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ミズリー州ファーガソンの暴動は、警察が軍隊化し、軍隊と警察の区別が無くなっていることを一層明白にした事件である。9.11後、警察が軍隊化していることに民主主義が崩壊しているとの指摘もある。オバマ大統領は23日、警察に提供している武器について、またその警察の武装のあり方を包括的に再検討することを要請した。反テロ対策の一環として、ブッシュ政権で強化された驚異的な警察に対する武器提供プログラムが露呈した。

オバマ氏が就任した2009年初頭、国防総省は警察におびただしい種類及び量の武器を輸送した。それは約20万の弾薬、数千の機関銃、夜間視聴設備、サイレンサー、装甲車、および航空機などである。23日のニューヨーク.タイムス によると、オバマ氏が包括的に再検討することを公表した目的は、引き続き警察にこのような軍隊用の武器を提供する必要があるかどうかを考慮し、継続する必要がある場合、地元の警察当局がそれを適切に使用するため充分な訓練をしているかを確認するためである。更に、武器がどのように使用されているか、在庫が綿密にチェックされているかを確認することも含まれている。これは、政府が警察に提供する武器に関する法律制定の提案、および議会での聴聞会の開催を通して「軍隊化した法務執行当局の状況を著しく変える可能性」がある。本格的に警察が軍隊と同じ武器を提供されるようになったきっかけは2001年9月11日の同時多発テロである。連邦政府は、警察当局を新たなテロ戦争の「最前線部隊」であると考慮し、軍隊が戦争で使用する同じ武器を提供し、反テロ対策の訓練をした。そのような警察の役割は続くと予想されているが、連邦政府下での助成金や軍事余剰プログラムの政策は変わる可能性がある。

ファーガソンの抗議活動は週末から平和的になり、安定してきたが、暴動中に最も目立ったのは、警察の圧倒的な武装である。 装甲車、夜間視聴設備、ガスマスク、アサルト銃の保持など 重武装した警察官は、大半が黒人の抗議者をまるでテロリストまたは犯罪者扱いにしている印象があった。警察が軍隊スタイルの武装をすることに疑問を提起し、上院国土安全保障と政府問題委員会のメンバーであるミズリー州の上院民主党議員クレア.マカスキルは、9月に実施される公聴会を先導するが、ファーガソンでの警察の重武装を見ていて「いくつかのレベルで我々を不快にする」と述べている。従って、この目的は、抗議活動に対して軍隊スタイルの警察の武装が適切であるかを検討する為である。司法長官エリック.ホルダーは、警察が「対応している勢力は平和的なデモ抗議に逆効果になる為、軍隊式の装備がその目的に適合しているかどうか、いつ、どのように配備するかなどに関して、適切な訓練が行われているかを見ることは道理にかなっている」と述べている。

軍隊と変わらない警察の武装は、素人が見てもここまでする必要があるだろうかと疑問視するほど脅威的である。過剰な警察の軍隊化は「公共の安全だけではなく、民主主義も脅威に晒している」と批判されている。なぜなら、 18歳の黒人男性マイケル.ブラウンが警察官に射殺された後、非武装のデモ抗議者に対して、警察は町を占領している軍隊のように振る舞い、軍用武器、催涙ガス、ゴム弾丸および装甲車の使用は、公共サービスの警察官のイメージを遥かに超えた印象を与えた為である。しかも、警察の武装は、イラクおよびアフガニスタン戦争で使われた武器と全く同じものであり、連邦政府のプログラム下で、多くの地方法執行機関に43億ドル相当の余剰軍事資材の分配を承認した為である。アメリカ自由人権協会(ACLU)は、連邦政府が提供した過度な戦争の武器と戦術は公開討論や監督なしに、不均等に黒人の地域社会に利用されていると指摘し、「過度なアメリカの警察の軍隊化」は警察官に「戦士意識」を与え、「人々を敵」として扱っていると批判している。

国家警備隊がセントルイスに配置された18日の夜、ファーガソンでは平和的なデモ抗議が続いていた。深夜12時以降の帰宅命令は効果がなかった為、この日から解除されていた。警察の数は圧倒的に増え、大勢のデモ抗議者はファーガソン通りに溢れ、多くのメディアは現場からの中継を実施していた。東部時間午後11頃までは平和的であったが、11時が数分過ぎた頃、警察側は突然キャニスター煙を投げ始めた為、一瞬にして喧騒的になった。 デモ活動家を無理に帰宅させることで、警察官たちも帰宅できることを期待しての行動であった可能性もあるが、中継放送での画面は警察の一方的な攻撃を見事に描写した。

ファーガソン暴動は、数日前から穏やかになったが、暴動中、警察はデモ参加者を逮捕する為、頻繁に催涙ガスも利用した。催涙ガスは非致命的であるが、化学兵器の類いであるため、ガスに露出した被害者は、目の痛みに加えて一時的に失明する場合もあるという。非武装の抗議活動家に対して、催涙ガスを使用することが適切であるとは思えない。様々な種類の催涙ガスがあると言われているが、化学兵器であるそれらの使用は、国際条約で禁止されている。ファーガソンの警察が使用した催涙ガスはどのような特定のものなのか不明であるが、平和的なデモに対する装甲車を含む警察の重武装は、圧倒的で過剰である印象があった。ファーガソン暴動は結果的に警察の軍隊化を見直す時を与えている。

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