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イスラム過激派のISIS (又はISIL)は、最近急速に勢力を拡大し、アメリカ人ジャーナリスト及びシリアのISIS側で戦っていたアメリカ人を殺害した為、テロ攻撃の脅威が高まっている。イギリスの首相デビッド.キャメロンは深刻であることを表明したが、 オバマ大統領は、シリアでの戦略はまだ決まっていないと発表した為、多数の議員はテロリストの脅威は差し迫っていると懸念している。ISIS勢力が急増している現状下で、オバマ政権がシリアでの軍事行動をまだ決定していない理由は幾つかあると思われる。

イスラム国家の建設を目指し、アルカイダのイデオロギーと同じジハードの原理を掲げているスンニ派のイスラム過激グループ ISISは、急速にその勢いを拡大している。ISISはソーシャル.メディアを通してメンバーを採用していると言われている。イラクでの勢力は6月にはわずか4,000人だったが現在、約20,000から30,000人に増大したと言われている。オバマ政権のイラクでの戦略は引き続き強化され、 無人機を利用した攻撃を含む空爆は現在まで100回以上続いている。そのような戦略下で、イラク一部の地域では ISISに占領された町をイラク軍が取り戻していると報告されている。一方、シリアのISIS の数は30,000から50,000人であると言われている。31日のロイターによると、米国司法省長官のエリック .ホルダーは、シリアには推定23,000人の暴力的で過激な戦士がいて、約7,000人の外国人戦士の中には、7月に採用された多数のアメリカ人も含まれていると報告した。

NBCニュースによると、8月27日ISISに殺害されたダグラス.マッカーサー.マケインは発見された遺体、パスポート、および旅行の書類から、カリフォルニア州サンディエゴのアフリカ系アメリカ人であることが判明した。少なくとも、その時点で彼と一緒に戦っていたアメリカ人は彼を含めて3人いた。ISISは、米国の黒人を採用する願望もあると言われているが、ソーシャル.メディアを通して、何人かの米国人がイスラム過激派のメンバーになっているという事実は衝撃的である。米国人ジャーナリストのジェームズ.フォーリーは19日に斬首されたことが公表され、27日にはISISの仲間として戦っていたマケインも殺害された事が判明した後、イギリスはテロの脅威が深刻であると表明した為、テロ攻撃の懸念が高まっている。

29日のガーディアン によると、イギリスの キャメロン首相は、イギリスおよび西洋諸国に対するイスラム過激派の脅威は本格的なレベルから深刻なレベルに上昇していると警告した。また、「私たちの武器庫には幾つかのギャップがあり、それらを強化する必要があることが明らかになってきている」と述べ、国民の海外出入国を制限する必要性を強調した。ISISはテロ攻撃を繰り返すため「紛争で荒廃した地域から復帰する計画がある」との恐れを語り、英国及びその他の西洋諸国にとって「世代間の闘争」を予期する深い懸念を表明した。

米国の政治家および反テロ対策の当局関係者もISISの勢力の急増を懸念している。下院情報委員会の民主党議員ダッチ.ラパーズバーガーは、イギリスと同様、米国のパスポートを所持している人物が、ISISで訓練を受け、米国に戻ってくることが最大の懸念であると述べ、多大な恐怖になっていると表明している。「私たちには、両親を訪問し、自殺する過激派の自爆テロがいる。それは今後アメリカで起きることである」と述べた。同じく、下院情報委員会の共和党委員長である マイク·ロジャースは、31日ISISの暴力がエスカレートしていることに反応し、海外でテロの訓練を受けている市民を起訴するようオバマ政権に緊急要請した。ロジャースは「海外に行き、訓練を受け、戦う方法を学んだ全ての個人を掌握していない為、非常に心配だ」と語った。

オバマ氏は、29日のホワイトハウスでの記者会見でシリアでのISISに対する「戦略はまだありません」との発言をした為、 批判している議員も多い。31日のワシントン.ポストによると、ホワイトハウスの上級顧問ダン·ファイファーは、大統領は「批判に関係なく、これらの危機に対応するため、彼自身の速度で動き続ける」と述べ、「ケーブル.ニュースのサイクルの速度に合わせて、これらの問題を解決するための時刻表はない。それは筋道の通った事ではない。慌てて事を運ぶより、むしろ正しい方法で実施したい。我々は、成果がまずかったブッシュのやり方とは正反対の事をやろうとしている」と語った。

多数の共和党議員は、ISISが占領しているシリア東部での支配が長引けば長引くほど、シリアの領土を保持する可能性が高くなるため、軍事行動を提案している。しかし、オバマ氏は、シリアでの具体的な戦略を決定する事に時間を必要としているようであるが、世界で起きている全ての問題が軍事力で解決するとは考えていないと思われる。基本的にはISISのテロ攻撃の対象になる国は米国だけではなく、他の同盟国や西洋諸国も警戒する必要がある為、国際社会との強調を求めているのではないかと思われる。少なくとも、ブッシュ政権と同じように資源を無駄にするようなミスを避けたいからであり、国際社会の協力と連帯による集団行動の方が単独行動より成功する可能性が高いことを強調している。5 月 28日、ウエスト.ポイントでのスピーチで「私たちは、一人で行くべきではない。このような状況での集団行動は維持する可能性も、成功する可能性も高く、コストのミスにつながる可能性は低くなる」と述べている。オバマ氏の主要点は、軍事行動を問題としているのではなく「結果を考えず、国際的な支援と行動のための正当性を築くことなく、また犠牲が伴うことをアメリカ人に理解させることなく」、ただ熱心に軍隊を派遣することが、強いリーダーシップに基づく適切な判断ではないと指摘している。

オバマ氏のシリアに対する決定が遅い別の現実的な理由は、シリアには複雑な事情があるからである。ISISは、シリア北部の都市ラッカで、オバマ政権が政権交代を望んでいるシリアの大統領バッシャール.アサドと戦っているからである。同時にISISは、オバマ政権が武器と資金を提供している穏健派の反政府軍とも戦っている。従って、イラクと同じように空爆を利用する戦略の提案についても、戦略家およびオバマ政権の当局関係者の意見が一致していない為であると言われている。

 

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