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オバマ大統領はシリア戦略の決定について、明日その概要を公表することになっている。米国民の65%は、オバマ氏がテロリストと呼んでいるイスラム過激派ISIS(又はISIL)を安全保障上の脅威であると考慮し、イラクでの空爆をシリアに拡大する事を支持している。国民はISIS戦略に対する議会の態度およびオバマ氏の決断に注目する為、ISIS危機は中間選挙の課題の一つになる可能性がある。シリア政策については、既にオバマ氏が公表した段階的戦略に着目する事で、ある程度予測可能である。

イラクでの空爆は既に約140回に達したと言われている。イラクの少数派宗教民族や北部の米国の外交官、軍人、および施設は保護することに成功している為、次の段階は、イラク軍隊、クルド兵、およびISISと戦うグループをアドバイスし訓練することである。しかし、オバマ氏はシリアでの行動を決定することに「慎重すぎる」と言われている。オバマ政権がシリアのISISにどのように対応するか、その決定は、国際強調を求めている事も含めて、イラク戦争で数千人の米兵が死んだブッシュ政権での教訓もあり、シリアでイラクと同じ空爆の戦略を用いた場合、市民が犠牲になる可能性もあると懸念していると言われている。ペンタゴンは、シリア内部でテロリストを空爆で破壊する事が可能であっても、2年以上の計画になると予測している。9日のワシントン.ポスト(WP)によると、複数の議員は、米国が提供した武器はISISが没収しているため、シリアでの「米国の資源が敵の手中にある」ことにイライラを募らせ、シリアでの軍事行動を迫っている。

ワシントン.ポストが9日に公表したABCニュースとの合同世論調査によると、91%の米国民は、総体的にISISは米国利益の脅威になると考えている。また、イラクでの空爆を支持している米国民は71%であり、イラクでテロリストに対抗しているクルド勢力に米国が武器を提供することを支持する国民は58%である。また、米軍がシリアに空爆を拡大することを支持する国民は65%であり、米国民はテロリストをターゲットにした空爆を圧倒的に支持している。この調査結果に対して、WPは、米国民が「タカ派的ムード」になっていると指摘している。また、オバマ氏が強いリーダーだと思っている国民は僅か43%であり、これは2009年就任以来の低さである。外交政策に関しては、総体的に支持率が落ちていて、ウクライナでのロシアの攻撃性に対するオバマ氏の対応に関する評価はまだ良好であるが、特に、ISIS危機への対応に関する国際問題では10人中4人以上のアメリカ人が、オバマ氏は「慎重すぎる」と評価している。

シリアでの空爆を拡大するよう議会の両党から著しい圧力を受けている為、 オバマ氏は明日の夜、シリア戦略の概要を公表する予定である。シリア戦略に関するオバマ氏の決定に関して、議会は承認を求めていないと公表したが、ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストは、今後の政策に関してオバマ氏は議会の承認を求め、議会も共同の責任を負うことを明白にすると述べている。多数の民主党議員は、ISISと戦うため、シリア戦略を議会に提示し承認を求めることは正しいと述べている。特に、元下院の民主党議員ジェーン.ハーマンは、シリア戦略は中間選挙に影響を与えるほど重要である為、議会の認可を得ることで、議会と団結する機会であると楽観的な希望を公表している。

ハーマンは8日CNNに寄稿し、議会の各メンバーがこの問題にどのように反応しているかは2014年の選挙の課題であるべきあり、責任のなすり合いはやめなくてはならないと指摘した。彼女は、大統領が指揮官としての権威を行使し、戦争と平和の問題で議会の憲法上の責任を重視していなかった2001年9月11日の同時多発テロ以降、大統領と議会の関係は崩壊したと述べた。イラクでの空爆は元々人道的危機に対処したものであり、ISISと戦争をする為ではなかったが、軍隊を派遣することを強固に主張する議員もいる為、オバマ氏が「過度に党派的な議会を信頼できないと感じる理由はある」が、戦略を決める上で「まずいやり方である」と指摘した。国民はイラクでの空爆を支持しているため、ISISの問題では議会と団結する機会であると述べている。なぜなら、2013年9月には大統領が議会の承認を得たとしてもアメリカ人の55%はアル.アサドに対する空爆に反対したが、現在両党の多数派を含め60%以上のアメリカ人はシリアでのISISに対する無人攻撃機の利用及び空爆を支持している為、具体的な戦略を議会に説明すれば、議会と国民は支持すると述べている。

しかし、今日ホワイトハウスで両党のリーダーはオバマ氏と会談し、シリア構想の概要を直接聞いたが、下院議長のジョン.ベイナーは、大統領のシリアでの戦略に対する議会投票の決定はないと語っている。これは公式な承認は不要であることを意味しているが、承認すると何らかの問題があった場合、議会もその責任を共有しなくてはならない。従って、オバマ氏が如何なる戦略を決定しても、投票がない限り議会の承認を得たことにはならない為、ハーマンの理想通り団結したことにはならない。いずれにしても、これまで公表されているオバマ政権の反ISIS戦略には段階的なステップがある。

それは最初に( 1)イラクで現在も続いている空爆である。次に(2)クルド兵の勢力を訓練および装備すること、(3)イラクでの安定した政権を確率すること、(4)シリアの内側でISIS勢力を減退させ破壊することである。(5)最後に中東を含む国際協力による連立を確率することである。既に、カナダはイラクでのクルド兵勢力を援助するため軍隊のアドバイザーを派遣した。イギリスおよびドイツはクルド兵に武器を送っている。オーストラリアは貨物を運ぶ飛行機を提供している。資金、武器装備、訓練の提供は外交政策の三原則であるが、オバマ氏の反ISIS戦略の主なポリシーは軍隊を配置しないことが基本である。空爆の復讐として、すでに二人のアメリカ人ジャーナリストが殺害されているにも関わらず、大半の米国人がISISに対して空爆の拡大を支持していることは驚きである。

 

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