アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

オバマ大統領が6日に移民改正の大統領令を延期すると発表して以来、ヒスパニック系の移民活動家は、ホワイトハウスの前で抗議活動を展開している。中間選挙前には何もしないというオバマ大統領の宣言は、引き続き長年米国に在住している数千人の不法移民が強制送還されることを意味している為、活動家は様々な作戦を考え始め、中間選挙投票のボイコットさえ検討している。不法移民は、論争的なストップ&フリスク慣行で拘留された後に強制送還されるケースが多い。一部の都市では、ヒスパニックの人口層は圧倒的に多いが、彼らが中間選挙をボイコットした場合、民主党はどのような影響を受けるだろうか?

移民改正の大統領令延期は、多数の移民擁護団体に不法移民の強制送還の危惧を与えている。現在から選挙直後までに、少なくとも推定70,000人が送還されると移民提唱者は予測している。これは、強制送還された不法移民者が歴史的に多かった2012年のペースに基づく計算である。しかし、2013年には急増し、毎日約1,000人が送還された為、この数値を基準にすると、延期を発表した直後から11月4日の選挙まで約60日間で約60,000人が強制送還される事になる。

法務執行当局はどうして不法移民を見つけることが可能なのか?不当なストップ&フリスク慣行の被害者は不均等に黒人とヒスパニックであるが、これは不法移民を探す方法の一つである。 米国で比較的ヒスパニックが多い州はカリフォルニアとテキサス州である。テキサス州では4都市で80%から94%、及び3都市で58%から61%の割合でヒスパニックの人口が高い。カリフォルニア州の5都市では70%から79%、4都市で63%から68%、6都市で52%から56%の人口はヒスパニックである。しかし、ヒスパニックが集中しているこれらの地域より、頻繁にストップ&フリスクが報告されている最も論争的な都市はニューヨークである。多様民族で構成されるカリフォルニア州でさえ、幾つかの都市でストップ&フリスクは行われている。

最近、ヒスパニックの地域社会で注目されているのは、移民関税執行(ICE)の捜査官によるストップ&フリスク慣行である。ニューオリンズは、オバマ政権の戦略である強制送還で「最も重い負担がある」都市である。オバマ氏の方針では、強制送還は不法移民の犯罪容疑者のみが対象になっているはずであるが、ヒスパニックはほとんど無差別に呼び止められ尋問を受けている。ニューオリンズではICEと地元の警察が協力体制で、強制送還のプログラムに従って携帯指紋器具を利用し、ヒスパニックの住民をターゲットにしているようである。ヒスパニック系の移民は、マンション、食料品店、サッカー場やコイン.ランドリーで呼び止められ、検問制度のような作戦で拘留されていると報告している。2005年8月に発生したハリケーン.カトリーナで壊滅的な被害を受けたニューオリンズには、復興援助のため約33,000人のヒスパニックが移住した。しかし現在、彼らは「獲物になっていると考え始めた」という。

このような手段で不法移民を見つけ、一時的に拘束された不法移民は強制送還されることになる。昨年は全米で毎日1,000人以上が強制送還されたという。10日のネイション誌によると、ヒスパニックの活動家は、中間選挙のボイコットを論議し始めた。ラテン系移民の権利グループのディレクターは、大統領と民主党の主な選挙区でヒスパニックが忠実であることを証明する為、彼らが選挙での投票を強く促す動機がなくなったと語っている。上院で昨年通過した包括的な移民改正法案に下院共和党が取り組んでいないことが、移民改正法の制定が遅れている要因であるとの民主党の言い訳にも説得力がなくなったようである。活動家は「仕事のストライキ、全米での抗議活動、および主な民主党候補者の地区で圧力を強化することなどを含めて、大統領の延期に反応する様々な戦略を論議している」状態であり、少なくともアリゾナ州プエンテのグループは「投票のボイコットを呼びかけている」という。組織のディレクターは「 私たちの家族を破壊している党を支持することは出来ません」と 述べている。しかし、投票のボイコットを組織化するまでもなく、複数の移民地域社会では、既に投票はしないと決めている。

オバマ氏の延期決定は、このような反逆が選挙にどのような影響を与えるかを考慮した結果であるかどうか不明であるが、今年の中間選挙で民主党は、彼らの投票ボイコットにさほど影響は受けないかもしれないという。上院議席の競争で重要な州は、女性の経済問題が重要な鍵を握るコロラド州を除いて、ヒスパニック系有権者の割合は少ないという。また、オバマ氏が大統領令を発令していた場合、女性の経済問題に関与したくないコロラド州の共和党は、その重要な課題を避ける為、大統領令を攻撃の材料として利用する可能性があると指摘している。

大統領令行使の有無に関係なく、11月の中間選挙には、何らかのマイナス要因はあるものの、ヒスパニックの投票ボイコットは上院議席の競争にはさほど影響はないかもしれない。しかし、オバマ氏が公約どおり、11月の選挙後に移民改正の大統領令を発表しない場合、そのつけは2016年の大統領選挙に顕著に表れるはずである。片親または両親が送還された悲劇を体験している不法移民の子供達は、現在強烈な感情を抱き、移民擁護団体が組織化する抗議活動に参加し、どれほどオバマ氏の発表に希望を抱いていたかを語っている。移民擁護団体は、強制送還に強い危機感を抱く不法移民を代表し、中間選挙の投票を拒絶するパワフルなメッセージを送ろうとしている。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。