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下院議会は17日、ISISを徐々に弱体化し破壊するオバマ大統領の戦略を認可するための投票を行い通過した。ISISに対する米国の新たなテロリズム政策は、特にシリアの反政府勢力を訓練するため投資する事については議会でも論争的であるため、上院外交関係実行委員会および下院軍事委員会で聴聞会が開催されている。16日から国務長官のジョン.ケリーに対する質疑応答を中心とした上院外交関係実行委員会での論議では、議員の複雑な感情を頻繁に露呈した。ISISは引き続きその勢力を拡大し、米国の戦略に対抗する脅迫メッセージを送っている。

下院議会の投票で、273対156 の票差で通過した法案は単にオバマ氏の戦略を認可しただけであり、ISIS戦略に必要な資金に関する予算は含まれていない。オバマ政権のISIS戦略を認可するということは、結果的にそれに伴う資金も認可しなくてはならない。ニューヨーク.タイムス(NYT)によると、下院は認可と資金を別々の法案として取り組み、上院はシリアの反政府を訓練する計画とその予算が自動的に提供される一つの法案として投票する予定である。上院議会では、多数派リーダーの ハリー.リード(ネバダ州出身)および少数派リーダーのミッチ.マコーネル(ケンタッキー )は支持している。また、オバマ政権の戦略に厳しい批判をしている古参上院議員のジョン.マケイン(アリゾナ)さえ支持すると述べている為、上院で通過することは予測される。しかし、下院の予算に関する別途の法案が通過しても、上院との予算案と極端に異なる場合、更に両院は予算の調整をしなくてはならない。

下院議会ではリーダー間およびリーダーと他のメンバーとの団結はなく、機能不全に陥っている為、273票を獲得するためにはオバマ政権の並々ならぬ努力があった。特に大統領は常に、戦闘のための兵士を派遣することはないと主張しているため、最初から論争的であり、実際に投票した場合、特に下院で認可されるかどうか一種の懸念があった。NYTによると、大統領、副大統領、ホワイトハウスの役人達は個人的にロビー活動を実施し、70人以上の民主党及び共和党のリーダーに法案を通過させるよう要請した。オバマ氏および側近は、テロリスト.グループと戦うため国際連合を成立する努力をしている最中である為、通過させるよう議員に請願した。

下院での投票に参加した429名中、159人の共和党および114人の民主党はオバマ氏の戦略を支持し、71人の共和党および85人の民主党は反対した。多数の共和党は兵士を派遣しないことを理由に反対票を投じたと言われている。また、共和党より民主党の反対票が多い理由は、彼らがイラクとは事情が異なるシリアに空爆を拡大することに反対しているか又は、近い将来兵士を派遣する方向になることを懸念しているかのいずれかである。また、複数の議員はイラクでの空爆作戦に最初から反対している。ミネソタ出身の民主党下院議員リック·ノーランは「他の国に空爆を起動することの標準的な定義は戦争行為である」と述べた。つまり、空爆は戦争の任務であると指摘している。更に、ノーランは「世界で彼らがやりたいことをやっているインペリアル.プレジデンシィ(帝王的大統領制)にはもううんざりではないですか」と語った。

批判的な雰囲気があった聴聞会の席で、カリフォルニア出身の上院議員バーバラ.ボクサーは17 日、上院外交委員会の有力メンバーであるテネシー出身の上院議員ボブ·コーカーに対して、ケリーに対する質問の仕方が辛辣であるとしてISISの攻撃に焦点をあてず、オバマ政権を攻撃していると指摘した。コーカーはシリアの反政府軍の訓練プログラムが曖昧であり、オバマ政権の計画は「非現実的で意味が無い」と批判した。この委員会には、外部の運動家、メディア関係者などが室内に散在していた。ケリーは情報の漏れを懸念し、この席で詳細な情報を公開することは適切ではないと述べ、詳細な情報は必要な条件下で提供できることを暗示した。ボクサーは「二人のアメリカ人を断頭し、より多くのアメリカ人の殺害を警告している野蛮なグループISISに対してではなく、そのグループと戦うことを決断している国務長官と私たちの大統領に対してこのような怒ったコメントを我々が聞くことはショックで悲しい事だと思います」と穏やか口調ながらも感情を吐露した。

大半の議員はISISを打倒しなくてはならないという意識があるものの、シリアでのISIS戦略には懐疑的な議員も多い。オバマ政権の計画はシリアの反政府軍を訓練し、武器を提供することであるが、この自由シリア軍と呼ばれるシリア反政府軍をどこまで信頼できるかという疑問が提起された。9月11日には10カ国のアラブ諸国は、中東を訪問したケリーに何らかの援助と支持を公約している。サウジアラビアは、シリア反政府勢力の戦闘のため訓練キャンプを開催すると公約した。カリフォルニア出身の共和党若手議員ダンカン.ハンターは、イラクとアフガニスタンで戦った元海軍兵士である。彼は「我々はISISを破壊する必要はあるが、過激的なイスラム(自由シリア軍)に武装させることは機能しない」と述べ、米国がシリア反政府軍を信頼できるのか、訓練を開催する「サウジに疑い」はないのかを質問した。複数の議員は既に、米国はどこまでサウジおよび反乱軍を信頼できるのかという疑問を表明している。また、外国の協力に関する具体性を明白に理解するまで、如何なる投票もしないと宣言した議員もいる。

最終的に世論を分裂させる本格的な戦争になることを恐れる複数の戦争反対派の民主党は、シリア反政府軍に訓練や武装を提供するための単純な投票ではなく、問題はもっと複雑であると指摘している。野蛮人であるイスラム教徒(ISIS)と戦う為、別のイスラム.グループに戦うことをアメリカ人が同意させることができると思う根拠は何なのかなど、様々な疑問を提起している。多くの民主党は、いずれ兵士を派遣し、大規模な戦争に発展することに一種の危惧感を抱いているようだ。ここ数日の議会の反応は、数千の兵士と6兆ドルの資源を無駄にし、国民を失望させたイラク戦争でのブッシュ政権の失敗を繰り返したくないと思っている戦争反対派が意外に多いことを示唆している。

一方ISISは、イギリス市民も斬首し、アメリカ人も無差別に処刑すると脅す新たなビデオ.メッセージを公開している。 二人目の人質になっている英国市民ジョン.キャントリィを彼らのスポークスマンとして利用し、人質の為に交渉しなかったアメリカとイギリス政府を批判するビデオを公開した。ISISは人質を殺害する時、引き続きビデオを公開することを警告している。英国のデビッド.キャメロン首相も、必ず犯人を探し出すと述べている。国防総省の長官チャック.ヘーゲルは18日、シリアとイラクでISISの勢力は引き続き拡大し、大砲や戦車を利用して、シリアとトルコ国境沿いにあるシリア北部のクルド人地域社会を多数侵略したため、米軍のリーダーはシリアでの空爆を既に認可していると述べている。ISISに対する脅威と、その戦いはグルーバル的にエスカレートすると思われる。

 

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