アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2016 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

先週末、ホワイトハウスで侵入者が逮捕された時、幸い大統領官邸は留守であった為、誰も被害に遭遇していない。オバマ大統領は就任後、歴代のどの大統領より多く暗殺の陰謀に直面している為、そのような目的で侵入したとしても不思議ではない。世界で最も保護されているはずのホワイトハウスのセキュリティもいい加減であるが、侵入者は、肉体的にも精神的にも障害があり、しかもホームレスの退役軍人であるというショックな状況が浮き彫りになっている。戦闘中に身体障害者となった軍人には障害給付金が支払われるが、この事件は、身体障害者になった兵士は精神障害にも陥りやすい事を見落としている例である。

19日ホワイトハウスに侵入した男性は、オバマ大統領の家族がメリーランド州サーモントにある大統領の別荘キャンプ.デービッドに旅行するため大統領官邸を出た数分後であった。北側のフェンスを飛び越え、大統領官邸に向かって走り出し、護衛が気付く前に北側の破風付き玄関ドアに近づき、その近辺で逮捕されたと言われている。侵入後まもなく逮捕された男性は42歳のイラク戦争で奉仕した退役軍人オマール·ゴンザレスである。複数の情報筋によると、ゴンザレスは、1997年に陸軍に入隊し6年後に除隊したが、再度2年後に入隊し、2012年12月に身体障害のため退職するまで陸軍の兵士であった。彼は逮捕時に小さなナイフを持っていたと報じるメディアもあれば、何も武器を所持していないと報道したメディアもある。今日連邦裁判に告訴されたが、 ゴンザレスは心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいるので、精神障害の治療を必要としていると彼の親戚は述べている。

22日のワシントン.ポスト によると、ゴンザレスはイラク戦争で3回奉仕し、2012年には辞職と離婚を同時に体験し、PTSDに苦しみ、更にホームレスになっていた。検察官は「雰囲気が崩壊していたので、国民に伝えることができるようアメリカ合衆国大統領に情報が必要だと考えた」とゴンザレスが意味不明の事を言っていたと述べた。つまり、精神的に問題があったことを伝えているが、42歳の退役軍人でホームレスのゴンザレスは、ホワイトハウスのフェンスを飛び越えた後、不法侵入と致命的な武器を保持していたことで起訴された。彼の元妻サマンサ·ベルは「オマールはいい男性です。彼はちょうど幾つかの問題を抱えていて助けを必要としていました。これは助けを求める叫びだと思います」と語ったという。家族や隣人の証言では、彼が妄想的で、誰かが彼を観察している、電話が盗聴されているなど、妙な言動があることに気付いていた。また、かなり長い間鬱に悩まされていて、抗うつ剤や抗不安薬を服用していたと証言した親族の一人は、「薬の服用を止めた疑いがある。そうでなければ、こんな事は起こらなかっただろう」と語ったという。また、ゴンザレスはバグダッドで、爆発装置によって負傷し、彼の足の一部は切断された為身体障害者でもあった。

オバマ大統領は、2007年に大統領候補者となった時から直接的および間接的な暗殺の脅威を体験している。2008年には、大統領に当選したら殺すと公然と宣言した脅迫は数回あり、銃撃による暗殺計画を公表したケースまで加えると、今日まで少なくとも12回以上、暗殺の脅迫を経験している。オバマ氏が直接影響を受けないマイナーな暗殺の脅しは、昨年4月猛毒リシンが混入された手紙が大統領に送付された時である。ホワイトハウスに配送される郵便物は、最初にセキュリティ.チエックによる監視スクリーン.システムがあるためオバマ氏が直接開封することはない。今回オバマ氏と彼の家族は外出していた為安全であったが、ホワイトハウスの侵入者はオバマ氏にとって危険な人物であると言われている。

22日のAP によると、連邦検察官は現在ゴンザレスの身辺を捜査中であるが、連邦捜査官は800以上の弾薬を発見した。弾薬やその他の品目は、ゴンザレスの所有車を調査中に発見された為、大統領にとって危険な人物だと述べた。今日の裁判で、ゴンザレスは不法のショットガンを保持し、この夏以降警察の追跡から逃亡し、既にバージニア州で起訴されていた。7月には、彼の車に強力なライフル銃2挺、拳銃4挺、他の銃と弾薬を積んでいたことが判明した。

シークレットサービスは22日、ホワイトハウスの周辺および大統領官邸の周辺のガードを強化しているが、なぜゴンザレスが簡単に侵入できたのかを調査している。ホワイトハウスの報道官ジァシュ.アーネストは、シークレットサービスの捜査は ホワイトハウスの敷地の内側およびペンシルベニア通り沿いのフェンス.ラインの保護の取り組みの見直し、および人員配置と脅威評価の方針及び手続きが含まれると伝えている。ゴンザレスがホワイトハウスに侵入した動機は、大統領および彼の家族に危害を加える意図があったのか不明であるが 、ゴンザレスは精神異常者、危険人物の両方のイメージが浮かび上がる。

それはさておき、どうして、国に奉仕し、戦争で身体障害者となった退役軍人がホームレスになるほど落ちていくのか疑問である。一つだけ言えることは、退役軍人が生涯経済的に問題なく暮らす為には、20年以上継続的に軍隊に奉仕し、ある程度、高度教育が要求されるランクの昇格が必須である。連邦政府は、戦闘中に身体障害者となった個人に対して障害給付金を支払っている。2013年には550億ドル以上の予算であったと言われている。2012年の労働省統計局によると、イラクとアフガン戦争に奉仕した約230万人のうち4人中1人は戦争での身体障害者である。身体障害者となった場合、多少の賠償金があったとしても支持する家族がいない人は、肉体的障害に加えて精神障害に陥り、最悪のケースではホームレスになりやすい。ゴンザレスのケースは、最も脆いタイプの退役軍人が充分保護されていないことを示唆している。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。