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国際同盟による軍事行動に発展し、月曜日の夜から開始されたシリアでの空爆は今日で4日目を迎える。イラクでの空爆については、オバマ大統領が機会あるごとに現状を更新して伝えているが、シリアでのイスラム国(ISIS 又はISIL)に対するペンタゴンの戦略は、もっと複雑であると言われていて、ペンタゴンは詳細な情報を公表していない。しかし、イラク及び内戦で壊滅的な状況のシリアでの空爆について、法律的な側面や論争的になっている点も含め、5つの基本的な疑問を提起してみた。

シリアでは誰をターゲットにしているのか?

ペンタゴンの中央指揮本部は、月曜日の午前中までに全ての行動を決定し、その夜最初の空爆がシリアで開始された。国防総省は、アルカイダ関連の施設や ISISの本拠地なども含めて20の場所がターゲットになっていると伝えた。それらの施設は、指揮統制施設、金融施設、武器倉庫、訓練施設などである。空爆手段も大規模であり、無人空爆機、複数の戦闘機ジェット、巡航ミサイルなどが利用されると言われている。24日のワシントン.ポストによると、アルカイダのホラーサーン.グループのリーダーが滞在していた建物が破壊され、少なくともこのグループのリーダーの一人が殺害された。このグループは、米国およびヨーロッパでのテロ計画を企てていたことで米国諜報当局に監視されていた。しかし、当局はアルカイダのホラーサーン.グループのリーダーであるムシン.アル.ファリが殺されたとの報告をまだ確認していないが、ISISに対する「広範な空爆作戦の衝撃」が明白に顕われているビデオを紹介した。ペンタゴンは、今までのところ「かなり効果的である」と伝えている。 ABCニュース によると、ホラーサーン.グループは、ジハード主義派が混入している50人程度の戦士で構成される比較的小規模のアルカイダの団体である。米軍の中央司令部によると、ホラーサーンはアフガニスタンで、「アルカイダの古い中心的なグループ」から台頭した組織である。

ISISの保管設備

空爆に参加しているアラブ諸国はどこの国か?

中東を旅行した国務長官ジョン.ケリーは11日、10カ国のアラブ諸国が積極的な有志国になることを発表した。その中で、空爆に参加している国は5カ国であり、初日の空爆はほとんど米国が実施したとペンタゴンは報告した。米国の空爆に協力しているこの5カ国は、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、バーレーン、アラブ首長国連邦である。ニューヨーク.タイムスによると、これらの国は、今後、シリア北部およびシリア東部での空爆に参加する予定になっている。当然ながら、これらの国が利用する戦闘機または爆撃機はほとんどヨーロッパおよび米国製である。

サウジアラビア

空爆作戦は合法的なのか?

2001年9月14日、議会は軍事力行使認可(AUMF)を通過し、4日後の18日には前大統領のジョージW.ブッシュが署名した。それ以前の例では、彼の父であるジョージH.W.ブッシュ大統領は、議会の合同決議を要求した。議会は「砂漠の嵐」作戦で1990年8月から1991年2月まで続いた湾岸戦争での軍事行動を承認する為、1991年1月に対イラク軍事力行使認可を通過した。 1991年1月8日には国連安保理理事会の承認を要請し、国連安保理決議678が可決したのは1991年1月15日である。しかし、H.W.ブッシュは1990年8月、イラクのクウェート侵攻に反応し、500,000人の軍隊をサウジアラビアとペルシャ湾に派遣した為、議会と国連の承認なしに戦争に突入した。当時、H·W·ブッシュは、最高司令官として軍事力を行使するための議会の承認は不要であると主張した。

オバマ氏も同じく、議会の承認は必要としないと述べているが、シリアでの空爆を決定した際、議会が投票することを提案した。これを受けて議会は今月18日に承認したものの、ロシアが反対している為、国連安保理事会の承認を得ていない。オバマ氏は2001年に認可されたAUMFにより、イラクとシリアでの空爆は合法的であると主張している。批判者は国連安保理事会の承認なしに展開されている空爆は違法であると述べている。又、クレド(CREDO)と呼ばれる社会変改組織は、340万の会員を抱えDemocracy Now!を含むリベラル組織を支援する草の根グループであり、反戦運動を展開している。2012年には莫大な選挙資金を受けた5人のティパーティ共和党議員を敗北に追いやる活動を展開した。この組織は、議会の承認と国連安保理事会の承認が無い限り、イラクとシリアに空爆を許可するべきではないと主張し、両国での空爆反対を呼びかけている。

空爆作戦はどんな点が論争的なのか?

この法的論争に加えて、議会にも反戦派が存在するため最初から論争的である。シリアで空爆を展開するというオバマ政権の計画は、最初昨年に提案されたものであり、リベラル派の著しい反対に直面した。彼らの懸念は、オバマもいずれ強硬派の共和党に押され、兵士を派遣することになり、壊滅的な戦争で莫大な資金と人材を失った前大統領ブッシュと同じ轍を踏むと懸念している。CREDOは「悲しく単純な真理は、どのような介入も米国がひどい状況をさらに悪化させることなく先導することは出来ないということです。そして、紛争のこの時点では、米国が支援可能な国際的又は地域の関係者によって開始された平和と安定のための実行可能なキャンペーンはありません」と述べている。この組織が反対している主な理由は、イラクとシリアでの米国の軍事介入は紛れもない悲惨な結果であったこと、この事実を変えることはできないとの信念に基づいている。二つ目の理由は、イラクとシリアの「宗教的敵対行為は何世紀にも根ざした残忍な紛争」である為「米国のリーダーシップで解決できる問題ではない」と指摘している。

今後の方向性は?

オバマ政権のISIS戦略に対する議会の承認は短期的であるため、議会は中間選挙後、認可更新に関して聴聞会での論議を再開する。空爆も軍事行動の一つであるため、すでにオバマ政権は「ISISとの戦争状態」と呼んでいる。イラクとシリアでの空爆について、共和党は空爆だけでISISを絶滅する目標は「空想」だと批判しているため、兵士派遣の必要性は必然的に提起される。数年間の長期的戦いになることを公表しているオバマ政権に対して、もっと短期的で強力な手段を望むタカ派はブーツス.オン.ザ.グランド(ブーツを履いて地面で戦う兵士 )を押し通す可能性がある。一方、反戦派は既に空爆に反対している為、オバマ政権は両サイドから激しいプレッシャーに直面することは必然的である。少なくとも、兵士を派遣することのプレッシャーに直面するのは時間の問題かも知れない。オバマ氏が執拗に「戦士を派遣しない」と繰り返している理由は、逆説的にはそのような戦略が永続するかを試される状況になることを予期しているためであると思われる。

 

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