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米国内で始めてエボラ感染患者が発見された。テキサス州ダラスに在住するリベリア系アメリカ人男性は、9月26日テキサス州ダラスの病院で診察を受け、エボラの症候があると判定された。本人はリベリアに旅行したと報告したにも関わらず病院は彼を帰宅させたという。その後、子供も含めて約100人がこの患者に接触した可能性がある。特にテキサス州では懸念が広がっているが、現在拡大を防ぐ努力として接触者のモニターが行われている。西アフリカと米国間の飛行を中止するべきかとの疑問提起もあり、米国でエボラが流行する可能性が懸念されている。

トーマス.ダンカンは先月中旬にリベリアを訪問し、当地でエボラに感染した可能性がある。現在、ダラス.ヘルス. プレスビュテリアン病院で治療を受け、彼の家族は自宅内で隔離されている。疾病対策予防センター(CDC)は8月、全国の病院およびクリニックに対して、西アフリカに旅行した人達への対処も含めて包括的なガイドラインを提供したにも関わらず、この患者を解放した為、情報不足などが原因で懸念と批判が錯綜している。この男性は二日後には症状が悪化し、同じ病院に戻ったことが報告された。引き続き検査と治療を受けているが、隔離されるまで外部の人達との交流があったようである。

2日のワシントン.ポストによると、ダンカンに接触した人達も含めて、現在エボラに感染した疑いのあるアメリカ人は皆無である。テキサス州ダラス郡の保健福祉省(HHS)は1日、潜伏期間が経過するまでの安全対策として、また、感染の拡散を防ぐため、ダンカンの家族に自宅待機および 訪問者の面会を遮断することを合法的に命令した。同郡のHHS当局は、この家族および彼に会った一部の人達の血液検査と全ての症状を引き続きモニターしている。ダンカンはこれまで、少なくとも約100人と接触した為、テキサス州で不安が拡大していると伝えられている。テキサス州の知事リック.ペリーは記者会見で、当局は潜在的な拡大を防ぐため対処していることを報告し、「5人は学校に通う年齢の子供達だ。このケースは深刻である。しかし、私たちのシステムは必要に応じて機能していることに安心している」と述べ、この子供達も含めて、接触のあった人物の徴候を検波するためモニターされている状況を報告した。CDCがテキサスに派遣した10人のメンバーは同州および地元当局と連携し、このようなモニターに従事している。航空会社は、ダンカンがリベリアから米国に戻った9月20日、リベリアからブリュッセルに向かい、そこからユナイテッド航空便951に搭乗し、ワシントンのダレス国際空港でダラスまでの822便に乗り継いだが、彼はその数日後まで症候はなかったため乗客への危険性がなかったと発表した。

米政府は現在航空の制限または禁止を命令していない。この報告を受けて、米国の航空機は西アフリカと米国間の飛行を中止するべきかという疑問が提起されている。1日のワシントン.ポストによると、「エボラ被災国からの空の旅」を制限または禁止しているのはケニア航空、ブリティッシュ.エアウェイズ、エア.コートジボワール、ナイジェリアのアリク.エアなど、アフリカ諸国が目立っている。しかし、ケニア航空とエア.コートジボワールは「エボラ便」と呼ばれる一部の便を今月再開する予定である。他の航空会社は西アフリカの領域への飛行を大幅に減少している。それらの幾つかの便は、現地に出入する援助関係者や政府関係者のために飛行しているという。この状況は、感染した人も空の旅行ができる状態であり、機内の乗客や乗務員に感染し、ウイルスが蔓延する危険性があるとの懸念が広がっている。

しかし、国連は航空機の限定または禁止は、世界の関係者がエボラと戦う努力を妨げるため、問題を悪化させるだけで解決にはならないと指摘している。 なぜなら、航空会社の飛行限定はエボラ感染原因とは無関係であるからだ。エボラ.ウイルスは感染者の唾液、糞便、尿、血液、嘔吐物、精液などの体液による直接的接触を介して伝染し、空気を介して伝送されないので、エボラより風邪を引く可能性の方がもっと高いという。国連の担当者は「それ(飛行禁止や制限)はエボラ.ウイルス病の感染を制御するための最適な尺度ではない」と述べ、 「その対策はウイルスが人と人との間を通過する方法について知られていることを反映していない」と指摘した。

これらの指摘に加え、西アフリカと米国は様々な点で異なる為、米国でエボラ感染者が発見されたことを極度に懸念する必要はないと思う。現在 3,700人の子供がエボラ感染で家族を失い孤児になったと報告されている西アフリカと米国は顕著な違いがある。米国には隔離施設を装備した感染専門の病院が多数あり、感染の専門家が多数揃っていることなどを含め、適切な公共衛生保健インフラが整備されている。更に極端に異なる点は、米国多数のバイオテクノロジー およびバイオ医療関連機関は、様々な感染試薬を開発中または開発していて、抗生物質が利用できるため早急に対処することが可能である。また米国の医療システムは質が高く管理が適切であるため、米国で流行する可能性は極めて低いと言われている。現在ダンカンに接触した人達が感染し、そこから拡大する可能性はないかとの疑問に対して、CDCはこの可能性が全くないとは言っていない。しかし、エボラは空気中で感染することはない為、彼に会った人達に何らかの症状が出ている可能性を否定している。CDCは拡大を防ぐため、そのような人物を見つけることに集中し、米国内で感染が発見された最初の人物に接触した人達を追跡している状況である。

注:米国人として最初のエボラ感染患者に認定されたケント.ブラントリ医師および宣教師のナンシー.ライトボル氏は、リベリアの医療施設で任務中に感染したことが当地で発見された為、メディアは米国内で最初に発見されたトーマス.ダンカン氏とは区別し、ダンカン氏を米国で始めて発見されたエボラ感染者であると表現している。

 

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