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今年上半期までには30以上の州が有権者ID法を定めているが、8日に米政府調査機関(GAO)は2008年以前の投票参加率に焦点をあてた他の10の研究も含めて、2008年から2012年の総選挙で有権者ID法が及ぼす影響を調査した結果を発表した。この法律が厳しい州では、特定の人口層の投票参加率が減少したことが判明した。

GAOによると、全米で17州が写真ID及びまたは政府が発行したIDを投票場で提示する必要がある。投票登録者が運転免許証または州が発行するIDを所有している率は84%から95%である。投票登録者が投票に有効なIDを所持している白人は推定85%、黒人は81%である。運転免許証の直接的費用の範囲は$14.50から$58.50である。GAOは2008年および2012年の総選挙で最も厳しい有権者ID法の条件を設定したカンザスとテネシー州を有権者ID法が厳しくなかったアラバマ、アーカンソー、デルウェア、メイン州と比較した。

この調査で判明したことは(1)2008年と2012年の総選挙でカンザスとテネシーの2つの州はアラバマ、アーカンソー、デルウェア、メインの4つの州と比較した場合、カンザスとテネシー州では投票参加率が著しく減少した。カンザス州ではその投票参加率の減少は推定1.9%から2.2%ポイント以上であり、テネシーでは推定2.2%から3.2%ポイント以上投票参加率が減少した。(2)年齢、教育水準、人種、性別に影響があることが判明した。(3)アジア系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人の投票登録者は、白人の投票登録者に比較して投票参加が一貫して減少した証拠はない。しかし、黒人の投票参加率はどの人種より減少した。(4)投票参加率が最も減少した年齢層は18歳から23歳であり、44歳から53歳の人口層より著しい減少があった。(5)他の10 のうち5つの研究では、2008年以前の有権者ID法は統計的に投票参加に著しい影響はなかった。これとは対照的に4つの研究では、有権者ID法は投票参加率を減少させ、1つの研究では統計的に投票参加率が著しく上昇した。

黒人および若い世代には民主党支持者が圧倒的に多いことが一般的に知られている。GAOの調査結果は、カンザス州とテネシー州で18歳から23歳、および黒人の有権者に不利であることが明らかになった。有権者ID法の規定は州によって異なるが、運転免許証と州政府が発行するIDが最も共通したフォームである。写真IDには運転免許証、学生証、住民登録証、退役軍人証など、米国市民ではなくても入手可能な種類のカードが沢山ある為、場合によっては、カンザスや他複数の州のように、投票登録において誕生証明や他の書類を要求し、投票場で写真IDを提示することを要求する州もある。そのようなケースでは特に、別の州から移転した学生や市民には著しく面倒で困難である。有効な有権者IDを作成する費用に$60も支出できない人達もいる為、投票を放棄する結果になる。わざわざ投票を困難にする非民主的な有権者ID法の提唱者は、一貫して不正投票を防止するためであると主張していて、ほぼ共和党が推進している。不正投票は過去10年間で非常にマイナーであると認識されている為、共和党が厳しい有権者ID法を推進している理由について、多くの民主党議員は、民主党支持者の投票参加を減少させることが隠れた目的であると簡単明瞭な批判をしている。 憲法に基づき、全ての有権者が平等に投票できる状況であるか否かはまだ議論の余地があることを示唆した調査である。

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