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西アフリカのエボラ蔓延には地域的パターンがあると言われているが、特にその被災国と言われているリベリア、ギニア、シエラ.レオンには歴史、地形、文化的な幾つかの共通点がある。現場の状況を良く知る国際問題の専門家は、これらの国の文化的習慣や最悪な公共衛生システムについて言及し、感染のデーターは過小評価されている可能性があると指摘している。また、世界的に蔓延する可能性を懸念し、それがどのように拡大するのか語っている。国際調査機関は、西アフリカの幾つかのエボラ被災国で賄賂が世界的に高いことを報告している。更に、問題に対処する能力のない政府はエボラ感染を拡大している可能性があり、政府の腐敗と蔓延しているエボラとは何らかの直接的な関連性があることを示唆する報告がある。

歴史的には、これらの国は近年の内戦によって崩壊した国である。リベリアは1989から1996年まで最初のリベリア戦争があり、1999年から2003年まで二回目の内戦があった。ギニアは2013年の2月、3月、7月に反政府との暴力的な政治的衝突があり、多数の人達が死亡した。シエラ.レオンは1982年に政治的紛争があり、1991年3月から2002年1月まで内戦があった。従って、貧困が蔓延し、壊滅的な戦争から復興する前に致命的なエボラに直面した悲惨な国である。宗教、風習、および習慣など文化的な共通点もある。テキサス工科大学の国際問題専門家であり、副学長であるティボァ.ネギー氏は、1996年から1999年までギニアの米国大使、1999年から2002年までエチオピアの米国大使を務めた経験から、これらの国は森林地帯で民族グループが集中し、幾人かのキリスト教およびイスラム教の信者が混在していると述べている。医学的思想は原始的で、西洋の医学より魔術的医者を信用している人口層が多く、エボラの伝染源であると信じられているコウモリを含む叢林食を珍味として食べる人が多いと述べた。また、医学および公共衛生に関しては更に悲惨であり、医薬品、医療品、医療従事者は不足し、100,000人に対して1人の医師が存在するだけである。医療施設は米国や他の先進国には想像にも及ばないほど設備は不足し、ほとんど水道水の設備がなく、インフラも進んでいないため非衛生的である。従って、エボラが流行しているこれらの国で、特に田舎の医療施設で治療を受けている患者はほとんど回復できる状況ではないと指摘した。

また、政府に対する信頼性もなく人種間の団結も無い。これらの国の政府は自国の人達を世話する能力がないだけでなく、エボラ感染者を組織的に追跡し記録する責任感も能力もない。従って、ネギー氏は最近公表されている感染者と死亡者のデーターは過小評価されている可能性があると述べている。また、隣接するマリ、コートジボワール、その他の国にも感染が拡大している可能性があるが、公式に認識されていない。一握りの死者が報告されているナイジェリアの感染はマイナーであるため包囲可能であると言われているが、報告されている数字は過小評価されている可能性があると指摘。ナイジェリアで最も人口が多いラゴスは「混雑した商業地」の都市あり、アトランタやヒューストンを含めて、世界の各地から空と海の両方の直行便による国際輸送の最も忙しい活動の中心地である。また、エボラはラゴスから石油の中心地であり、世界中の労働者が出入りするハーコート.ポートに移動する。将来、ラゴスからアフリカの二つの主要都市であるエチオピアの首都アディス.アベバ及びケニアの首都ナイロビに移動し、エチオピアとケニア航空は、中東、中国、インド、欧州、北米へのルートを持つ世界トップ.クラスの航空会社である為、世界中に蔓延することを恐れていると述べている。

世界107カ国の住民を対象に調査したTransparency.International(TI)によると、4人に1人が過去12ヶ月間に何らかの賄賂を支払ったと報告している。賄賂をした人口層が最も高い国はリベリアとシエラ.レオンであり、この期間に75%以上が国又は地域の警察、司法、登記、土地、医療、教育、税金、公益事業サービスのいずれかに賄賂を支払っている。これは、医療を含む基本的なサービスなどを受けるために必要な出費の一つになっていて、賄賂を支払う余裕があるからではなく、生存の手段である。そのような観点から世界で腐敗が著しい国に、これらのエボラ被災国が含まれている。政党が腐敗していると答えた国が最も多く、107カ国中51カ国である。次に警察が腐敗していると答えた国は36カ国で2番名に高く、リベリアとシエラ.レオンはこの中に含まれている。この調査は、政治家が腐敗していることを国民が認識している 世界的な現象を報告している。

シエラ.レオンでは政府当局の著しい惰性を示唆した現状が報告されている。感染を防ぐ懸命な努力が感じられないばかりか、他国の善意に対して感謝さえ表明していない。10月5日のニューヨーク.タイムス(NYT)はそのような政府の事情を描写している。ある米国の個人と機関はエボラの被災地に不足している手袋、マスク、ガウン、マットレス、担架など14万ドル相当の医療品をシエラ.レオンに寄付した。しかし、米国から輸送された100ケースの保護用スーツ、80ケースの保護マスクなどの医療用具が入ったコンテナは8月9日からフリータウンの波止場に放置されたままになっている。その理由は、この波止場から被災地に直接発送する出荷費用の支払いをシエラ.レオン政府が拒否しているからである。

この波止場で出荷を担当しているチェノー.アルファ.バー氏は、$6,500の出荷費用は政府が現金で受け取った$4,000万の寄付に比べると微々たる金額だと言っている。バー氏は8月16日、政府に「支払いを頂ければ直接被災地に送ることが出来るので感謝します」との手紙を送ったという。また、輸送会社は、危機時の善意で送料の支払いを受ける前に輸送することに同意し、最初のコンテナを発送したが、同じような価値がある他の3つのコンテナは、引き続き未払いのまま輸送できないと説明している。このような医療品が不足している被災国の政府は、本来なら喜んで受け入れるはずであるが、バー氏は、シエラ.レオン政府は物質より現金だけをほしがっていると述べた。当地で埋葬された医療従事者の一人は穴があいた医療用ガウンを着用していた為、波止場に放置されている医療用具は役立つものばかりであることを示唆している。しかし、政府高官は輸送費に異論を唱え、「 認可なしに輸送している」と苦情を述べ、適切な手続きを踏まえていないと批判したという。バー氏は「彼らは現金の寄付だけに関心があることは明らかである。我々は寄付された供給品を預かっている状態だ」と語ったという。

NYTによると、シエラ.レオンの一部の人達は、このような政府の態度が他の寄付者を失望させると言っている。カナダに住むシエラ.レオン出身のイブラヒム·カマラ氏も$55,000相当の医療用具の寄付があるが、政府は$5,000ドルの輸送費を拒否している為、現在同じ問題に直面している。カマラ氏は「政府から肯定的な反応も、フィードバックも何もない。既に1ヶ月以上になる」と言っている。 この政府の役人達はほとんど全員が腐敗している。緊急オペレーション.センターはすでに設立されたが、エボラと戦う努力をしている機関と国際援助グループとの繋ぎ合わせのような仕事に混乱があり、保健当局自体が腐敗し、最近のスキャンダルの不始末で動揺している。エボラが流行する前から10年間の悲惨な内戦後、世界で最悪のエボラの感染状況に直面している。2010年には、元保健大臣が汚職容疑で有罪判決を受けた。昨年29人の保健当局の高官は50万ドルの横領で起訴されたが、複数の指導者は無罪になった。外国の援助によって設定された無料のヘルス.ケア.プログラムは看護師が不法に薬を販売し、医者は不法の業務を行うなど腐敗問題でダメージを受けた。

そのような状況下で、疾病対策予防センター(CDC)は同国でのエボラ感染率は30〜40日間毎に2倍になっていると報告した。現在620人以上の死亡が記録されているが、実際の数値はもっと多いはずだとNYTも推測している。現在、エボラ被災国では、CDC 、WHO、非政府組織(NGO)などの国際機関、及びボランティアなどが長期的になる可能性がある戦いに参加している。これは影響を受けている政府がエボラの撲滅キャンペーンに積極的であるかどうか次第である。TIは、政治の腐敗と社会が荒廃した国の指導者は、基本的に問題を解決する能力がない事を世界の国民は認識していると伝えている。 シエラ.レオン政府当局は、被災国に同情し善意を示す世界各地の寄付者にさえ丁寧に対応する能力に欠け、堕落と腐敗による混沌たる状況がエボラを阻止する事より拡大する要因になっていると思われる現実がある。ネギー氏が懸念しているような最悪の蔓延を防ぐため、国際チームは西アフリカのエボラ被災国で戦っているが、どこまで腐敗している国のリーダー達を信頼できるのか不明である。

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