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オバマ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)を促進する為、4月に日本を含む幾つかのアジア国を訪問したがほとんど成功していない。日米二カ国間の交渉は最終段階を迎えていると言われているが、20日から日本を訪問している米国商務省のペニー.プリツカー長官は日本がTPP を通して市場を大胆に開放することを求め、米国企業の代表団を伴い引き続き交渉を展開している。過去のTPP交渉では、特に農産物の分野で進まない要因があったが、今回早期妥結に向け努力する双方の意志が確認されている。

プリツカー長官は5日間の予定で日本と韓国を訪問し、特に日本では医療産業とエネルギー部門のビジネス増大を促すため交渉を展開している。日本時間20日は米国大使のキャロライン.ケネディと共に日本のリーダー達と会談したようである。安倍首相との会談では、米国は日本とビジネス.パートナーシップを築くことに熱意がある事を伝え、特に医療とエネルギー産業を強化する改革を促すと同時にTPP交渉の機会を開いた安倍首相に感謝を伝えた。その後、日本の厚生労働大臣との会談において、医療機器や医薬品分野の継続的な協力の必要性を強調し、エボラに対応するためワクチンの開発に取り組んでいる日本の努力に感謝した。

日本は、米国への直接投資が世界で二番目に大きく、第4位の貿易相手国である。オバマ政権のTPPの目標は日本と韓国を含む12カ国(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム)と貿易協定を結ぶことであり、日米両国がお互いに輸出を増大すれば、数十億の経済的利益があると見込んでいる。今回、最大手の先端医療技術を専門とする大企業であるカーギル社とダウ.ケミカル社、及びオレゴンLNGなどのエネルギー企業を含む20社のCEOは、プリツカー長官の最初のアジア訪問による商取引の貿易使節団として参加する為、それぞれ数千ドルを支払ったという。プリツカー長官は、日本が外国企業に市場を開くことが可能な方法として、年次3,000億ドルの医療産業市場に関する貿易交渉を議論した。また、オバマ大統領と安倍首相が両国の交渉の機会を築いたと述べ、経済協力関係に前向きな安倍首相に敬意を表明した。

プリツカー長官の日本訪問は、TPPの交渉が漠然とした状態になっている日本に大胆な市場開放を求める為であるが、 4月オバマ氏が日本を訪問した目的と同じであり、基本的には主なアジアの経済中心国である日本と韓国に米国製品の輸出を増大することで米国企業のビジネスを促進する為である。商務省によると、プリツカー長官はピーターソン研究所の研究を引用し、TPPによる日本の年間GDP利得は2025年に推定千億ドル、日本にとって輸出の利益は2025年までに推定1,400億ドル、米国にとってTPPの実質所得の利益は年間770億ドル、更に米国輸出に付加的な1,235億ドルの利益があるとしてTPPの経済的メリットを強調し、外交政策と貿易政策は密接にリンクしていると述べた。米国は輸出倍増計画を掲げている為「関税を削減し、貿易規則を設定した協定」に基づいて、「未来の広大な環太平洋地域の自由貿易構造」を目指している。

しかし、TPPの批判家は「交渉が秘密主義であり、労働者と消費者の利益よりも多国籍大企業の利益に有利に働く可能性がある」と指摘している。韓国と同様、日本は天然資源が不足しているので需要を満たすため、長年エネルギー資源を輸入に依存している為、米国側はエネルギーの分野では貿易使節団の交渉力次第で、ある程度の交渉は進むとの期待があるようだ。米国は過去に、農産物と自動車の分野での自由貿易市場の開放を求め、農家を保護するための措置である農作物輸入の関税を減少することを要請したが、日本は5月に米、牛、豚肉など幾つかの品目については非関税に合意しない方針を表明した。TPPが成立すると、小規模の農家は農産物の国際価格競争に対応できない懸念がある為、常に攻防的な農作物の分野では広範な自由貿易協定を結ぶことには限界があるようだ。農産物の輸入による市場拡大が不可能であれば、日本はTPPから脱却することや、一部政治的利害が絡む日本の農業の現状を改革する必要があるとの意見もある。いずれにしても、日米二国間のTPP交渉は最終段階に入っている現在、オバマ氏と安倍首相はプリツカー長官が日本に到着する数日前電話会談を行い、早期妥結に向けて引き続き前向きに取り組むことを確認したと伝えられている。

 

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