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共和党は、2014年の中間選挙で記録的な大勝利を得た。5日東部時間 18:00の時点で、上院議席は民主党が45、共和党が52で3議席が未決定である。下院では民主党が180議席、共和党が243議席と増え続けている。知事選で勝利した民主党は17人、共和党は31人である。総体的に共和党が圧倒的に勝利した中間選挙結果には皮肉な側面や教訓も含めて、幾つかの要因がある。機能不全の現状で、今後の議会内の動向やオバマ大統領と議会の関係に何を期待できるのか?

民主党が惨敗した主な要因は、有権者がオバマ大統領と民主党の政策に不満を抱いていた為であると思われるが、他にも幾つかの理由が考えられる。単純な要因は、予測どおり民主党に投票する傾向が強い若い世代、少数派有権者の投票参加率が劇的に低かった為である。それとは逆に、最も投票に熱心な高齢者の投票参加率が2010年の中間選挙より多かった事である。投票参加率の高い高齢者は大多数が白人で共和党支持者であるが、今年は特に65歳以上の投票率が高かったという。これはヒスパニックの人口が増えていて人口動態的な変化も要因であるが、ブッシュ政権やクリントン政権時代に比較してオバマ政権下では白人の民主党支持は減少している。逆説的に、投票率の高い白人高齢者が投票に与えた影響力は強力であった。また、女性は今回も圧倒的に民主党に投票したが、今年は幾分減少ぎみであったと報告されている。ヒスパニック系アメリカ人もほとんど民主党に投票したが、2012年の大統領選より、特に若い世代の投票参加率は減少したはずである。更に、前回民主党に投票したが、失望した民主党の支持者が共和党に投票した可能性もある。

選挙で最も重要な課題は経済であるが、大半の州の有権者は彼らの経済状況に満足していなかったことが今回の選挙結果で判明した。10人中7は、米国の経済状況に満足しておらず「乏しいか又は良くない」と感じている。しかし、その経済の側面から候補者を見極める面に関しては、一部の有権者はどこか一貫性がない状況も明白に顕われている。その最も顕著な皮肉は、アラスカ、アーカンソー、サウス.ダコタ、ネブラスカの4州で最低賃金を課題に取り上げ、州民は引き上げを支持しているが、メリーランド出身の民主党議会選挙委員会の議長であるクリス.ホーレン氏は今朝のニュース番組のインタービューで、これらの州の共和党議員達は最低賃金引き上げに反対したと述べている。経済に満足していないので賃金の引き上げを希望しながら、賃金引き上げおよびオバマ氏の学生ローンの緩和政策に反対した共和党議員を再選させたことは驚きの皮肉であり、これは一部の有権者に一貫性がなかった事を示唆している。

今後の動向について重要な事は、2014年の中間選挙の議席は2年間維持するのみである。2016年の大統領選挙では、総選挙が行われ、上院では今年より1議席増え、34議席が再度入れ替わる。下院では435議席全ての議員が再選に直面する。これに加えて、2012年の大統領選挙でオバマ氏が投票を集めた若い世代、少数派、女性の声が今回反映していない為、2014年の中間選挙結果は2016年の大統領選の延長線ではない。新議会は2015年1月から開始するが、現在のメンバーはその時まで任務を遂行することが規則である。新議会がスタートすると、両院の各党のメンバーはそれぞれリーダーを選出する党内選挙を実施する。上院の場合、ミッチ.マコーネルが事実上本格的な法的紛争に直面しない限り、多数派リーダーとして選出される可能性が高く、多数派リーダーであったハリー.リードが少数派リーダーになる可能性がある。下院では、現在共和党多数派のリーダーであるジョン.ベイナーが引き続き多数派リーダーとして、 民主党少数派のリーダーであるナンシー.ペロシが再選される可能性がある 。

今回の選挙結果は、国民は政党に固執せず、政策にこだわり投票する傾向があることを明白にした。特に経済に満足しない場合、選挙で大統領側の党に厳しい罰を与えると言われていた事が的中した強烈な教訓を与えた。共和党は公約に関する発言に関しては慎重であるが、今後2年間で、有権者に公約した事を実行しない場合、2016年の大統領選では共和党が大幅に議席を失う結果になる。共和党が極右派を制覇し、議会の行き詰まりを改善できるかどうかは、2016年の重要な要素になる。

しかし、オバマ氏在職中の最後の2年間、共和党と大統領の間で、および共和党内で続いている行き詰まりによる機能不全が改善するかどうかは不明である。大統領は、東部時間午後4時から開催された記者会見で、共和党と協力する意志があることを表明し、税制改革を含む幾つかの分野で妥協出来ることがあると語ったが、やるべき事に取り組む時であると述べ、移民問題に関しては「待たない」と警告した。移民改革は共和党にとって、妥協に達することが難解な課題である。大統領記者会見の1時間前に開催されたケンタッキー州ルイビルでの記者会見で、マコーネルは大統領に対して、協力と妥協の意志があると表明し、共和党に投票した国民が議会の機能不全の問題に我々が「何もしないことを望んでいるとは思わない」と語った。双方が党派的イデオロギーばかりを主張し、妥協できる政策を真剣に模索しない限り、機能不全は解決しない。共和党は、党内派閥の要因になっている極右派もコントロールし、政府閉鎖を主張するような無謀なティーパーティ議員を制覇する必要がある。

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