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医療任務の為、最近アフリカのケニアを旅行したケンタッキー州ルイビルにあるカトリック学校の教師は、住民のエボラに対するパラノイヤ(妄想)に直面し、学校を引退しなくてはならない事態に追い込まれた。この学校で宗教専門の教師であり登録看護婦であったスーザン·シャーマンは引退した整形外科医の夫と東部アフリカのケニアに4回旅行した為、彼女は学校の子供達がエボラに晒されるのではないかとの両親らの強烈な反応に直面した。ケニアから帰国したシャーマン対して、学校当局は彼女に21日間の予防休暇を取り、医師から健康診断書を取得するよう要請した。しかし、彼女は21日間の休暇を取る代わりに退職した。彼女の夫はルイビルの大司教区に書簡を送り「一部の両親と職員は、真実と理性より根拠のない恐怖」に脅えているとの苦情を表明した。また、夫妻はアフリカでの任務についての説明会を開催することを申し出たが、その説明会は隔離期間が終るまで延期された。

この報道は、米国の一部の人達のエボラに対するパラノイヤは無知が主要因であることを示唆している。アフリカは、日本の8倍の面積、中国、インド、アメリカ全土、西部ヨーロッパをすべて合わせても幾分アフリカの方が大きいほどはるかに広大であり、エボラ被災地西アフリカのリベリア、ギニア、シエラ.レオンの距離からは気が遠くなるほど離れている。更に、疾病対策予防センター(CDC)は先月までほぼ毎日、被災国と米国でのエボラの現状を説明し、エボラ.ウイルスは感染者の体液に直接触れた時に感染し、インフルエンザのように大気中で感染するものではないことを繰り返し伝えているにも関わらず、現在でもパラノイヤはまだ解消していない。

公衆衛生保健の問題で、国民の間に妄想的な恐怖が拡大し、過剰反応によるパニックとヒステリック状態に陥った歴史がある。5日のNew England Journal of MedicineNEJM)によると、第一次世界大戦時は梅毒や淋病が怖い病気で、チェンバレン.カーン法により、病気が疑われた20,000人の女性は、連邦政府によって隔離された。最近の例では1980年代にエイズが流行した時、米国民はパニックに陥った。最近のエボラのパラノイヤは「1980年代にエイズが流行した時代の非常に悪い思い出を回想させる」と述べている。西アフリカのエボラの最前線で闘っている医療従事者が米国に帰国することに対する反応、科学的無知と妄想による混乱、政治家やメディアによる恐怖の煽動、全ての階級の人々による恐怖から起こる疑惑は、全て1980年代のエイズが出現した時の反応を連想させると述べている。致命的な病気が出現した時は、誇大妄想に陥り、政治家やメディアが過剰反応し、無理な政策を打ち出し、病気に感染した人は異常な差別を受けている同じパターンがあるとして、科学者は致命的な病気が流行した時の米国人の反応は、歴史的に変化がないことを指摘している。

例えば、様々な政治家はHIV検査で陽性になった人に隔離を要求し、ニューヨーク.タイムスの論説者ウィリアム.バックリーは「エイズに感染した人は誰でも入れ墨をしなければならない」と書いた。カリフォルニア州はエイズ隔離投票があり、多数の州は条件付きの隔離措置を提案または可決した。そのような措置が頻繁に使用されることはなく、当時はパートナーや他人にHIVを暴露またはウイルスを伝染させた可能性がある人々に刑法を適用する法律があり、2008年と2013年の期間に少なくとも180人が告発された。1980年代及び1990年代、HIV-AIDSの患者は雇用や住宅を失った事も含めて辛辣な差別に直面した。暴行や殺人を含むあからさまな暴力も発生し、複数のHIV陽性の子供は学校から閉め出された事件もある。フロリダ州のアルカディアとインディアナ州ココモで発生したこのような2例の事件は全国的な注目を集めた。

NEJMの科学者は、過去の異常な反応と、テキサス州のダラスで最初にエボラが発見された患者が死亡した後、彼を世話した看護婦2名が感染した事に政治家が反応した現在の状況は、政治的側面で共通点があると述べている。複数の州は、西アフリカから帰国する医療従事者をほぼ強制的に隔離することを決定した為、CDCのガイドラインに矛盾しているとして、著名な科学者や医療機関は批判していると述べている。 また「現在、米国では何人がエボラの隔離下にいるのか査定は困難であるが、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、ジョージア、カリフォルニア、メイン、ルイジアナ、ワシントンDC、イリノイ、フロリダなど多数の州がそのような措置を合法化した。コネチカット州では最近9人が隔離されているが、書類上の証拠によるとエボラ患者に露出した人は一人もいないと指摘している。

1980年代および1990年代、エイズ活動家はニューヨーク市でエイズ患者の隔離に反対しデモ抗議を行った。先月末、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット州で政府のエボラ隔離措置に反対するデモ抗議が行われた。彼らは、隔離基準の科学的根拠が欠如し、流行と闘っているエボラ被災国から帰国するボランティアの医療従事者に不必要な制限をし、エボラの症状がない人も地域社会に危険であるとの誤った公衆衛生保健のメッセージを送り、アフリカでエボラ患者を世話した医療従事者に適用するその矛盾したエボラ隔離措置に対して抗議した。それらの措置は科学的証拠を拒絶し、事実無根の主張をし、CDCおよび国立衛生研究所の信頼性と権威を損なうことで、迅速かつ効率的に対応する米国の能力を損ない、将来の公衆保健上の脅威に深刻なダメージを与えるリスクがあると批判している。エボラ蔓延との闘いは、50州が党派政治の支配下でそれぞれ異なる指示をすることではなく、国の調整とリーダーシップが必要であると述べ、隔離は各州が独自に決める問題ではないことを指摘した。

また、「HIV陽性で生き延びた全ての人達は医療従事者への深い感謝の借りがある」とし、もし、ゲイや薬物使用者を含め「この国で最も疎外された集団の一部を治療する為、この疫病と戦った彼らの寛大さと情熱およびその意欲がなかったら、今日誰も生きていないだろう」と述べ、現在、西アフリカで戦っている医療従事者が冷淡な待遇を受けていることに憤りを表明した。1980年代最も致命的な病気と言われたエイズの流行でパニックに陥り、30年後の今日メディアと政治家によるエボラのパラノイヤが要因でニューヨーク、ニュージャージー州で始まった隔離措置は他多数の州に拡大した。公衆保健問題で、過去と同じような反応が繰り返されることは「科学者にとって、治療法を発見するため証拠を基本にした実践が非常に困難になる」ことを訴えている。

最近、差別的な待遇を受けている医療従事者はシャーマンだけではない。シエラ.レオンで医療従事者として貢献するため、医者を援助していたケイシー.ヒコックスはエボラの症状がなく、感染はしていないにも関わらず、帰国後メイン州で隔離に直面した為告訴した。10月末メイン州の裁判官は、公衆衛生保健の重要性に加えて、隔離のような個人の自由の拘束には可能な限りの限度がなくてはならないことを強調し、医学的確証がないことを理由にヒコックスの隔離は不要であると判定した。エボラも中間選挙の課題の一つであったが、ヒコックスのボーイフレンドは4日の投票日ABCニュースに、二人が月曜日に不在者投票したことを伝え、誰を投票したかは想像できるでしょうと語った。彼の問いかけは、真実と理性に欠け、科学的根拠のない隔離措置を素早く制定するような政治家には投票しなかったことを示唆している。

エボラのヒステリックな反応がピークに達した先月、共和党のある議員は「エボラに感染したISISが米国の国境を超え米国人を全員殺す」と馬鹿げた発言をし、一部の政治家はエボラ問題を戦略として利用した。科学者は、ニューヨーク、ニュージャージー州の早急な隔離措置宣言は政治的ポーズであり、科学的根拠は何も無いと指摘し、科学者を怒らせている要因を説明した。10月21日のピュー.リサーチの世論調査によると、41%の国民は「非常に又はある程度エボラは恐怖である」と答えた。この41%の一部は、ヒコックスと彼女のボーイフレンドとは逆の立場であり、エボラ恐怖も共和党の圧倒的な勝利を促進した一因である。パラノイヤに陥っている一部の有権者の真理を利用した一部の政治的妨害は選挙で効力を発揮したのである。

 

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