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1994年11月 8 日は、中間選挙で40年ぶりに初めて共和党が下院で多数派となり、上院でも過半数の議席を獲得し劇的な勝利を果たした日である。メディアはこの大勝利を共和党革命と呼んだ。1993年1月に42代大統領に就任したビル.クリントン政権下で、当時の下院少数派リーダーであったニュート.ギングリッチはこの勝利に重要な役割を果たした。2014年11月4日の中間選挙は、ちょうど20年前共和党が圧倒的に両院で勝利した中間選挙を回想させる。

1994年の中間選挙で、共和党は下院で54議席、上院で8議席を増やし、圧倒的な勝利を達成した。ギングリッチは「アメリカとの契約」の大義名分の下に、1994年11月の選挙で、もし下院が多数派になった場合、10ポイントの法律制定プログラムを遂行すると宣言した。共和党革命は、共和党に強力な支配権を与え、1995年1月に第104新議会が開始され、民主党多数派の下院議長であったトム.フォーレイはその役目を終えた。フォーレイは冷戦以来、再選に失敗した最初の民主党下院議長であった。

「アメリカとの契約」は、選挙キャンペーン期間にギングリッチおよび他の共和党議員によって作成された誓約書であり、政府のサイズを縮小する、連邦政府の税金を減少する、予算を調整する、企業活動を促進する、福祉プログラムを撤廃するなどの政策を掲げたものである。10ポイント.プログラムは、委員会や職員のメンバーを減少する法案、議会の浪費、不正、乱用など包括的な監査を行う独立した組織を選定する法案などを含めて、少なくとも7つの法案を新議会最初の100日以内に制定することを公約した。クリントン大統領は、両院が通過した多数の法案に拒否権を発動した為、多数の法案は制定に至らなかった。

1990年から91年は不況からの回復が鈍く、失業率は高く、有権者は経済格差に不満を持ち始めた。1992年大統領選のキャンペーン当時、リベラルな社会風潮は衰え、保守派運動が台頭し始めた。2年後、共和党は過去の民主党のレガシーを全て一掃することを平然と公約できる保守的風潮があった。共和党革命は、連邦政府の赤字及びクリントンが健康保険改革を提案した事に対する反応であった。ギングリッチとクリントンとの政策の相違による紛争は1995年と96年に政府閉鎖を招いた。また、20年前は宗教が選挙に与える影響が強く、共和党の大勝利は米国人口の約25%の福音派キリスト教徒が支持した為である。共和党の75%は福音派のキリスト教徒であり、民主党はわずか25%であった。これは1990年代の文化的リベラリズムへの反撃であった。

20年後の今日も同じような風潮がある。オバマ就任1年目までにはティーパーティと呼ばれる極右の保守派が台頭し、政府の縮小、減税、予算のバランスを主張した。2014年11月4日に共和党が再度両院で勝利した政治的背景は、国民が保守化に向かっているからであり、1994年と類似している。当時、ギングリッチを先頭に、共和党は過去40年間の民主党のレガシーを破壊する努力をしたように、現在の共和党、特に極右派は、オバマのレガシーを破棄する機会を狙っている。クリントン政権では共和党内の機能不全はなかった事がオバマ政権との主な相違点であり、これは20年前よりもっと深刻な問題である。

選挙後、オバマ及び共和党リーダー達は協力と妥協を表明しているが、予算、移民法、オバマケア、 ISIS、エボラ政策の全てに至って、大統領、主流派の共和党、極右派は既に衝突の気配を見せている。7日オバマ大統領は、ホワイトハウスで議会の代表者と恒例の昼食会を開催したが、テレビ画面に伝わる雰囲気はこわばっていた。2時間の昼食会による非公式な会話で、大統領はテーブルに全員と並んで座り、米国民は我々が仕事をすることを望み、機能不全にイライラしていると思うと語った。共に協力して仕事を進める意志があると述べ、移民問題について、非合法の移民に課せられているいくつかの制限を緩和したいと語った。また、共和党が移民改正の制定を拒否すれば、大統領令を行使する権利があることを明白にした。下院議長のジョン.ベイナーは、大統領に移民改正の仕事を共和党にさせるよう依頼したが、期限については具体的にせず、大統領令の行使は共和党が移民法に取り組む機会を失うとオバマ氏に警告したと伝えられている。移民改正を6年間待ったオバマ氏の大統領令行使の発言に、共和党リーダー及び他の共和党参加者の表情は曇り、居心地の悪い昼食会の様子が報じられた。最初のスタートから、機能不全の改善は容易ではないことを示唆した。

 

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