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議会で共和党が多数派になった為、オバマ大統領の今後2年間は前途困難になることが予期された通り、大統領は早速共和党、特に極右派ティーパーティ議員の妨害に直面している。テキサス出身の上院ティーパーティ議員テッド.クルーズとその仲間は、移民改正法の大統領令に反応し、不法移民に市民権を与える政策を警告し、オバマ政権の司法長官の指名に関して、議会の承認を得るプロセスで、官僚の任命投票に立ち塞がることを暗示した。両院議会の共和党主流派リーダー達は民主党との協力を表明しているが、議会妨害の危機は続くことを示唆する極右派の言動が目立っている。

大統領は8日ホワイトハウスから、9 月25日に辞職を発表した司法長官エリック.ホルダーの後継者として黒人女性ロレッタ.リンチを指名した。1984年にハーバード大学法学部を卒業し、1990年からニューヨークの米連邦検事事務所で東部地区の麻薬と暴力犯罪事件の起訴に関するキャリアを積んだ。ビル.クリントン大統領に任命され1999年から2001年まで検事総長諮問委員会のメンバーであり、2010年5月にはニューヨーク州東部地区連邦検事に任命された。また、1994年4月に始まったルワンダの大虐殺事件に関して、国際犯罪法廷で知名度の高い容疑者を起訴したこともあり、犯罪に厳しく行動力があり、際立った幅広い経歴を持っている人物であると評価した。

上院ティーパーティ議員のリーダーであるクルーズと他のティーパーティ議員マイク.リーは、オバマ政権の新官僚の指名発表に反応し、オバマ大統領の司法長官任命は簡単なプロセスではないと述べ、場合によっては、任命投票を阻止するとの脅しの合図を送った。上院で議席を失った為、有権者に対してもはや説明の責任は無いので、新議会の移行時期に指名するのではなく、来年新たな議員が揃った新議会で指名するべきであると主張し、上院で多数派となった共和党の支配力を強調する発言をした。クルーズは、議会が彼女を承認するかどうかは「大統領令による恩赦計画が合憲および合法であると信じている」かどうか、彼女の移民法の政策次第であることを暗示し、大統領の官僚や裁判官指名も多数派共和党の党利党略が優先である事を示唆する発言をした。

移民法に関する大統領令を阻止する意志を頻繁に表明しているのはクルーズであり、5日上院議員多数派リーダーのハリー.リードに複数の共和党議員および彼の仲間の署名入り書簡を送り、議会は完全な連邦議会の権力が与えられている事を主張し「不法入国している移民に今年末までに恩赦を与える一方的な行政行動に反対する」と表明した。また、オバマ大統領が「もし彼の脅威を利用するなら、議会に属する権限を適切に行使する必要がある。これは権力分立を回復するため議会による行動を要求する憲法上の危機を生み出す」」と警告した。

移民法に関して、大統領は選挙後、共和党のリーダーに今後長期間待つことは出来ない為、議会が何も行動しない場合、大統領令を発令すると宣言した。これに反応した他の共和党とクルーズは、幾つかの事実を無視している。それには、大統領は共和党の取り組みを長く待った事、多数の主流派共和党は移民法を改正する意志がある事、大統領令を行使するオバマ大統領を告訴すると主張した下院議長ジョン.ベイナーには合理的な理由がなく訴訟に失敗した事、歴代の大統領を含む全ての大統領には大統領令を行使する憲法上の権限が与えられていることなどが含まれる。更に、国民の意志も無視している。世論調査報告によると、ピュー.リサーチ.センターが10月15日に実施した調査で、国民の71%は、不法移民は米国に滞在するべきであると答えている。9月12日から15日に実施されたCBSニュースとニューヨーク.タイムスの合同調査では、50%の国民が不法移民は市民権を取得し、米国に滞在するべきであると答え、滞在は許可するが市民権は得るべきではないと答えた率はわずか13%であった。また、もし議会が移民問題に行動しない場合、オバマは大統領令を行使すべきかとの質問に51%がすべきであると答え、すべきではないと答えた率の43%を上回った。

9月6日、移民法に関する大統領令は選挙後に発表すると公約し、延期を発表した。これに失望した多数のヒスパニックは投票に参加しなかった為、中間選挙の敗北を促進したと報告されている。一方、共和党は移民改正の取り組みを表明しながら、実際にはほとんど行動に移していないという事実を棚に上げ、ベイナーは「引き続き単独で行動しようとしている」と大統領を一方的に批判した。昨年上院で、超党派の包括的な移民改正法案を起草した一人である上院古参のジョン.マケインは、共和党は多数派になりもっとクッションがある為、大統領が単独行動すれば、共和党が移民法に取り組むことがもっと困難になると指摘した。しかし、繰り返し同じことを言い続けるだけで実行が伴わない共和党に苛立っている大統領は、公約のプレッシャーもあるため、7日の昼食会で最初から大統領令を行使することを宣言したと思われる。極右派は、共和党が多数派になった恩恵はティーパーティ議員の勢力に起因すると主張したと言われているが、大統領は、政府閉鎖と同じパータンの戦略を利用し、移民問題を条件に官僚の任命投票をブロックすることを暗示した極右派の挑戦に直面している。移民改正法の通過は、上院で多数派であった時さえ困難であった為、共和党多数派の新議会では益々困難になる危惧感を与えている。しかし、2014年の選挙結果は共和党が大統領を破滅させることだけに集中するか、または政策を重視するかを国民が試す時であると言われている。

 

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