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アフォーダブル.ケア.アクト(AVA)または通称オバマケアの連邦政府の取引市場(HealthCare.gov)は、15日から2年目の加入申し込みの受付を再開した。機能的に問題はなく、昨年に比較すると著しい改善が報告されている。しかし、オバマケアは来年6月、この法律が現状のまま生存するか、または撤廃を主張する一部の共和党が望む通り、それに等しい状況に追い込まれるような死活問題に直面する。その運命の鍵を握るのは米国最高裁である。最悪の判決に直面した場合、死のスパイラルのシナリオが懸念されている。

昨年10月連邦政府の取引市場であるサイトが初めてオープンした時は、ユーザーがコンピューターの機能不全を体験し、最初からつまずきがあった。1年以上経過した今日、15以上の州が運営する医療保険取引市場および地域医療センターでの受付も含めて連邦政府の取引市場は好調であると伝えられている。総体的に機能し、加入手続きの待ち時間もないことが報告され、昨年の著しい技術的問題は解消した。しかし、昨年未加入であった適正者の2,000万人が今年、あるいは来年医療保険に加入するかどうか不明である。毎月支払う保険料の平均価格は全国各地で著しい変化があり、最も人気のあるシルバー計画は、連邦政府の取引市場を利用している(34州中)25州で値上げし、9州で値下げしているというバラツキがある。従って、総体的には5%以上値上げしている状態である。そのような状況で、しかも今年の登録期間はわずか3ヶ月であるため、保健福祉省の長官シルビア·バーウェルは消費者に迅速な行動を促している。現在、バージニア州北部のプリンス.ウィリアム郡は比較的多数の住民が医療保険に加入していないという。バーウェルは、15日午前1時にオープンしてから最初の8時間以内に全国で約23,000人が医療保険加入の申請を完了したと発表した。深刻なコンピューターの問題があった昨年、初日に加入できたのはわずか6人であったことに比較すると著しい進歩である。

医療費も含めて、まだ完璧ではないオバマケアであるが、最初の数年は値上げが予期されている通りである。しかし、加入者の増大に伴い、数年後には保険料はかなり安くなることが ACA本来の目的である。今年は、加入手続きが大幅に改善したことが報告されている現状であるが、最高裁は約10日前、オバマ大統領署名の医療保険改正法であるACAまたはオバマケアの死活問題と言える重大な決定を下す2つの判例の聴聞を受ける決定をした。これらの判例はいずれもACA下で連邦政府が運営する保険市場を通して、医療保険を受けている個人が受けている助成金による税控除の受益は合法的であるかどうかを決めるものである。

11月7日最高裁は、7月 22日のD.C巡回米国控訴裁判所のケースであるハルビッグ対バーウェル および第4巡回米国控訴裁判所のキング対バーウェルのオバマケアの助成金に関する2つの判例ついて聴聞する決定を下した。最高裁は来年3月に聴聞を行い、6月末までに決定する。3月25日に行われたD.C巡回米国控訴裁判所の聴聞で原告は、ACAは州が運営する取引市場および連邦政府が促進する取引市場を通して、医療保険を購入する個人にIRSが税控除を許可することを認可しているが、IRSは助成金を許可する法的権利はないと主張した。5月14日に聴聞が行われた第4巡回米国控訴裁判所の判例による原告の主張は、税控除は州が設定した医療保険市場のみに適用され、連邦政府が運営する交換取引市場を利用している34州には適用されないと主張した。これら2つの判例の主な論点は、オバマケアは州が運営する取引所で医療保険を購入する消費者のみに助成金の支給を限定し、連邦政府の取引所で購入した34州の700万人には禁止するか否かである。前者の判例でD.C巡回米国控訴裁判所は原告側を支持し、後者の判例で第4巡回米国控訴裁判所は原告の主張を却下した。

来年これらの二つの裁判所の判定の違いを検討する米国最高裁は、D.C巡回米国控訴裁判所の判定を保持するかまたは第4巡回米国控訴裁判所の意見を保持するかいずれを決定することになる。最高裁がもし、助成金は州のみに限定すると判定した場合、ACAは、連邦および州の取引市場に関係なく、連邦貧困レベル400%以下の収入の所帯に助成金を税控除として支給している為、2016年には361億ドルを受ける730万人のアメリカ人は医療保険を失うか、または、保険加入者が減少することで医療保険料は高騰し続け、300%以上増加すると予測されている。従って、高い医療保険を購入する余裕がなく、しかも重篤な病気を抱えているアメリカ人は死亡するという最悪な状況になることが予測されている。このような悪循環を死のスパイラル(Death Spiral)と呼ばれている。オバマケアに加入した為、生存したという体験例は既に多数報告されている。

現在、ACA下で医療保険を購入している85%以上の国民は助成金による税控除を受けている。最高裁は、税金の助成金がオバマケアの「経済モデルに必要不可欠」であるかどうかを決定する。助成金を完全に否定するかまたは完全に保持するかのどちらかの決定をする可能性もある為、死のスパイラルのシナリオが懸念されている。助成金条項を除外する事と、強制加入条項を却下することは、いずれもACAを骨抜きにし、破壊することと同じである。最高裁はなぜ、この2つの米国巡回控訴裁判所の意見の違いを検討する決定をしたのか、その理由は死のスパイラルのシナリオが懸念されている事と関連性がある。

通常3人の裁判官で構成されるD.C巡回米国控訴裁判所による7月22日の共和党多数派の判定に異論が多かった。従って 、フランス語でアン.バンクと呼ばれる多数の裁判官が揃うパネルでの再聴聞を行うことも検討されていたが、その手続きが始まる前に最高裁は突然介入を表明した。民主党裁判官が多いアン.バンクの聴聞では、助成金を保持する判定の可能性が高かった為、第4巡回控訴裁判所の判例とのバランスを維持する可能性があった。しかし、最高裁の介入は、それを阻止し、オバマケアを死のスパイラルに陥れるような結果を意図することが目的であるのか、又はACAの助成金に関して、それぞれ全く異なる決定をしたこの2つの巡回控訴裁判所の例に見られるような絶えない論争に終止符を打つ為であるかのいずれかである。従って、オバマケアの運命は来年6月の最高裁の判定次第である。

 

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