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感謝祭の休日から1日に議会に戻った議員には、ISIS戦略や減税に関する論議および他複数のプログラムの更新など取り組むべき課題が多数ある。特に、緊急な課題は継続融資決議案の通過であるが、共和党リーダー達はこの交渉の手段として政府閉鎖の脅しをテーブルから外した。しかし、大半の共和党は20日にオバマ大統領が公表した移民法の大統領令に不満を表明し、執拗に非合法であると主張している。その大統領令を無効にするため、下院議長のジョン.ベイナーは無名のティーパーティ議員が提案した極端な2つの戦略を考慮している。現在、共和党は引き続き移民の大統領令に対抗する構えを見せていて、その風向きは著しく強力である。

最も緊急な課題は12月11日に期限が切れる政府への継続融資決議 (CR)の投票である。ベイナーは休暇から議会に戻った12月1日、政府閉鎖は自分の計画の一部ではない為、避ける努力をすると表明した。休暇前「政府閉鎖も交渉のテーブルにある」と述べていたが、休暇中にその方向性を変えたようである。2日ベイナーは記者会見で、移民法大統領令を無効にする対策として(1)大統領が移民法を改正することを禁止する法案に投票すること、および政府閉鎖を回避する為(2)ほとんどの部署には2015年 9月末まで融資するが、移民問題に対処する国土安全保障省(DHS)又は移民関連部署には来年1月までの短期的融資を提供するだけの法案を通過させる2つのステップを公表した。これらの不公平なCR戦略は、オバマ氏が大統領令を公表した数日後、下院議会で経験の浅いティーパーティ議員に提案されたものである。その法案は、CRと「包括的」を意味するオムニバスを結合したクロムニバスと呼ばれ、ベイナーが7年前使った造語である。

つまり、多数の共和党はオバマ氏の大統領令は憲法違反であると主張している為、それをオバマ氏が撤回しない場合、1月までの期限後、DHSへの融資を停止するという脅しを暗示している。しかし、移民局の予算はビザの申請手数料などで賄っている為、さほど影響を受けない。それ以外に同省が必要な資金は、むしろ共和党が望んでいる国境の安全強化の為である。従って、さほど賢い戦略であるとは言えない。クロムニバス法案を提案したティーパーティ議員を含む幾人かの共和党はオバマの大統領令を却下する法案に投票するべきであると主張しているが、そのような法案にオバマ氏が署名する事はあり得ないのでこれも非現実的である。事実、オバマ氏は移民の大統領令を弱体化させる意図が隠れたCR法案には拒否権を発動すると予め警告した。

清浄なCR法案には(1)大統領の認可により、シリアの反政府軍を訓練する為の資金を含めて、イラクおよびシリアでのISIS(またはイスラム国)に対する戦略に必要な融資として約50億ドル、(2)米国でのエボラ蔓延を防ぐため、西アフリカのエボラ被災国で戦う資金として約60億ドル、(3)中央アメリカから不法入国した同伴者のいない子供達にたいして人道的に対処するための融資として37億ドルなど、オバマ氏が議会に要請した予算が含まれているはずである。共和党は、このような予算交渉に政府閉鎖の脅しを利用する戦略を放棄したが、場合によっては1月以降、DHSは不法移民の子供達に対処する予算に苦戦する可能性がある。しかし、共和党は来年の新議会で、オバア氏のISIS戦略も変える意図がある。壊滅的な戦闘現場に軍隊を派遣することはないとの一貫した姿勢を維持している大統領に反して、多数の共和党は兵士を戦場に送ることを提案している。

減税に関して、以前共和党は個人及び企業に対する永久的な減税法案を通過したが、上院では2015年までの減税法案を通過した。従来、上院では民主党が多数派であった為、減税の交渉が成立することはなかったが、来年から議会をコントロールする共和党は、彼らが望む減税法案に投票することも可能である。しかし、共和党の税制法案は、一般の国民よりビジネスを保護しすぎる傾向が強い為、税の抜け穴を塞ぐことを提案しているオバマ氏は拒否権を行使する可能性もある。また、インターネットのアクセスに対する州および連邦政府の課税禁止を延長することや、政府のテロ.リスク保険プログラムを更新することも議会の課題である。この保険プログラムの更新を最も望んでいるのは、主にテロリストによる建物の崩壊で壊滅的な打撃を受けやすい不動産や建設業である。

全ての課題で、共和党がどこまで民主党と交渉する気があるかどうか疑問である。その懐疑心を裏付けているクロムニバス戦略はCR法案に直接関連している為、今後10日以内に成立する必要がある。しかし、移民法の大統領令を骨なしにする法案は今後2年間成立する可能性はない。共和党は、政府閉鎖を避ける努力を優先する一方で、移民法の大統領令に挑戦するため、巧みなCR案を考慮している。来年1月から両院で多数派となる共和党は、そのような戦略が移民法の大統領令を無効にする為の影響力として交渉に役立つと主張している。ベイナーは、2つのステップによる戦略は最終決定ではないと述べているが、引き続きティーパーティ議員の極端な提案に迎合している。いずれにしても、移民法大統領令を行使したオバマ政権に挑戦する共和党の勢いは休暇後に再燃したようである。

 

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