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人種差別、警察の残忍な行為、法務執行のダブル.スタンダード、 司法制度の崩壊、これらの表現は全てアメリカで起きている現状を描写している。特に3日、大陪審が当該警察官の不起訴処分を決定した事件に関して、黒人に対する警察の対処はオバマ大統領が言及した通り、人種差別が根深いことを示唆している。ニューヨーク及び他多数の都市で正義を求める抗議デモが本格化しているが、市民が法の正義を求めることは最早不可能であると言えるほど、政治的な司法関係者は腐敗し、法的システムは崩壊している。

ミズリー州ファーガソンで8月9日に18歳の黒人少年を射殺した警察官のダレン.ウィルソンに対して、24日大陪審は不起訴処分を決定した。それから10日も経たない3日、ニューヨーク市では7月に複数の警察官がエリック.ガーナー43歳を窒息死させた事件で、スタテン島の大陪審も当該警察官に対して不起訴処分を決定した。その直後から NY市および複数の都市で膨大な規模の抗議が開始されている。ガーナーの事件には、20人以上の目撃者がいて、更に、当時の様子は一部始終ビデオ.カメラに収録され公開されている。大陪審による不起訴処分は、カメラが捉えた証拠を一見する限り不公平な決定であることは確実である。

複数の警察官は、ガーナーがタバコを一本ずつ不法販売しているとの疑いを抱き、彼に尋問を始めた。ガーナーはこれを否定し、暫く口論があった末、無抵抗で非武装の彼を警察官らは、むりやり押し倒し、商店街のガラス張りの店頭淵と通路の間に頭を抑えつけ、首の後部から喉を腕で絞めつけた。ガーナーは8回、「息が出来ない」と繰り返したが、彼の体が動きを停止した直後6分間以上、医療関係者が到着するまで放置されたままであり、誰一人慌てている様子はなかった。その後、病院に搬送される途中でガーナーは死亡した。4日CNNニュースは、7月17日の事件当時に撮影されたそのビデオを公開したが、複数の警察官が巨体の黒人を窒息死させる結果に至った経緯は素人の目にも鮮明に映った。今日、事件に関与した警察官は全員自由の身である。

大陪審による不起訴処分の決定後、ニューヨーク市民は怒濤が押し寄せたようにマンハッタンに集合した。オバマ大統領は、ホワイトハウスから司法システムに人種的な不公平があることを指摘した。3日と4日、多数の白人はオバマ氏が指摘した人種差別は事実であることを示唆する彼らの体験記事をツイッターに投稿した。Dave Hooverは「13歳の息子が最近黒人の友人らとウォルグリーンでうろついていた時、黒人の友人だけ盗みの捜査を受けた」と書いている。Cecily Kelloggは「13歳の時、逮捕される2週間前に友人と一緒に車を盗み運転した。告発されたのは黒人の友人だけだった」と告白した。Mark Ageeは「17歳の時、盗みで逮捕されたが、その店を出ていくよう丁寧に依頼された」と書いている。4日に投稿したPookabunは、「1度マリファナ保持で逮捕されたが、判事の警告だけで釈放された。僕と一緒にいた黒人の女子達はあまり幸運じゃなかった。僕は『ナイス.ガール』と呼ばれた」と書いている。他複数も似たような体験を伝える短いメッセージを投稿している。これらは全て、白人と黒人に対する法務執行にダブル.スタンダードがある事実を証言している。

ニューヨーク.タイムスによると、9月上旬、スタテン島の地方検事ダニエル.ドノバンは証拠を比較検討する大陪審を決集し、22人の民間人から証言を聞いた後、警察官ダニエル.パンタレオ29歳を除く他の警察官を事件の責任から免除した。ガーナー死亡の直接的要因は窒息であるが、彼の首を腕で押さえつけていたパンタレオに対して、大陪審は起訴するための充分な証拠がないと決定した。11月21日にパンタレオは「タバコを1本ずつ販売した為、逮捕されたガーナー氏を窒息させるつもりはなかった。ガーナー氏が致命的危険に晒されていたとは思わなかった」と証言した。地元企業の経営者による苦情により、警察はガーナーがスタテン島フェリー.ターミナルの近くの路上でタバコを売っているとの疑惑を抱いていた。しかし、「歴史的に犯罪率が低い時に、攻撃的な警察の戦略には疑問が提起されている」現状は病的社会を反映している。

黒人の死亡、警察の不起訴処分が相次いでいる昨今、今日も米国の複数の都市で抗議活動が続いている。4日のワシントン.ポストによると、マンハッタンの他に少なくともカリフォルニア州のオークランドを含む7つの都市で11月24日のファーガソンに比較して平和的な集会が行われている。しかし、ニューヨーク内の全域では 80人以上の抗議者が逮捕された。抗議者らはリンカーン.トンネル、ウエストサイド.ハイウェイ、ブルックリン橋を封鎖したため、ヘリコプターでパトロールしている警察に逮捕すると脅された。彼らは「人種差別主義者のスペルをどう書く?その答えはNYPD(ニューヨーク市警)だ」と述べている。ファーガソンでの抗議者は「手をあげろ、射たないで」をスローガンに掲げている。ニューヨークではガーナーの最後の言葉となった「息が出来ない」を怒号している。フィラデルフィアでのデモ参加者は「正義がなければクリスマスはない」と叫び、街のクリスマス.ツリーの照明を中断した。

非武装の黒人が殺害された事件に警察が関与した場合、一般的に警察官は告訴されていないのが現状である。ガーナーが不法にタバコを1本ずつ販売していたことは事実であるが、この犯罪は罰金の対象になるだけであり、シンプルな服装の警察官らは攻撃的に対応した。ビデオの公開は公正な裁判を求める激しい抗議の引き金になった為、司法省長官のエリック.ホルダーは3日連邦公民権違反の捜査を開始すると公表した。オバマ大統領は、黒人に対する長い人種差別の歴史があることを指摘し「この国で全ての人が法律の下で平等に扱われていないと、それは問題です。大統領としてそれを解決するのは私の仕事です」と述べた。オバマ氏は、ブラウンおよびガーナーの事件および2件の大陪審の決定について多くを語っていない。

警察は何らかの犯罪の証拠を握った場合、その証拠を地元の地方検事(DA)に引き渡し、DAはその証拠を大陪審に引き渡すシステムになっている。大陪審の任務は、殺人者の犯行の証拠を重視するべきであり、それらの証拠を比較論議するのは本来裁判大陪審の任務である為、現実的には実際に市民に危害を加えた警察官が簡単に不起訴処分されること事態が不自然である。従って、不起訴処分が決定した時点で、正義を追求するプロセスは切断される。米国最高裁の主席判事ジョン.ロバーツが以前語った通り、司法システムは時間とコストのかかる裁判および事務的費用を削減している為、既に司法システムは「市民の為に機能していない」ことが根本的な問題かもしれない。また、正義を追求できない要因は、判事らも巨額の選挙資金を提供される政治家に選ばれた人達である為、法を根底に善悪を判断することより「 巨額のお金で結果は交渉によって決まり、むしろメリットによる」とコロラド州最高裁判所の元判事レベッカ·ラブ·カーリスはCNNニュースのインタビューで語った。つまり、司法システムの関係者も政治家と同様、政治的利害の動機に基づいているという腐敗している司法制度崩壊の現状を伝えた。しかし、ガーナーの事件に対する解明の追求は始まったばかりである。

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