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2015年には2016年大統領選のキャンペーンが活発になるが、オバマ大統領が17日に公表した新キューバ政策は幾つかの点で民主党に有利である為、議会で妨害の動きが顕著になるかもしれない。引き続き、オバマケアの助成金に関しては問題が残されたままであるため最高裁の決定が注目される。また、キーストーン.パイプライン建設、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も引き続き論争的である。2015年の新議会は1994年以来、最も強力な保守派の議会になる為、議会内の政敵に加えて、議会外で最強のオバマ政権への対抗組織である米国立法取引協議会(ALEC)又はアレックは引き続き気候変動に対抗するかもしれない。2015年には最低賃金の引き上げ及び同性結婚合法化の拡大は益々記録的な進歩がある。

ヒラリー.クリントンは来年春頃までには2016年大統領選の立候補を表明する可能性がある。彼女が立候補すれば、オバマ大統領が17日に公表した新キューバ政策は、ヒラリーにとっては有利な展開になると思われる。ハバナでビジネスをオープンする為、特に農業州およびヒスパニック地域の有権者は民主党に投票する可能性が高い。また、オバマ氏のキューバ政策を支持した共和党上院議員ランド.ポールのケンタッキー州でも農家の有権者は民主党を支持する可能性が高くなる。中間選挙とは異なり、民主党に投票する傾向が強いヒスパニックや若い世代を含む少数派の投票参加率が著しく増加する予測に加えて、キューバ地域社会が存在するフロリダ州では若い人がヒラリーを支持する可能性もある為、既に勝利する確率が高いと予測されている。従って、新キューバ政策は政治的に民主党に有利である。故に、政治的脅威を感じる共和党は新議会で大統領令の移民法に並行して、キューバ政策を妨害する動きが顕著になるはずである。

下院議会はオバマケアを撤廃するためこれまで50回以上の投票を実施したが、一度も成功していない。2015年には両院で共和党がいずれも多数派になる為、再度撤廃を主張する可能性がある。しかし、最高裁は助成金に関する2つの判例について2015年の3月に聴聞を行い、6月末までに決定する為、議会は最高裁の決定を待つ可能性がある。最高裁がオバマケアの助成金条項を除外した場合、オバマケア下で医療保険に加入している85%以上の国民は助成金による税控除を受けている為、ほぼ医療保険を失う結果になる。従って、共和党が撤廃を主張する必要はなく、オバマケアの運命は最高裁の判定次第である。

外交経済政策の課題では日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、マレーシア、ベトナム、オーストラリアなどの加盟国が交渉を進めている TPPに対する抗議は引き続きエスカレートする。なぜなら、環境保護団体、労働者の賃金低下を懸念する労働組合、消費者保護団体、ティーパーティ活動家は透明性がない秘密の交渉であるとして反対している。下院少数派民主党リーダーのナンシー.ペロシもTPP交渉に異論を唱える一人である。

論争的なキーストーン.パイプラインの建設に関する投票は11月中旬に行われ、下院で通過したが、上院では通過しなかった。しかし、新議会の両院で多数派リーダーになる上院のミッチ.マコーネル及び下院議長のジョン.ベイナーは、パイプラインの制定が新議会最初の優先課題であると述べている為、再度投票し、上院でも通過する可能性がある。しかし、もし大統領が拒否権を行使した場合、拒否権を覆すためには両院で2/3の投票が必要である為、成功しない可能性がある。大統領が何の抵抗もなく署名するとは思えないが、各方面から建設許可への圧力が高まっている為、両院で通過した場合、何らかの気候変動に対応した法案と並行させることを条件に署名する可能性もある。

2015年も引き続き、環境政策を打破する動きが予測される。環境保護局(EPA)は40年以上、国民の健康を保護する為、清浄な水、公害、環境汚染を規制する重要な役目を果たしているが、1990年代初期から共和党はEPAを完全にスクラップすることを狙っている。近年、アレック(ALEC)は EPAの最強の政敵であり、再生エネルギーに対抗するためこれまで約80 の法案を制定した。それらのほとんどは成功していないが、ソーラー.エネルギーの利用者はフリーライダー(ただ乗りする人)であるとして料金の支払いを強制する政策を打ち出し、オクラホマを含む幾つかの共和党州で成功した。引き続きオバマ政権の温室効果ガス削減政策をブロックする動きが目立つかもしれない。クリーン.エネルギーの戦いはアレックから脱会する大企業の動きが示す通り、2015年も気候変動に対処する企業とアレックとの衝突は続くかもしれない 。

更に、大半の一般国民が支持している最低賃金は、新年早々20 以上の州で上昇することが判明している。また、2014年に同性結婚を合法化した州は急増した為、現在35州が合法化している。米国最高裁は、更に5州で最終決定が保留になっている幾つかの判例の聴聞を行う予定である為、2015年には D.Cおよび最低40州以上が合法化する勢いになるかもしれない。

2015年の新議会は、1994年以来の強力な保守派の議会になる為、遅かれ早かれ、本格的な減税、女性の健康問題に引き続き干渉、大統領の任命に対する阻止、社会安全ネットを弱体化する動きがあるかもしれない。上院議会は政府への融資継続決議法案を通過した13日夜、大統領が指名した20人以上の裁判官および官僚を含む人事に関して、共和党の同意を得る機会があった。しかし、最も手強い大統領の政敵であるマコーネルは、全米裁判所の判事の空席または辞職による後継者の指名を次々にブロックすることを誓約し、その事を自慢している為、2015年に大統領が新たな空席の人事を任命した場合、マコーネルおよび他の共和党は妨害する可能性がある。一方、2015年1月から多数派になる共和党は2016年の大統領選挙まで2年弱であるため、民主党の政策攻撃に集中していると選挙にマイナス影響があるとの見方もある為、民主党との協力を主張する動きも強くなる可能性がある。キューバ政策を支持したポールは、その点で賢い。

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