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6日から新議会がスタートした上院で少数派になった民主党はその調整にぎこちなさを示し、引き続きアメリカ人の為に働くことが上院議会の任務であると多数派の共和党に警告した。オバマ大統領も同様、消極的または受け身の姿勢にはならないことを表明し、最初から攻防戦略を展開している。共和党は幾つかの党派的な政策を押し進める意向があるため、国民に著しく悪影響を与える法案にはほとんど拒否することが予測されている。一方、共和党は現存する法の更新も含め3つの法案に投票し、全て通過した。2つの投票では民主党の多数の支持を得た。また、2つの法案は昨年上院で投票がなかったものである。

骨折事故後、自宅療養中のハリー.リードは下院議会開催の声明文を読む代理人にイリノイ州出身の民主党上院議員リチャード.ダービンを指名した。その声明文は「上院フロアーでの机の割り当ては再配置され、委員会は調整され、次の2年間新しい多数派がコントロールします。全て変化しても、米国の上院議員としての職務は同じであり、私たちは働いているアメリカ人を援助するためにここに存在し、また我々の政府は人々に奉仕するために必要な全てを備えていることを明確にしてください」と要請した。更に、「共和党の同僚、そして特に多数派リーダーは、上院民主党が特にアメリカの家族を支援し続けることを熱望していることを知る必要がある」と主張した。また、働いているアメリカの家族の保護を損なうドッド·フランク法の分解、ネット規則の弱体化、または共和党の「永遠に終らないオバマケアの撤廃は民主党が即時に団結した反対」に直面すると警告し、「我々はむしろ一緒に法律を制定したい。共和党にその意志があれば、超党派の妥協可能な共通の基盤はたくさんある」と伝えた。

大統領も議会の初日から、キーストーン.パイプラインには署名しないことを明白にしたが、上院多数派リーダーのミッチ.マコーネルは、オバマケア下での医療器具税を排除し、強制加入または罰金条項を抹消し、フルタイム労働の週30時間を40時間に変更するための法案を通過させる意向を表明した為、これに対しても拒否権があることを警告している。また、アリゾナ州出身の下院共和党議員トレント.フランクスは20週間後の中絶を禁止する法律の制定を提案した。これは、宗教団体にアピールする一種のポーズであるが、プライバシーの権利を保持した1973年のロー対ウェイド裁判による最高裁の判定では24週間を規定している為、この最高裁の画期的判定を覆すことがない限り困難である。オバマ氏は、これらの法案を含めて、ドッド·フランク法の撤廃、中間選挙後に署名した大統領令の移民法のスクラップなど、共和党の挑戦に抵抗する構えがあることを明白にしている。

共和党は7日、東部時間午後3時以降から30分以内に3つの法案の投票を行い、全てを通過させた。パリで風刺新聞社のチャーリー.エブドが銃撃を受け12名が死亡したテロ攻撃のニュースが集中していた頃、最初にテロリズム危険保険プログラム再承認法(TRIPRA)の更新に 投票し、共和党は237票、民主党は179票を投じた。反対した5人の共和党を除き、 416対5の圧倒的な票差で通過した。これは、2001年9月11日の同時多発テロ後に制定された連邦政府の保険プログラムであり、113議会が終了した時点で失効したものである。

次に、雇用創出の促進及び中小企業の負担を削減する法(PJCRSBA)に投票した。2014年9月 16 日に下院で改正され320対102票差で通過したが、113議会の終了とともに失効したため再度投票を行ったものである。昨日の投票で共和党241人、民主党35人が賛成票に投じた。共和党1人が反対し、民主党は145人が反対したが、276対146の票差で通過した。ドッド·フランク·ウォール.ストリート改革および消費者保護法に技術的な修正を行うため、公共および民間市場を通して資金にアクセスする小企業および新興成長企業の能力を強化するため、規制の負担を軽減するため及びその他の目的を規定した法案である。これは民主党が多数派であった昨年、上院で投票を実施した記録はない。

下院議会は最後に、国立暴風影響削減法の再承認(NWIRAR)に投票し381対39票で通過した。賛成票に投じた共和党は201人、民主党は180人である。反対したのは共和党の39人のみであり、圧倒的な票差で通過した。NWIRARは2013年8月にテキサス出身の共和党下院議員ランディ.ノイゲバウアーに紹介されたもので、昨年7月14日に通過したが、上院では投票していないため法律として制定されていない。ノイゲバウアーは科学.宇宙技術下院委員会のメンバーであり、竜巻や嵐による被害を経験したことがある為、災害の壊滅的な影響を最小限にするための研究を推進する法案を上院が通過することを望んでいる。

毎年米国の各地で発生する災害費用は莫大なものであるが、これら3つの政策に融資するためには、フード.スタンプ、年金、失業保険などすべて低所得者の安全ネットを削減することが大多数の共和党の基本的方針である。双方が表現する協力や妥協の言葉上の意味は、双方がお互いにお互いの主張に従えば協力するという隠れた意味があり、政治家は賢く建前と本音を使い分けている。最後2年間の任期を残された大統領は、最初から攻防戦略を展開しているようだ。また、昨日パリでテロ攻撃があった教訓として、移民問題だけではなく、テロ政策にも対処する国土安全保障省(DHS) に対して、共和党が予算を削減した状態で米国がテロ対策を強化できるかどうかについて、共和党リーダーがどこまで考慮しているか不明である。12月に通過した政府融資継続法には DHS への予算期限が大幅に縮小されている。2月に期限切れになるDHSへの予算、および貿易協定や税制改革について、両院の共和党リーダーとオバマ氏は協議を前向きに進めることが可能であるかどうか疑わしい。

 

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